Japan Fashion Week...?
Japan Fashion Week | Not prime time
ジャパン・ファッションウィークは日本のファッションのメインストリームではなく、少なくとも現状では単なる余興でしかないよね?というお話(文章を書いたのは、MEKASの人ですね)。少し前にElasticで紹介されていた祐真朋樹のインタビューと合わせて読むといいかなと思いました。
Japan Fashion Week | Not prime time
ジャパン・ファッションウィークは日本のファッションのメインストリームではなく、少なくとも現状では単なる余興でしかないよね?というお話(文章を書いたのは、MEKASの人ですね)。少し前にElasticで紹介されていた祐真朋樹のインタビューと合わせて読むといいかなと思いました。
上野公園にある東京国立博物館の表慶館にて、5月31日まで開催予定の吉岡徳仁 監修による日仏交流150周年記念 特別展「Story of... カルティエ クリエイション?めぐり逢う美の記憶」を見てきました。
「宝飾品は誰が所有し、どのような記憶が込められているかに意味がある」というカルティエの思想が今回の展覧会のコンセプトになっているとのことで、タイトルにも「Story of...」と付けられています("記憶=エピソード、ストーリー"と理解した方が分かり易いですね)。
Cartierは、1847年にルイ・フランソワ・カルティエがパリに(師匠からアトリエを譲り受けて)創立し、その後、息子のアルフレッド・カルティエ、三人の孫であるルイ、ピエール、ジャックと引継がれていく過程の中で「王の宝石商、宝石商の王」と称されるようになった世界的なブランド。
展覧会では、東洋趣味やインド風の作品、パンテール・パターンの作品や素材としてプラチナを採用した作品、アポロ11号の月面着陸のような歴史的な出来事を取り入れた作品、パティアラのマハラジャであったブピンドラ・シンのために製作したネックレス、メキシコの女優であったマリア・フェリックスのために製作したスネークやクロコダイルをモチーフにしたネックレス、ジャン・コクトーの剣、今日の腕時計の原型となる「サントス」、ミステリークロックと呼ばれる東洋風の装飾を施した置き時計など、その他にも美しいティアラやペンダント、ブローチ、チャーム、シガレットケース・・と全部で276点の作品が展示されていました(ちなみに一番最後に吉岡徳仁デザインの香水瓶の展示があります)。また、ホログラムのような映像を利用した展示などもあったりと見所は結構ありましたね。
一つ一つの作品を見ながら、ジュエリー(だけに限らないと思いますが)は人が身に付けているときが一番美しいのではないか?ということをぼんやりと思ったりしましたが、主を失った彼(彼女)らが主と共に輝いていた時代のストーリーに思いを馳せるというのが、今回の展覧会のコンセプトに合っていて良いのではないかと思いました。
このBlog記事を書くのにも参考にした展覧会のカタログは、作品とそれにまつわるエピソードがそれぞれ書かれているので気になる方はチェックされてみるといいかなと思います。芸術と社会(世界大戦などの社会情勢)、ファッション、異国文化、王室、・・といったものが、クリエイションに多様性と煌きを与えているのがわかりますので。
Karl LagerfeldのインタビューもCHANELのオフィシャルサイトにアップされたので今回も字幕を起こしてみました。
個人的にはメンズモデルへの言及があったのが気になりましたね。言われてみれば確かにCHANELっぽい性差へのアプローチの仕方だな・・と妙に納得してしまいました。
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The inspiration... Have you heard of Beau Brummell?
Beau Brummell was an early 19th century Englishman who was a favorite of the Prince Regent. He was sick of color, lace 18th century men's fashions, and he decided men should dress in sober colors, like today.
He placed a lot of focus on white shirts, cuffs, cravates, and all that. Like the little black dress with a white touch. I took this and exaggerated it. But cuffs get dirty, so I moved them. I took piece of clothing, the shirt, and made accessories. They are done in wool, silk, cotton, feathers, in tulle, everything you like. I made this garment in detachable pieces which are like jewelry.
"Chanel Belle Brummell." It is very feminine, and very Paris. Chanel loved black and white. There is a photo of her in white ruffles. I used all that to make something very today. The dresses have two lives. One for business, then you add to them. It is very becoming, very fresh. It is unpretentious, there are no logos.
