Invisible Moment *//INCIDENTAL VANISHING STARS//
20080209 0606
A New Winter Morning*0

冬の朝、目覚まし時計の鳴る前の世界。
FMラジオから流れる遠い世界の独り言を聴きながら、暖房が部屋を暖めるのをぼんやりと待つ。
カーテンのすき間から覗く、東雲の空。

窓の外から聴こえる、通りを走る車の音が僕の耳に現実を伝える。
あの音は街が少しずつ動き出し始めているという合図。

ベッドから起き、まだ寝ている体に熱いシャワーを浴びせる。
排水溝に吸い込まれていく昨日までの自分。
鏡の前で髪を乾かし、歯を磨き、新しいシャツに袖を通す。

携帯電話にはいつもの相手からのいつものメール。
普段の僕ならまだ寝ている時間帯、そう思いながら電源をオフにした。

暖房を消し、結露した窓から外の空気の表情を窺う。
FMラジオが交通情報と天気予報を伝えたところで、そのオシャベリな口を塞いだ。
この街の朝は早い。

静かになった部屋を一通り見回し、最後にベッドの上の彼の頭を軽く叩く。
休み無く働く彼にも休息を。

普段の風景化した世界とは少しだけズレた世界が今日の僕には待っている。
そう思いながらコートとマフラーと音楽を身に付け、僕は部屋を後にした。


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