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The Future of Digital Magazine... What do you do with your fashion mags?

Mag+という未来の雑誌に関するコンセプトビデオについて、Engadgetにポストされていたのでご紹介。これはスウェーデンのパブリッシャーであるBonnierとロンドンのデザイン・コンサルティング会社BERGによるもののようです。

AmazonのKindleを始めとした電子ブックリーダーや登場の噂が続いているApple Tablet、Tech Crunch主導で開発され、登場直前で駄目になってしまったCrunch Padなど、この辺の動きは個人的に気になるところ。
少し前に米国のコンデナスト社などがタブレット機やebookリーダー、Webフォンなどで提供するデジタル雑誌の、標準規格策定のためのジョイントベンチャーを発表したと報道されていましたね。でも、リンク先のTech Crunch Japanの記事中にもあるように既存のiTunes(App Store)を使って雑誌が買えるようになった方が自分も便利なのにと思います。

ファッション関係の書籍や雑誌を毎月購入していて困るのはその保管や処理方法ですよね。tFSにも"What do you do with your fashion mags?"というスレッドがあったりします。内容に関しては、ベットの下に保管したり、お気に入りのページのみを残してそれ以外は処分したり、切り貼りしてコラージュやムードボードをつくったり、リサイクルに出したり、図書館などに寄贈したり・・、といったことなどが書かれています(つまり、この問題をクリアすることには需要があるということ)。

物理的な空間を必要とする雑誌はデジタル化することで消費者としては恩恵があると思いますし、冒頭で紹介したMag+の映像中にも検索するシーンが出てきますが、デジタルデータの検索性は魅力的。著作権の問題がありますが、tumblr.comのようにスクラップブック(というか、コラージュやムードボードが簡単にデジタルで切り貼りで作成できると良いですね)が作れたり、それをiTunes Music StoreのiMixのように公開・共有できたりすると面白いかなと思います。音楽におけるMix CDやクラブDJ、Remixerのように既存の雑誌を再編集・再構築して、Mix BookやCompilation Bookみたいなものが手軽につくれたりする感じで。

いずれにせよ進むべき方向性は、「今よりも出版物のデータの取り扱いを簡単にすること」だと思いますが、もしApp Storeで雑誌がページ単位で購入することができるようになれば、エディトリアルの人気ランキングみたいなものも見れるようになって面白いかもしれないですね。フォトグラファーの人気ランキングやあるフォトグラファーの人気作品がどれかといった情報が可視化されると思うので。作品に順位を付けるということ自体には賛否があると思いますが、技術的には可能になると思います。

あと、VOGUEなどの歴史ある雑誌(VOGUE NIPPONも創刊10周年を迎えましたね)は、過去のアーカイヴをすべてデジタルで販売して貰えると嬉しいです。更に言えば、アメリカ版のWWD本誌(紙)なども日本で普通に読めるようになったり、海外の新聞も日本に居ながらにして購読できると便利。そこには言語の壁という問題もありますが、(言語に対して膨大なデータベースを使ってアプローチするという意味での)Google 日本語入力やGoogle Waveにおけるリアルタイム翻訳機能といったものを見ているとこの問題もそのうちクリアになるかなと。サーバに雑誌のデータをアップロードすれば自動で多くの言語に対応した形式で配布・販売できるのがベストですね。
そうすると雑誌に関して言えば、ビジュアルとしてのクオリティが本当に高いものと情報のローカル性が高いものに2極化していくでしょうか(すぐ単純にそうなるとは言いませんが)。また、紙として出版するまでも無いけれどあるニッチなコンテンツを持っている人にとっては、グローバルに展開できるチャンスと言えばチャンスかもしれません。

少し前にOlivier Zahm(Purple magazine)によるChanelの"31 rue cambon(the first Chanel magazine)"が話題になっていましたが、ああいったものもデジタルで展開すると良いのにと個人的に思うのですが、デジタル全盛の時代にあえてアナログで展開することは、プレミアムでエクスクルーシヴな感じ(ベンヤミン的に言えばアウラ)を演出するという意味での戦略としては有りですね。

ソファに横になりながら電子ブックリーダーやタブレットPCで国内の雑誌や海外の雑誌を母国語で読みつつ、出掛けるときは続きをiPhoneやGoogleのAndroid携帯でそのまま読めて、気になる記事やフォトグラファーの作品はピックアップしておいて、友人と共有・公開ができ、そして、自分が過去に購入した雑誌は全文検索可能といったライフスタイルはそう遠くない未来に実現されるような気がするのですが、どうなるのでしょうかね。

posted by PFM