I worked on the green jade jewelry with Laetitia Crahay. I decided to also look at pink jade. It was pretty, so I added some baby pink. The knitwear evokes bed jackets, nightwear, with a cozy feel. It looks very fragile on Lara Stone. It gives a different feel. Things must not become dry and masculine. For me, this is a very feminine collection.
We always retain that image of Chanel in a boater. I wanted to make one in knit. I had never done that before. Since everyone is wearing knit hats today, Why not a knit boater? It removes the old lady connotations. My job is to place Chanel in the spirit of the times. Given the times and the atmosphere, I found it appropriate to the moment to transform very frivolous, feminine dresses into almost austere, elegant outfits. I liked that formula for the current climate.
Same of the shoes have cut heels with a jade ring. Others have heels or platforms like a sculpture. The clothing required a volume in the shoes. The knit had the big cuffs and the things around the neck which needed balance. It did not look good with stilettos and thin soles. I do not like classic men models. I only take people I know well, friends of mine and each other. Boys between these tall girls in their hats and high heels can look silly, even though the boys are tall. The clothes they had on also for women. I do not put them on the runway twice. Chanel took so many looks from men that I wanted a proposition for men today in the mood of Chanel. Both women and men can wear them. It is like jeans, parkas and T-shirts. There is no gender for those.
Designer's block is commonplace. I do not believe in it. For me, being a designer is like being an athlete. I do not believe laziness brings inspiration. The French say, "Appetite comes with eating." Ideas come when you work.
CHANEL RTW FALL-WINTER 2009/10 SHOW VIDEO is Now Available.
RESTIR NEWSのISSUE #3が届いていたので、その中から気になった話題をいくつかご紹介。
載っていたブランドは、
FEMME
BALMAIN, Christian Louboutin, Elizabeth and James, Victoria Beckham, etc...
HOMME
THOM BROWNE, LANVIN, KITSUNE, TRUSSARDI 1911, BALMAIN, etc...
といった感じで、他にも多くのブランドとアイテムの写真が掲載されていました。
個人的に気になったのは、BALMAIN。BALMAINはEmmanuelle Altがよく着ているイメージがありますね(自分だけかもしれませんが・・)。FEMMEのシューズはGIUSEPPE ZANOTTIとコラボとのこと。また、今シーズンからメンズラインも開始されたようで、クリエイティブ・ディレクターはFEMMEと同じくChristophe Decarninらしいです。
あと気になったのは、Milan Vukmirovicが手掛けているTRUSSARDI 1911ですね。Milan Vukmirovicに関しては、style.comのインタビュー記事やこの辺を参考にするといいかなと思います。いろいろやっている人なんだなというのが個人的な印象ですね。
"But talent is a serious business," she finishes her column. "At Vogue, we do not take for granted the miraculous emergence, development, and ascendance of great artists. We depend on them for our livelihood. Without the likes of [Polly] Mellen, Adele, or Beyonce and the smashing of the rules that their progress gloriously entails, there is no culture worth celebrating. Olivier Theyskens's recent departure from Nina Ricci suggests to me that the vital role of artistic talent has been obscured in the current economic climate. My staff and I were shocked to learn that Theyskens's contract would not be renewed; and I am very concerned that the business of fashion is undervaluing the most important asset our industry requires: creative visionaries. There's a reason we continue to see Theyskens's influence everywhere, from catwalks to the mall. He'll be back, but fashion must hold its nerve. This is the mission that we at Vogue happily shoulder."
