This is Not here - Invisible Moment *//INCIDENTAL VANISHING STARS//

THE DEVIL WEARS PRADA

YouTubeにアップされていた映画「プラダを着た悪魔」のFan Movieを見ていたら何となく書きたくなったので。

Vogue USのAnna Wintour関連の話題では高確率で引き合いに出されるこの映画ですが、公開は2006年。原作小説を書いたLauren WeisbergerはAnna Wintourの元でアシスタントの経験があることは有名ですね。その後もEveryone Worth Knowing、American Girls About Townという短編小説集に収録されているThe Bamboo Confessions、Chasing Harry Winstonと出版しているようですが、基本的にSEX AND THE CITYというか、そういった系(失礼)の作品が多いようです。売り上げも批評家のレビューもあまりよろしく無いことがwikipediaには書かれていますが、3作目の小説であるChasing Harry WinstonはUniversal Picturesが映画化権を取得したとも書かれていますね(著者のBlogでもエントリーがありました)。

THE DEVIL WEARS PRADAに話を戻して、監督のDavid Frankelや衣装デザインを担当したPatricia FieldはSEX AND THE CITY(Sixth Season)のコンビでもあるのですよね。David Frankelは元々TV出身のようで、映画全体の良い意味でのテンポの良さ(軽さ)はその辺に由来しているのかなと思います。
Patricia Fieldと言えば、最近では「お買い物中毒な私!(CONFESSIONS OF A SHOPAHOLIC)」でも衣装デザインを手掛けていますね。

音楽に関しては、上で紹介したFan Movieでも使用されている、KT TunstallのSuddenly I Seeという曲がかなりキャッチーで爽やかな曲なので個人的に好きですね。映画では冒頭のシーンで使用されており、映像とのシンクロ具合が良い感じ。ちなみにiTunesでも購入することができるので、気になった方は是非。映画の中では他にもMadonna等の楽曲が使用されています。

ストーリーに関して簡単に書くと、Anne Hathaway演じるファッションに興味の無いジャーナリスト志望のAndrea "Andy" Sachsがひょんなことから一流ファッション誌"RUNWAY"のMeryl Streep演じる鬼編集長 Miranda Priestlyの元で働くことになり、公私共に悪戦苦闘しながらも仕事では次第に認められていくが・・というお話。Andyの先輩アシスタントであるEmily Charlton(Emily Blunt)も良いのですが、アート・ディレクターであるNigel(Stanley Tucci)が人生の先輩として良い味を出しています。また、Valentino本人が本人役で出演しているのも見所でしょうか。
基本はドタバタ・ラブコメなのですが、仕事や人生における教訓劇的な側面や(脚色が入っているにしろ)業界の裏側的な部分が見れて面白い出来になっています。

個人的に面白いなと思ったシークエンスは、MirandaがAndyの冴えないブルーのセーターを見て発した、

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家のクローゼットからそのサエない"ブルーのセーター"を選んだ
"私は着る物なんか気にしない" "マジメな人間"ということね

でも その色はブルーじゃない ターコイズでもラピスでもない
セルリアンよ

知らないでしょうけど 2002年にオスカー・デ・ラ・レンタが
その色のソワレを
サンローランがミリタリー・ジャケットを発表

(中略)

空の色(セルリアン)は 8つのコレクションに登場
たちまちブームになり全米のデパートや
安いカジュアル服の店でも販売され
あなたがセールで購入した

その"ブルー"は巨大市場と 無数の労働者の象徴よ
でも とても皮肉ね

"ファッションと無関係"と思ったセーターは
そもそも ここにいる私たちが選んだのよ
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というセリフ。
視聴者にMirandaたちのファッションに対する真剣さや、ファッション誌をつくるということがどういうことなのかを示すためのやや説明的なシーンなのですが、コレクションで発表された作品が世界中に拡散・影響を与え、大衆が無意識的に選んで着ているファッションが実はこういった過程を得ている、というセリフは改めて言葉にされるとゾクゾクするものがありますね。もちろん、必ずしも現実がそうなっているとは言えないと思いますし(そのセリフは時に傲慢に聞こえるでしょう)、最近の業界的にはこういったトップダウン式のビジネスだけではかなり厳しい状況にあるのも事実かなと思います。

最後に映画中で登場した衣装に関してですが、こここの辺で紹介されていたのでご参考に。
個人的には、Chanelのゴールド・ロングネックレスのLook、同じくChanelのロングパール・ネックレスとキャップ(シャツは、Miu Miu)のLookが良いなと思いました。また、オードリー・ヘップバーンのようなLewinのグリーンのコートのLookは、カットがかなり短いのですがインパクトは大きかったと思います。あと、一番最初にAndyが服に気を使って着た全身ChanelのLookがあるのですが、あのブーツはChanel 06-07 AW Couture Collectionですよね。
tFSこの辺にもいろいろと写真が載っていたので、チェックしてみると良いかなと思いました。

memorandum...

