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The Business of Fashion to Livestream Jefferson Hack Interview

昨日行われたBoFによるJefferson Hackへのインタビュー。USTREAMの配信はチェックしませんでしたが(日本時間AM3:00からだったので)、Fashionistaの記事BoFのTwitterからいくつか気になった点があったので少し書いておきます。

インタビューのテーマは、マルチメディア・パブリッシングの未来について。
Dazed Digitalは9月にuser-generatedな"satellite blogs"をロンチするとのことですが、具体的にどういったプラットフォームになるのか気になりますね。そして、Dazed & Confused iPad appは7月に出版される8月号でロンチするというお話。
iPadの成功は、印刷出版の終わりを意味しますか?という問いについては、"Digital magazines are in the moment, with the information zooming around. Print magazines are like the collective memory, like a souvenir you buy at rock concert."とのこと。印刷出版物がロックコンサートで買う記念品のようなものになるという話は、Style.comでのHedi Slimaneのインタビューでもあった考え方(コレクターズアイテムになる、という話)に通じますね。個人的に最近読んだ本として、佐々木俊尚の「電子書籍の衝撃」でもケータイ小説の件で同じような話がありましたが。

(現在の状況を)サバイヴする雑誌に何が求められますか?という問いへの回答は、"The future is in specialization and niche areas, independent press and print on demand."とのこと。また、マネタイズには多くの異なるやり方があり、1つの収益モデルは無いというのは確かにそうだと思います。いずれにしろ、"Culture today is a digital stream. Either you adapt or you are a dinosaur."という考え方に基づいた行動が求められるということでしょうね。

「雑誌」と乱暴に一括りにしてこの問題について書くといろいろと問題があるのですが、デジタル化がビジネスとしての新聞を救わないようにビジネスとしての雑誌を救う可能性も低い(ゼロではない)のだろうなと個人的に思います。自分のような消費者にはその恩恵があるので良いのですが、地殻変動を迫られる出版側は大変だろうな、と。

毎月発売されるファッション誌のような雑誌の良いところは、映像のようにタイムラインが無く、アーティクルの集合体なのでノンリニアにコンテンツが消費ができることにあると思っているので、その辺のLook and Feelがデジタル化によって損なわれること無く、更に便利になってくれると良いかなと思います。デジタルマガジンは映像やインタラクティヴ性を取り込んでいってその世界観を更に押し広げ、ユーザーエクスペリエンスを強化させるという方向性の進化もあると言えばあると思いますが、コンテンツの重厚長大化は消費者の時間的コストが増大し、他メディアとの可処分時間の奪い合いを招くので使いどころを間違えるとマズイかなと。ビジネス的にもペイしないだろうと思いますし。

現状では雑誌一冊を購入しても表紙から最後のページまで一字一句全ページを読むことはほとんど有り得ないにも関わらず、一冊分のお金を出して購入している状態なので、iTunes Music Storeのように雑誌間を横断的にあるキーワードで検索して、ヒットしたアーティクルだけ購入できるようになる(CDアルバムから一曲だけ購入するような感じ)だけでも個人的に便利かなと思ったりします。あと、雑誌にハイパーリンクという概念が付くだけでもずいぶんとそのアーティクルの意味やコンテクストは変わってくると思うのでその辺に期待したいですね。

posted by PFM