Olivier TheyskensがNina Ricciを去ったことに対して、Anna Wintourのような人がデザイナーの側に立ってその立場を明確にするというのが素晴らしいというか、流石だなと思いました。でも、Olivier Theyskensの件に関してはビジネスの問題(売り上げにあまり結びついていない)だったような気がするので難しいところかなとも思います。彼はCreator's Creatorというか、業界人受けは良かったという報道のされ方をしていたような気がするので。クリエイティブだけでも、ビジネスだけでも駄目なのですよね。その両輪が上手く噛み合わないと・・。
東京でもそろそろ桜が咲きそうですね。
春になると何となく聴きたくなるのが、CLAZZIQUAI PROJECTのSweety - English Ver.(iTMS)だったりします。ポカポカ陽気に合う雰囲気の曲かなと思うので。という訳で、最近聴いて良いなと思った曲をランダムにご紹介。
DJ Deckstreamの洋楽のカヴァー・企画アルバムである「MUSIC CASTLE」。アルバム全体を通してメロウ&スムースでチルアウトな雰囲気になっているのでDeckstreamのSoundtracksっぽい雰囲気はほぼ無くなっているのですが、これに収録されているJust the Two of Us(iTMS)とTo Be With You(iTMS)、Sweet Child O'Mine(iTMS)あたりがかなり気持ち良いです。それぞれの元ネタは、Just the Two of UsはGrover Washington Jr.、To Be With YouはMr. Big、Sweet Child O'MineはGuns N' Rosesですね。
Just the Two of UsとSweet Child O'Mineはメロウ&スムースでノスタルジックなインストになっていて、To Be With Youに関しては女性ヴォーカルになっています。
次は、DJ KAWASAKIによる青山テルマのLOVE DJ KAWASAKI REMIX(iTMS)。日本語の曲をRemixしたのは初めてとのことでしたが、いつものKAWASAKI BEATなBMP高めのハウスになっています(自分は原曲を知らなかったりしますが・・)。
DJ KAWASAKIのこういう方向性の曲は聴きやすいのですが、でもなぜか飽きにくいので好きですね。あと、DJ KAWASAKIに関して言えば歌モノも良いのですが、インストで個人的に好きなのがPlanetary Track(iTMS)とSo Far Away(iTMS)です。So Far Awayのピアノはとても綺麗だと思いますので、こちらもオススメ。
Jil Sander said:
"We are living in a small world today. People are in easy contact with each other. There is a new collective feeling of democracy. You can sense it everywhere. It is a wonderful challenge to dress this new world as attractively as possible. I am thinking of clothes that are comfortable for everyone, beautiful and not expensive. I am convinced that there can be luxury in simplicity. One glass of water doesn't equal another. One may just appease the thirst, the other you may enjoy thoroughly. In Japan, people know about this difference. Details are everything here. The challenge for me is to establish premium quality in a democratically priced brand: Quality for everyone."
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via nytimes.com
tFSで知ったのですが、CNNで放送されたCarine Roitfeldのドキュメンタリー映像がCNNのサイトにアップされていました。ネットで即日見れてしまうというのは良いですね。自分は見れないと思っていたので・・。
映像の内容についてですが、Tom Fordが出ていたり、Maison Martin Margielaでの映像があったりと結構面白いなと思いました。いつまで見れるかわからないのですが、暇なときにチェックしてみるといいかなと思います。
