Invisible Moment *//INCIDENTAL VANISHING STARS//
20060817 0236
深夜の横断歩道*0

なんとなく足を停めて、遠くで走る車の音を聞いていると妙に落ち着く。なぜだろうか。こうしている今も遠くで人々が生きているんだ、人々の生活や暮らしがそこにはあるんだって感じるからだろうか。深夜バスの妙な連帯感にも通じる。深夜の高速道路のパーキングも不思議な感覚だ。そんなことを考えていると、とあるCMを思い出した。数年前の谷川俊太郎の詩を使ったネスカフェのCM。ナレーションもとても良かった。

朝のリレー

カムチャツカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている

ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする

この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

日常の中で何となく視野が狭くなりつつある時に、ふと世界の広さを感じさせてくれるものに出会う…きっとそれが不思議な気分になる理由だと思う。
深夜の横断歩道。どこまでも静かな世界。信号が点滅する。再び歩き始める。二台の自転車が追い越して行く。追い越し際に「綺麗な月だね」といった会話。ふと見上げる。電信柱の向こう側。綺麗な月が見えた。


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