Invisible Moment *//INCIDENTAL VANISHING STARS//
20080512 0156
monotone.*0

少しだけ季節が巻き戻った週末。
泣き出しそうなグレーの空とビルのコンクリート、
工事中の朱色のクレーンが寂しそうに風に吹かれる。

駅のホームで椅子に座り、ぼんやりと行き交う人たちを眺める。

視線を落とし、イヤフォンから流れる音楽に集中しながら
足早に行き交う人たちの足元を眺める。

ハイヒール、ブーツ、スニーカー…真新しいものから使い古されたものまで、
一定のリズムを刻みながら僕の視界を右から左へ、左から右へ。

聴いていた曲が終わりを告げ、数秒間、現実の世界の音がイヤフォン越しに心をノックする。
外界から介入してくるデリカシーの無いその雑音が、現実に生きているという実感を僕に与える。

ホームに何回目かの電車が到着し、視界の半分が顔の無い風景化した足で埋まる。
曇り空、モノトーンの風景。

イヤフォンから流れる曲のボリュームを上げ、僕は目を閉じた。


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