(デザイナーの)Jil SanderとUNIQLOの話やOlivier TheyskensがNina Ricciのクリエイティブ・ディレクターを正式に辞任した話。The SartorialistにLucas Ossendrijver(Lanvin)のインタビューが載っていたり、WSJのHeard on the Runwayが噂通り終了してしまったりと今日は気になる話題がいくつかありましたが、CNNで放送されるCarine Roitfeld(Chief Editor, Vogue Paris)のドキュメンタリーが自分としては気になりましたね。予告では、Marc JacobsやHedi Slimane、Karl Lagerfeld、Mario Testinoの映像が出ていたので。他にもCNNのサイトにはここやここに記事がありました(経済不況に関する話やAnna Wintourの後任の噂を否定する話ですね)。
ちなみにCBSの60 MinutesではAnna Wintourのドキュメンタリーを放送予定とのことなのですが、いずれにしろ自分は視聴環境を持っていないのであまり関係の無い話題だったりするのですけれど。。
シブヤ西武に今月からオープンしたBALENCIAGA。
B館4Fのフロア内の場所はYohji Yamamotoの隣でしたね。関東初の直営なのですが、売り場面積はそこまで広くないつくりです。でも、アイテム数から言えばあれぐらいでちょうど良いのかなとも思いました。
以前にも書いたかもしれませんが、BALENCIAGAで好きなのがデニムですね。Dior hommeよりも細いのですが、それがとても良い感じ。今季は今のところあまりピンと来るデニムはありませんでしたけれど・・。
Dior hommeといえば、例の昆虫の羽をモチーフにカットされたシャツやクリスタルのビジューをあしらったスパンコール・パンツが直営に入荷していましたね。前者が24万弱、後者が140万弱といったお値段でした。
Thousand Knives / Tibetan Dance - YouTube
坂本龍一の「/05」というアルバムに収録されているピアノ連弾Ver.のライヴ版のものがYouTubeにありました。久しぶりに聴いたのですが、やはり良いですね。深夜に静かな部屋の中で耳を傾けて聴きたい曲だと思います。
フランスのレクスプレス誌のCafe modeというFashion Blog。仏語で書かれているので自分はイマイチ内容が理解できないのですが、写真を見るだけでも楽しめると思います。
個人的に気になったエントリーは、Jil Sanderについての記事やBalenciagaの記事、4月24日から27日の期間に南仏のイエールで行われる24E FESTIVAL INTERNATIONAL DE MODE ET DE PHOTOGRAPHIEに関する記事(Nan Goldin, Zoe Cassavetes, Kris Van Assche, Diane Pernetが写真に写っています)などなど。
こういうのを読むと日本にも内容の濃いBlogがもっとあると良いのに・・といつも思ってしまいますね(自分が知らないだけでしょうか?)。それで何となく思い出したのが、宮台真司が最近書いていたオーセンティシズムに関する話だったりするのですが。
そういえばThe CutでWSJのFashion BlogであるHeard on the Runwayが無くなってしまうのでは?といった記事が書かれていましたね。こちらも個人的には気になる話題です。
ファッションウィーク中もいくつか気になる話題があったのですが、とりあえず3つほど。
少し前にGareth Pughが靴と化粧品のラインに取り組んでいるという報道がありました。そういえば、Gareth Pughの日本での取り扱いはどうなっているのでしょうかね。メンズでもウィメンズでもよいのですが、実物を一度手にとって見てみたいなと思っているのですが・・。
WSJ Magazineに出ていたLVMHのBernard Arnaultに関する特集記事。クリエイティブを如何にしてビジネスに昇華させるかという点でとても面白い記事だなと。Marc JacobsやJohn Gallianoをどのようにマネジメントしているのかというのは、確かに気になる話題ですね。仕事に関して奥さんに意見を求めるというのも書かれていました。
過去8年間のAnother Magazineのフォト・アーカイヴから構成されたANOTHER FASHION BOOKがJefferson Hackによって出版されるとのこと。amazon.co.jpでは6月末に発売されると出ています。また、colette.frにも一部写真が載っていました。
via Chanel News
パリコレも終了してしまいましたね。もう眠い目を擦らなくてもいいんだという安堵感?よりは、夢から醒めてしまったという不思議な寂しさの方が個人的には強い訳ですが・・。
経済不況の影響からか80年代や過去への言及が多く見られた09-10AWコレクションでしたが、ノスタルジックな郷愁が単なる停滞に終わることなく、未来への助走と成るならば良いなと思いました。また、コレクションを見ていて感じたのはやはり女性のファッションの方が多様性に満ちていて面白いということ。美しさとは一義的なものではないですし、女性像の描き方もブランドによって様々だと改めて思わされましたね。
Marc JacobsによるLouis Vuitton 09-10AWコレクション。