9月に行われる10SSコレクションにおいてBurberry Prorsumは、ミラノではなくロンドンでコレクションを発表すると各所で報道されていましたね。25周年を迎えるロンドン・ファッションウィークを記念して、とのことらしいです。
また、nytimes.comのSuzy Menkesの記事で先ほど知ったのですが、Christian Lacroixが破産を申請したとのこと。経営の建て直しを図ることになると思うのですが、これにはちょっと驚いてしまいました・・。

追記:
WWDによるとVeronique Branquinhoもなのですね・・。11年続いたファッションハウスを閉鎖する、と。。

Raf Simons 09SS Short-sleeves Shirts

Raf SimonsのR刺繍 半袖シャツ(マケドニア製)。
1Bジャケットと並んで定番物ですが、シャープなカッティングの中に仄かに香るユースカルチャーの雰囲気が個人的に好きですね。Raf Simons全体で言えば、昔に比べるとストリート感は薄くなってきている(その方向性が変化している)と思いますが。
Jil SanderやDior homme、Kris Van Asscheとはまた違った気分になれるシャツです。

60 Minutes / Anna Wintour

Anna Wintourを特集した60 Minutesですが、CBSのサイトでいくつか映像が公開されていました(ここここを参照)。
ネット上でも各所で感想がポストされていましたが、インタビューアーであるMorley Saferに対して否定的な意見が多かったような気がしますね。というのも、番組全体が"The Devil Wears Prada"で描かれる(または、Nuclear Wintourと呼ばれる。というか今回は"Darth Vader in a Frock"でしたが。。)鬼編集長的な、ステレオタイプなAnna Wintourの紹介に留まったからということになるのかなと思います。

番組の内容に関しては、"コンデナストの社員はエレベーターに彼女と一緒に乗ることが許されない"、"会社からヘアケアと化粧及び、衣装手当が年間200,000ドル出されている"といった噂話から、"サングラスは感情を隠すためにしているということ"、"毛皮は好きなので着ているという話"、"Oprah WinfreyがVOGUEの表紙を飾るに当たり、20ポンドのダイエットをするように勧めたという話"、などなど・・がありました。
映像中では、John GallianoやKarl Lagerfeld, Bernard Arnault(LVMH), Ralph Lauren, Nicholas Ghesquiere, Domenico Dolce & Stefano Gabbana, Miuccia Pradaのインタビューもありましたね。また、Alexander Wangの1200ドルの服に対して"reasonable"と答えるシーンも映像の中で印象的に使われていました。

ネットで公開された映像がすべてかどうかよくわからないのですが、気になる方は60 Minutesのサイトをチェックしてみると良いのかなと思います。

INTERVIEW with Maison Martin Margiela / +81 Magazine VOL.44

What is the most important thing for you in creating clothing?
Always being unaffected and sincere.

How do you find and decide upon the themes for your collections each season?
Aside from suddenly coming up with ideas the day before we are also able to take inspiration and ideas that have kept over time. However, we must always patiently observe the things around us. Anything and every thing can become a creative source.

Do you consider brand concepts or seasonal themes to be important?
No. While it may seem illogical or unfocused, our collections only come together and gain clarity once they are actually given form.

Is there anything that all of the staff focus on in order to maintain a stable level of quality?
We all strive to always remain faithful to ourselves, our abilities, and our beliefs. We absolutely never compromise due to monetary reasons or trends.

What sort of influence has Belgium had on the maison's current creations?
Out of the 72 members of our current staff only four of us are Belgian. So, I don't think there has been that big of an influence.

The worldview Maison Martin Margiela has constructed is very unique and one-of-a-kind. How do you perceive this worldview?
We didn't build this worldview intentionally. It became a singular thing as a result of the history, personality, background, an culture of each member of our staff coming together.

What are the essential elements for building a brand's worldview?
Nothing is essential, because everything is spontaneous.

What is your vision for the future?
We all want to continue to be dreamers.

and more interview text on +81 magazine.

