Invisible Moment *//INCIDENTAL VANISHING STARS//
20070623 2347
いつもより早く起きた休日の朝は。*0

隣の駐車場から聴こえる車の音で目が覚めた。
いつも通りの休日なら絶対に起きることはない時間帯。カーテンの隙間から射し込む、初夏と梅雨の香りの入り混じった日差しをぼんやりと見ながら、「見飽きた風景なのにな」と思った。
そんな二十数回目の梅雨。日常は同じところをグルグル回り、前進しているのか後退しているのかわからなくなっているけれど、季節はそれとは無関係に巡り、知らない間に齢だけを重ねていく。自分の外側の世界が、その時間の流れの蓄積を客観的に提示する。それは、ある人には季節の遷り変わりであったり、またある人には子供の成長であったり、自分の体の衰えであったりするのだろうか。
ある絵描きが一枚の絵を完成させるのにある時間掛かったとして、死ぬまでに何枚の絵を描くことができるのだろうかと考えた。ある写真家が一枚のシャッターを切るのにある時間掛かったとして、死ぬまでに何回シャッターをきることができるのだろうかと考えた。彼らが「本当に自分が生きているという実感」を得られるその瞬間はどのぐらいなんだろうか。
外界の物理的な世界は、心の持ち方一つで見え方は変わる。
そんなどうでもいいようなことをぼんやりと考え、二度寝の誘惑を断ち切った休日の朝。顔を洗い、歯を磨き、そして洗濯機を回して家を出た。


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