NYFWのシグネチャのコレクションが80年代のニューヨークへの言及であったのに対して、Louis Vuittonは80年代のフランスへの言及でしたね(より具体的には、Christian LacroixとChanel)。また、インスピレーション・ソースは、Marie Seznec(who modeled for Lacroix), Victoire de Castellane(who worked for Chanel), Ines de la Fressange(who was virtually French fashion mascot in chief at the time)とのこと。
カラーパレットは一部原色を使用しつつも基本的にはシックな印象。カクテルドレスやペプラム・ジャケットのフリルやフレアで遊びつつ、タフタによるBunny Earsは少しファニーな可愛らしさをLookに与えていましたね。また、バッグに関してはゴールドカラーが目を惹き、LVパドロックが複数飾り付けられているものが個人的には気になりました。あとは、ペーパーチェーン(子供がパーティーの際などに折り紙でつくるアレ)のようなネックレス、コーン・ヒールのハイヒールも特徴的でしたね。
via style.com vogue.co.uk wwd.com telegraph.co.uk iht.com tFS
John Gallianoによる09-10AWコレクション。
Russian-Folkloric Fantasyといった雰囲気で、息を呑むような素晴らしいショーでしたね。雪(ちょっと問題もあったようですが。。)やレーザーといった演出も印象的でした。
ランウェイに関しては、銀の硬貨やチェーンといったアクセサリー、ペザント・ブラウスや民俗調の刺繍、プラットフォームシューズとバイアスカット・ドレス、と個人的には目を奪われるものばかり。全部で30Lookと数は少なめでしたが、装飾(情報量)の過剰さを上手く操るバランス感覚とテクニックが流石はJohn Galliano・・と思わされるコレクションでした。
Jean Paul GaultierによるHermes 09-10AWコレクション。
今回のテーマは、"Aviatrix"(iht.comでは、Amelia Earhartが例に挙げられていましたね)。プロペラ機という少しレトロでクラシカル(アンティーク調)な雰囲気が服にも反映されていたと思います。
ランウェイではボマージャケットやトレンチを中心に、素材はレザー以外にも鰐皮やアストラカンといったものが見られました。Birkinのバッグに関してもクロコダイルVer.がありましたね。レザーの質感は素晴らしいの一言で、個人的にはレザー・スカートが結構気になりました。また、ショー後半のホルターネックのドレスに関してもシルクの光沢とドレープがとても美しかったですね。
Alexander McQueenによる09-10AWコレクションは、過去のコレクションへの言及がテーマだったようですね。
ショー会場には過去のコレクションで使用されたモチーフを含んだゴミの山があったとのこと。ランウェイでは口元のメイクが特徴的なモデルによって、アイロニカルなファッション・サーカスが展開されていました。空き缶や電気スタンド、傘が使われていたり、Diorの千鳥格子のパロディやエッシャーの描くグラフィカル・パターンのようなプリントが使われていたりしましたね。
キッチュな雰囲気の中にエレガントな要素があるコレクションだなと個人的には思いました。
Karl LagerfeldによるChanel 09-10AWコレクション。
今回のクリエイションは、Beau Brummellの影響があったとのこと。カラーパレットはブラックを中心に、ホワイトやシュガーピンク、そしてグリーン(翡翠)も見られました。
ランウェイの中で特徴的だったのは、手首や首に巻かれていたチュール、透明のプラスチックの中に入ったバッグ(iPodも入っていましたね)、グリーンやピンクの首飾り、不思議な模様の入ったボディスーツ、ウール製のキャノチエ、胸元が深く開いたリトルブラック・ドレスといったところでしょうか。シュガーピンクのLookはかなり可愛い印象でしたね。もちろん、定番のツイード・ジャケットは何度見ても美しいと思いました。また、今回もメンズのLookがありましたが雰囲気は今まで通りのマッチョ・ダンディーなイメージでしたね。
Chanelのコレクションは毎回反則的にカッコいいのですが、今回もモノトーン・ルックは素晴らしいと思いました。ちなみに、ショーの前にFront-Rowで、Kate Mossを撮ろうとしたカメラマン同士のいざこざがあったとも報道されていましたね。
via style.com vogue.co.uk wwd.com telegraph.co.uk iht.com nytimes.com independent.co.uk tFS
Stefano PilatiによるYves Saint Laurent 09-10AWコレクション。
ブラック・レザーやグレーのフランネル、そしてホワイト・シャツといったようにカラーパレットはモノトーンでしたね。服に関してはピンストライプのペンシル・スカートも気になりましたが、やはりジャケットの雰囲気が素晴らしい。ラペルなどの描く曲線がとても美しく、少し湿度を含んだ光沢のある質感が上品さを纏っていたと思います。
また、ショーの所々に点在していた(ハイウエスト)ベルトが今回も良いなと思いました。シンプルなデザインでしたが、あるのと無いのでは全く印象が変わってきますよね。
Riccardo TisciによるGivenchy 09-10AWコレクション。