現在発売中の+81 VOL.44 / SUMMER 2009 Creativity of Garments issueに掲載されているMaison Martin Margielaのインタビューから、気になった部分をいくつか引用してみました。
Maison Martin Margielaは個の集合体であり、トップダウン型のメゾンではないというのはよく知られたことだと思いますが、インタビューの回答自体もメゾンとしての回答なので、その内容も非常にアイデンティファイされたものとなっていました。個人的には共感する部分がとても多かったですね。

6+ Antwerp Fashionとも内容が繋がりますが、メゾンのスタッフ72名の内、4名のみがベルギー人であり、ベルギーという国がメゾンのクリエイションに大きな影響を与えているとは思えないという回答や、メゾンの世界観は意図して構築されたものではなく自発的に(結果的に)そうなったということ。また、今後のヴィジョンについての質問に対しては、常に夢想家であり続けたい、と。

その他にもいくつか写真と共に記事が掲載されているので、気になる方は本誌を購入されてみると良いかなと思います(雑誌自体がファッション特集ですので)。

Chanel 09-10 Cruise Collection

Karl LagerfeldによるChanel 09-10 Cruise Collection。
カンヌ国際映画祭と日程が被っていましたが、Olivia Magnani, Rinko Kikuchi, Anna Mouglalisはシャネルのクルーズ・コレクションを優先したとvogue.co.ukでは書かれていましたね。ちなみに菊地凛子のドレスは、Chanel 09SS Couture Collectionのレース・ドレスとのこと(こちらを参照)。WWDの記事には、"So beautiful," "In Tokyo, I couldn't sleep, but here I slept like a baby. The water acts as a lullaby."というコメントが載っていました。

ベネツィアの海岸をランウェイに見立てて行われた今回のショーは、日没を待ってからということで2時間遅れで開始。BGMに関しては弦楽の二重奏があったようです。コレクションの全体については、30年代ベネツィアの上流社交界の雰囲気をベースに("Death In Venice"っぽさもありつつ)、モデルのメイクやウィッグからはMarchesa CasatiやPeggy Guggenheimの影響を見ることができました。
Lookに関しては、海賊風の黒い一団から90年代に活躍したTatjana Patitzがブラックのゴンドラ・ストライプを身に付けた船乗りたちを率いて歩くところからスタート。モノトーンとセピア調のライオン・プリントが施されている柔らかいシフォンによるflowy dress、ベネチアンマスクを連想させるようなサングラス、肩に羽織ったツイードジャケット、トランスパレントな靴は個人的に気になりましたね。また、カラーパレットに関してはイタリア 15世紀(ルネサンス期)の画家であるTiziano Vecelliの"Tiziano Red"の影響を受けたような赤が印象的に使われていました。

tFSでも指摘がありましたが、通常のコレクションよりは全体的に若い女性像を描いている感じ。クルーズ・コレクションの位置付けがそうなっているのかなと思いますが。
また、今回もメンズモデルがいくつか見られましたが、個人的にはレディスを引き立てるためだけに存在しているような感じがして・・。やはりChanelを着る女性は一人でいる方がその世界観にあっているような気がしましたね。

via style.com nymag.com nytimes.com

WORLD COLLECTION'S DREAMS Vol.03

WORLD COLLECTION'S DREAMS Vol.03

Dear World Wide Fashion Lovers,

WORLD COLLECTION'S DREAMS Vol.03
2009-2010 AUTUMN-WINTER READY-TO-WEAR

RECESSION v.s. FASHION CREATIVITY

DIVERSITY IS THE BEAUTY OF FASHION.
WHERE ACTUALLY IS FASHION HEADING FOR?

LISTEN TO THE DREAMING MELODY...

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REFERENCE MATERIALS + PHOTOGRAPHED BY
STYLE.COM & VOGUE.CO.UK
GAP PRESS Fashion Magazine PRET-A-PORTER 2009-2010 Autumn & Winter
MILAN / NEW YORK VOL.87, PARIS / LONDON VOL.88

memorandum...

Video: A Preview of Anna Wintour on 60 Minutes
以前から取材を行っていると話題が出ていたAnna Wintourの60 Minutes(CBS)ですが、今週日曜19時から放送するようですね(リンク先で予告編の映像を見ることができます)。

Anna Wintour Addresses Rumors About Leaving Vogue, Michelle Obama, the Recession, and More
Anna Wintourのイベントでのインタビュー記事。fashionologieでも書かれていましたが、来年、Style.comからVogue.comが独立(という理解でいいのかな?)するようですね。

Style magazine i-D to scale back to six issues a year
1980年に元ヴォーグのアートディレクターであるTerry Jonesによって創立され、今年の6月で300号を迎えるi-D Magazine。不況とデジタル化の波によるものからか、9月から月刊から隔月に縮小されるとのこと。発売月は、9月、10月、11月、2月、3月、4月と書かれていますね。その代わり今後はウェブサイト上で情報を展開していく予定だそうです。
個人的にですが、なんとなくTHE FACEの廃刊が頭をよぎってしまいました・・(どちらも1980年創立なのですよね)。

Chanel 09-10 Cruise Collection in Venice Trailer.

