Invisible Moment *//INCIDENTAL VANISHING STARS//
20080722 0233
after the party...*0

ケーキ入刀と共に鳴るクラッカーの音、
ライトに照らされたブーケと仮装用のメガネ、
飲みかけのカクテルと食べかけのケーキ、
祝福に包まれた雰囲気の中に流れる優しいBGM。

数分前までそこにあった 人々の歓談や体温がその空間から消え、
主を失ったソファーやテーブルをぼんやりと眺めながら、
パーティーの余韻に少しだけ浸った。

良い映画を見た後のエンディングロールを眺めるような、
素晴らしい小説の読後感のような。
自分の手のひらの中から何かがスルりと抜けていってしまう。
まだ終わらないでいて欲しい、その世界の続きを…。

ポケットに入れた携帯電話がメールの着信を僕に伝える。

クロークで預けていたジャケットを受け取ると軽く羽織り、
誰もいなくなったエントランスを通り抜け、店を後にした。

外に出ると生温い空気が僕の頬を舐め、空調に慣れた体に纏わり付いた。
心なしかあまり気にならなかったのはアルコールのせいだろうか。

携帯電話で受信したメッセージを確認し、ふと空を見上げた。
ビルの間から見えた空には、普段よりも多く星が見えたような気がした。


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