Invisible Moment *//INCIDENTAL VANISHING STARS//
20061216 1432
Object that Dreams*0


その日は外苑前の銀杏並木を眺め、いつものように渋谷を歩いた。
外苑前では落ちた銀杏が歩道を埋め尽くし、その上を歩くとカサカサと音がした。もう既に陽は落ち、SELANの明かりと街灯だけが紅葉した銀杏を照らしていた。数年間も見た光景だった。ただ一つだけ違ったのは、歩道の横に置かれているベンチにホームレス対策の金具が何も考えずに、ただ付けたとしか思えない状態で取り付けられていたことだった。デザインも景観もあったものではないなととても残念に感じてしまった。街に溢れる様々な看板や注意書きを見ればそこに住む人々の民度がある程度知れるのではないかと思っている。なので、こういった全くスマートではないやり方にはとても同意はできないと思いつつも、現実的な問題としてベンチで人が寝ていることが美しいかと言われればこれも問題だと思い、ただどうすることもできない現実だけが時間によって流されていくその様を、その流れに身を任せつつ傍観するしかないというのが自分のリアルな現実なのだなと勝手に物思いに耽りつつ、またそういった自分を客観的に見て冷笑した。
そんな一人メタゲームで遊んだ後、渋谷に向かった。行く途中、ビルの合間から東京タワーと六本木ヒルズが見えた。とあるレコード会社の前には大きなクリスマスツリーが置かれていた。
表参道には灯篭のカタチをした照明が置かれ、街はいつものように人で溢れていた。表参道ヒルズには某アイドルグループの期間限定のshopがオープンしていたためか、長い列ができていた。特に目的があってきた訳ではない自分はそういったものを横目で眺めつつ、青山ブックセンターへ向かった。渋谷に来ると特に欲しい本が無いのに足を運んでしまう場所だった。いつものように窓際に沿って歩きつつ、そのまま一周する。特に何も無いか…と思っていた時にふと目に留まったのがこの本だった。どこかで見たことがあるテイストの表紙だと思い、パラパラと中を見てみると”当たり”だった。その一冊を手に取り、レジへ向かい、青山ブックセンターを後にした。
Webで見れてしまうものが大半ではあるけれど、オフラインでアーカイヴ化されているのが書籍は便利だと思った。
その日はそんな一日だった。

MI-ZO(Zoren Gold & Minori Murakami)


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