Chanel Cruise CollectionがヴェネチアのGrand Hotel Excelsiorで5月14日に行われるとfashionologie.comにポストされていました(情報ソースが書かれていないのでアレなのですが・・)。ヴェネチアに関しては、Paris-moscou Fashion Showのインタビューの中でKarl Lagerfeldが言及していましたね。
ビーチ・パジャマを考案したCoco Chanelが1920年の夏にヴェネチアを訪れ、ライオンから多くのインスピレーションを得たとのこと(Chanel collected many lion figurines while visiting)。そして、彼女は星座が獅子座だった・・という。

今回、Chanel Newsで公開されたTrailerに関しては11日と13日にも続編がアップされると書かれていますが、PODCASTでは既にEpisode 2を見ることができますね。そこではライオンの石像も映されているので、コレクションのモチーフとして使用される可能性は高い?のかもしれません。

Suzy Menkes speaks about the future of fashion.

nymag.comで紹介されていたのですが、Suzy Menkes(fashion editor of the International Herald Tribune)がサンフランシスコでファッションの将来について語ったようです。その内容は、「ユーザー生成型のオンライン・ファッション・ジャーナリズムの未来」と「今日の消費者とデザイナー/アパレルメーカーにとって持続可能性(sustainability)という概念が本当に意味するもの」の2つ。

一つ目のユーザー生成型のオンライン・ファッション・ジャーナリズム(つまり、Blogなどですね)に関しては、"I think it's terrific that there are bloggers,"とのことでかなり好意的に考えているようです(ちなみにnymag.comも「we agree.」と書いていますね)。そして、"But you have to keep up with the standards of fashion journalism today."とも。
また、"Not everyone's writing is equal."ということを差し引いたとしても、web writingはファッション産業に寄与するだろう、とのこと。

二つ目のサステナビリティに関しては、今年の3月下旬にインドのニューデリーでIHT主催で行われた「2009 Sustainable Luxury Conference」の内容に絡めて、現在のファストファッションは我々の財布には優しいけれど、それよりも地球にとって悪影響を及ぼすことを憂慮している、という話だったようです。

2009 Sustainable Luxury Conferenceと言えば、PPRのFrancois Henri Pinault(CEO)が今年の6月5日(環境の日)に「HOME」という映画を全世界で無料公開することを語ったカンファレンスでもあるのですよね(詳しくはこちらを参照)。
Fortuneによれば、この映画はYouTube上でも高解像度版が公開されるとのこと。また、これに合わせてSergio RossiがEco Pumpと呼ばれるソールとヒールがliquid wood製の靴を、Bottega Venetaからはトートバッグ(for customers spending more than $1,500)が、Alexander McQueenからは地球をモチーフにしたスカル・スカーフ(vogue.co.uk)が、そして、GucciのFrida Gianniniがデザインしたオーガニック・コットンと天然染料でできている185ドルの限定版Tシャツ(vogue.fr)が出るのですよね(売り上げの一部がgoodplanet.orgに寄付されるとのこと)。

Paris Match

KARL'S DIARY - A FASHION SHOOT FOR THE MAY 2009 ISSUE OF AMERICAN ELLE FEATURING FRENCH ACTRESS AND SINGER NORA ARNEZEDER.
Paris Match(ELLE.COM Fashion-Spotlight) Check it out.

Night walk...

Louis Vuittonのウィンドウ・ディスプレイは村上隆とコラボ中とのこともあって、さながらMONOGRAM MULTICOLORE FANTASY WORLDといったところ。既に閉店していたのですが、親子でお店の前に立ち止まってディスプレイを眺めている姿が印象的でした。
アニメやAKB48の件もそうですが、ターゲットとしている年齢層が若いですよね。現在の直接的な購買層よりも下の層にアピールしているような感じで、"次の世代のお客様"にも訴求しているといったところなのでしょうか(なんだかマクドナルドのマーケティング戦略みたいだなと思ってしまいましたが・・)。