今回のコレクションのテーマは、"It was Schiaparelli, animal sensuality, the forties, the thirties,"とのことでしたが、"Actually, I wanted to show lots of different shapes for all kinds of women."という発言もあったように、多くの女性に対してたくさんの異なったシルエットを示したかったという考えもあったようですね。
ランウェイに関しては数Look毎にいろいろと変化していましたが、動物の毛や羽をイメージしたものが多く目に付きました。個人的には、全体的に大人しめなコレクションだなと思いましたね。
Jean Paul Gaultierの09-10AWコレクションは、完全なるエンターテインメントでしたね。
コレクションのテーマは、"sex and money"というストレート過ぎるものでしたが、不況も忘れてしまうようなお祭り感があったと思います。tFSで貼られていたショーの動画もかなり面白かったですし。Coco RochaのBlogにも動画がポストされていましたね。
服に関しては"X"をモチーフにしたものを随所に見ることができました。また、メンズライクなパンツスーツ・ルックや紙幣をモチーフにしたドレス、ファーの付いたコートは目を惹きましたね。カラーパレットはダークトーンだったので、派手というよりは全体的にフェティッシュな雰囲気の方が強い印象を受けるコレクションだったと思いました。
川久保玲によるComme des Garcons 09-10AWコレクション。
メンズのコレクションと同じようにトロンプ・ルイユな表現が多く見られましたね。靴には指が描かれていたり、服にはポケットなどのシルエットが描かれていたりしました。また、ポンチョのようなコートやトレンチと毛布を合わせた様なLookは特徴的で、そして、ベージュ色のチュールで包まれているLookは服が実体化する前の孵化したばかりのもののようにも見えましたね。
あとは、コートなどのラペルやボタンの使い方がコム・デ・ギャルソンっぽい雰囲気を出しているなと感じました。メイクに関しては、モデルの顔についていた唇もトロンプ・ルイユなのでしょうかね。キュビズムっぽさもあるかなと少し思ってしまいましたが。
Ann Demeulemeesterのコレクションは、退廃的な世界に咲く花のようだといつも思いますね。
style.comのレビューでは、"I wanted something to give women more of a masculine shape,"というアンの発言が載っていましたが、中性的な表現は毎回研ぎ澄まされていくような感じを受けます。レディスもそうなのですが、特に起用されるメンズモデルは世界観に合い過ぎて素晴らしい・・。
ロングブーツとそして今回はレザーグローブが目を惹きましたね。カラーパレットに関しては、黒がその強さを、そしてそれとコントラストを成す白が優しさや柔らかさを表現していたと思います。あと、羽の髪飾りも雰囲気を出していたと思いました。
栗原たおによるTao Comme des Garcons 09-10AWコレクション。
初見では川久保玲の「悪趣味」を思い出してしまいましたが、今回のクリエイションのインスピレーションはケーキ・デコレーションと東欧の民族衣装がベースとのこと。style.comのレビューで書かれていましたが、前者がベビードール・ドレスとキルト風ジャケット、そして、ダーンドル・スカートを。後者が赤・黒・白のカラーパレットと民族衣装風の縞模様のフラワー・プリント、そして、黒いビロードを与えていたようですね。
個人的にはボリュームと立体感のあるスカートと多用されていたリボンが気になりました。あと、モデルの雰囲気にもあると思うのですが、"幼さ"がコレクション全体を通して流れているような感じがしましたね。
via telegraph.co.uk tFS
渡辺淳弥によるJUNYA WATANABE Comme des Garcons 09-10AWコレクション。
Pucciniの悲劇のオペラ「Madame Butterfly」と「Tosca」をBGMにランウェイショーが行われたようです。ダウンのドレスに金のチェーンが巻かれていたり、加茂克也によるウィッグなど、アート志向が強かったですね。telegraph.co.ukには渡辺淳弥の発言として、"Feathers and hair," "I wanted to make feathers not casual."と書かれていました。
個人的に見ていて一番感じたのは、「いつもの(?)ギャルソン組だな・・」というある種の安心感だったりします。あと頭に浮かんだ言葉は、「ロマンチック・アヴァンギャルド」。ちなみにtFSなどでも指摘されていましたが、ダウンを使うというのは04AWにもあったアイデアですね。
via style.com vogue.co.uk
山本耀司によるYohji Yamamoto 09-10AWコレクション。
今回のコレクションの前にYohji YamamotoとSalvatore Ferragamoのコラボした靴について各所で報じられていましたが、最初知ったときにはYohji Yamamotoとイタリアのイメージが上手く合わなかったですね。でも、全身黒で足元にちょこんとプレーンな赤い靴があるコレクション・ルックは少しだけ可愛い感じがしました。顔や髪のメイクと足元の赤でバランスが取れているからでしょうか。ちなみにメイクに関しては、モデルの背中や足に黒いハートが描かれていましたね。
