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Racial Diversity In Modeling.

一つ前のエントリーと同じく少々シリアスな話題を。
Racial Diversity In ModelingというスレッドをtFSで偶然見つけてざっと目を通しました。内容は、モデルの(人種的な)多様性について書かれているもの。とりあえずここでは、スレッドの気になった部分を抜粋して書いてみます。

2005年に立てられたこのスレッドは、PRADAのランウェイショーにおいて黒人モデルが(6年間)いないことから議論が始まります。それは偶然でしょ?といった意見や、これは政治的な問題ではなくビジネスの問題といった意見、これは老いた女性や背の低い女性を起用しないことと異なった問題ですか?といった意見など、いろいろ書かれていきます。ランウェイショーのモデルのキャスティングに関しては、デザイナー(PRADAは、Miuccia Pradaですね。)本人が行うよりもキャスティングディレクター(外注のAgencyに発注することが多いようです)がいるので、その問題ではないか?という話も出てくるのですが、最終的な意思決定と責任はデザイナーにあるのでは?といった意見が出ます。

また、VOGUEの表紙や特集で黒人モデル(アジア人モデルも)がフューチャーされることが少ないという話が出るのですが、もし仮に(アファーマティヴに)フューチャーされたとしてもそれにどれだけの意味があるのか?論争と議論を呼ぶだけなのではないか?といった意見、ファッション産業の顧客としてアフリカ人が増えてくればアフリカ人モデルもよく起用されるようになるのではないか(アジア人モデルが起用されるようになってきたのは、マーケットが拡大してきたから)といった意見、なども書かれていきます。ちなみにこの場合のVOGUEはUSのことを指しています。人種の"るつぼ"なのに・・といった話です。

個人的にこの雑誌の議論の部分でとても感心してしまったのが、「United Nations VogueやWorldwide Vogueといったものが存在しないよね?」といった意見。確かに・・と思ったのですが、もしそういった雑誌があった場合は誰が表紙や特集に出るのかといった問題がありそうです(個人的にはとても読んでみたい雑誌だなと思いました)。ちなみにこの雑誌の議論では、日本の雑誌は白人を起用することが多いけれど、人気があるモデルはエビちゃんです、といった書き込みもありました(少し前の話ですね)。

スレッドの書き込みの抜粋が続きますが、デザイナーがある女性像を描いたときに結果的に捨象された、描かれなかった女性像の存在についてデザイナーは基本的にそれについて無自覚であるといった意見もありました。これはファッションだけに限らないと思いますが、ものをつくり出す行為の功罪というか、作品を発表する場合にどこまでその影響を考慮するかといった話ですね。
また、しばしば出てくる意見としては「美しさとは嗜好の問題でしょ?」といった指摘。tasteの問題に還元してしまうとそこから先に進めなくなってしまうかなと思うのですが、「青い目とブロンドの髪が美しいだけではなく、美しさには多様性がある」という意見には同意できました。
そしてスレッドの中盤から後半は、Naomi Campbellらの活動やVogue Italia 2008年7月号のBlack Issueなどについて言及されていきます。

現在進行形のスレッドなので、とりあえずこんな感じでしょうか。いろいろ自分の理解が間違っていそうですが・・。現時点で1400近い書き込みがありますが、気になる方は時間のある時にスレッドを読んでみるといいかもしれません。Yves saint Laurentが黒人モデルを起用した話など、他にも多様な意見が書かれていますので。

最後に全部ではありませんが、ニュースサイトの過去の報道記事へのリンクをいくつか。

Black. Beautiful. Barely seen - guardian.co.uk
Ignoring Diversity, Runways Fade to White - nytimes.com
Supermodels launch anti-racism protest - guardian.co.uk
Skin game on runways - thestar.com
Fashion models breaking barriers - cnn.com

posted by PFM