COMME des GARCONS

Neil Barrett

Jil Sander

そういえば、RAF SIMONSの直営店では3日間に渡ってセールをやっていましたね。
08SSのアイテムなどもありましたが、セカンドラインも含めて50から60%OFFでした。

EYESCREAM - THE NUMBER (N)INE ISSUE / Takahiro Miyashita INTERVIEW

A CLOSED FEELING

雑誌のEYESCREAMに宮下貴裕のロングインタビューが掲載されていました。生い立ちから服作りを始めるまで。東コレ、パリコレ、そして今回のNUMBER (N)INEの解散まで言及されています。また、高橋盾や野口強、若槻善雄、佐藤富太、清水慶三、そして、BECKのインタビューや対談記事も載っていました。
ナンバーナインは一番最初に組んだバンドですごく大切なものだったから、だから葬り去りたかった・・といった内容が印象的でしたが、折角なのでその部分のインタビュー記事を少し引用してみようと思います。

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(「ナンバーナイン解散の真相」の段落から)
(前略)
◆最初のバンドっていうのが一番重要ですよね
「そうですよね。だからそれもわかって......辞めようと思ったんです。まぁなんか別に奇を衒ってとか、その周りの状況を判断してとかじゃないんですよね、やっぱ俺にとってナンバーナインはすごく大切なものだったから、だから葬り去りたかった」
◆葬り去りたかった。
「だし............未来のことを考えると、これ以上続けても意味がない。いわゆるビッグメゾンの人とか、だいたいのデザイナーが『続けることに意味がある』って」
◆言いますね。
「でも誰かがそれを壊さないと。これから育っていって、出てくるデザイナーに対して、意味がないと。自分のことだけを考えているわけじゃなくて、ファッション全体のことを考えて『辞める』っていう決断もありだと思っただけなんですよ。いつまでも同じことの繰り返しで続けるんだったら、俺は単純に意味がないから辞める、それだけです。『やっぱり俺ナンバーナインを辞めない。"A CLOSED FEELING"の後がある』って言い出したら、それはお客さんに対して失礼で。やっぱりそのナンバーナインっていう冠......看板? それを俺はなんか利用し始めてたような気がして。そうじゃなくて、その前に俺は宮下貴裕だと、そっちを大切にするべきだと。だから...もう俺には、"ナンバーナイン"っていう看板は必要ないんですよ。なくなっちゃったんですよ。だからそれに頼って何か同じことを続けるってことにも全く持って意味を見出せなくなってしまったんですよ。だからこの決断には賛否両論っていうか色々あーだこーだ言われますけど、これはすごく俺らしいし、そごく満足してます。何のためらいもなく、なんの嘘偽りもなく。ナンバーナインは死ぬべき時に死んだんです」
(中略)
◆じゃあ12年間ナンバーナインをやってきて、宮下さんの中では何を追求してたんだと思います?
「まぁ、追求してたのは"開放"なんでしょうね。たぶんその一番最初のトライアルは『別に学校を出てる/出てない関係なしにして、洋服を作りたいやつは作っても構わない』っていう法律を作りたかったわけ。第2に、『それを見せる機会は選ばれし者だけがやっていいわけじゃない』ということを証明しようっていう。第3には、『その勢いのまま世界に出てみよう』って」
(後略)
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引用文の前半の「同じことの繰り返しで続けるのであれば意味がない。だから辞める。」というのは潔いというか何というか。"偉大なるマンネリ"という言葉があるように、同じことの繰り返しが必ずしも悪であると自分は思いませんが、彼にとってNUMBER (N)INEはそういうものだったんだなと思いましたね。引用文の後半の"開放"に関しては、今まで結果を出し続けて来ているだけあって言葉に重みがあると思いました。
その他にもいろいろと記事を読みながら思うことがあったのですが、終わってしまったものに対して"あーだこーだ"書くのもアレだなと思ったので、とりあえずここには書かない方向で。。

また、高橋盾との対談の中では、「東京に飽きてパリに行ったが、パリも飽きてしまった。」「パリコレは観る側も飽きている。」「(当時の?現在も?)東コレはパーティー化していて、服作りを真剣にやろうとしている人たちからすると(作品に対して真剣に向き合っていない観客?は、言い方が悪いけれど)邪魔だなーと思ってしまった。」といった話や、ショーが終わった後のバックステージでの賞賛の声に疑いを持つというエピソードは、Louis Vuittonのドキュメンタリー番組の中でMarc Jacobsも同じような発言をしていたな、と個人的に思ってしまいました。

その他にもいろいろと面白い話題が多かったので、気になる方は雑誌を購入して読んでみるといいかなと思います。