服については各所のレビューでも書かれている通り、コートが特徴的でしたね。カラーパレットは黒と赤と少しの白でしたが、telegraph.co.ukの記事によれば赤は、"Blood, crazy, blossom."を表しているとのこと。
ショーの最後に赤い服を着たモデルが出てくる演出は雰囲気があって良いなと思いました。
WSJによればMaison Martin Margielaの09-10AWコレクションのテーマは、"morphing"。
fashionologieのレビューを読んでいて思ったのですが、Maison Martin Margielaのコレクションとはクリエイションの原石を提示することにあるということ。その方法論としては脱構築という言葉がよく使われますが、これはComme des Garconsにも言えることだと思います。
ある表現の原石、原子レベルのものを提示されたときにそれをどう受け止めるのか。コレクションを見ている観客は、電子顕微鏡や宇宙望遠鏡を覗かせられているような気分にさせられます。もちろんそれは、白い白衣を着た博士たちに・・ですよね。
via style.com vogue.co.uk tFS
Alber ElbazによるLANVIN 09-10AWコレクション。
全体的にかなりシックな印象で(1Lookのみ真紅のスカートスーツがありましたね)、そこに上品さと少しの退廃さ、そしてネックレスなどのアクセサリーやスクエア型のサングラスからはフューチャリスティックな雰囲気を感じることができました。
ファーやレザーの使い方、髪飾りもスパイス的にかなり効いていたと思います。グラマラスな美しさというよりは、先鋭的な美しさをストレートに感じさせるコレクションは個人的にかなり好きですね。vogue.co.ukのレビューの中に"femme fatale"という言葉がありましたが、正にそのような雰囲気だったと思いました。
John GallianoによるChristian Dior 09-10AWコレクション。
"The Orient was a great inspiration for Mr. Dior - he made a trip there - but sometimes I travel in my mind,"という、John Gallianoの発言にあるようにインスピレーション・ソースはオリエンタル。
イカットやペイズリー柄が用いられており、また、カラーパレットはとても多様でした。個人的にはグレー/シルバーのLookが良いなと思いましたね。あと、コートなどで使われていたファーやハーレムパンツも気になりました。
independent.co.ukに載っていた(元々はWWDですが)John Gallianoの、
"this is a credit, not a creative, crisis. Our clients still want fashion; still want to be inspired. Right now, fashion should be a morale booster, escapist, excellent and constant."
という言葉は、現在のつくり手側の心理をよく表しているなとちょっと思ってしまいましたね。
Rick Owensによる09-10AWコレクション。
素材やカラーパレットはシンプルに、複雑なレイヤードやアシンメトリー、カッティングによって服に動きを与えるという方法論をベースにしてその制限の中でコレクションを展開していった感じでしたね。
最初の8つの黒いLookの後、カラーパレットが氷のようなブルーやパールグレーに変わったので、そのコントラストもとても美しいと思いました。ステージが黒だったので写真もかなり映えて見えましたね。ショーの舞台も服の見え方(文脈という要素もありますね)を決める大事な要素だなと改めて感じました。
Nicolas GhesquiereによるBalenciaga 09-10AWコレクション。
シルク・サテンの光沢のあるドレープが柔らかい雰囲気と上品さを出していましたね。SF的な雰囲気よりもウェアラブル且つエレガントな方向性で、YSLっぽさもありつつといった感じでした。tFSではBalenciagaっぽくないという意見が結構ありましたが、パッと見はそんな印象を受けるコレクションだったと思います。
ショーの後半ではグラフィカル・プリントのドレスが中心になるのですが、その中に一つだけあったLook24のジャケットがとても美しいと思いました。また、特徴的な靴とバングルも個人的にはとても気になりましたね。
Paris Fashion Weekということで、Gareth Pughの09-10AWコレクションから。
今回はビデオ・プレゼンテーション形式だったので、ランウェイショーを期待していた自分としてはとても残念・・。コレクションに関してはカラーパレットは基本的に黒で、全体的にとても(ビジネスを意識した?)ウェアラブルな印象を受けました。
彼が今後どういった方向に変化していくのかが気になりますが、エッヂを効かせたままエレガントな雰囲気を取り入れていった方が表現としては広がりが出るかなと思います。現状のハード&ダークでフューチャリスティックな方向性はマンネリ化を招きやすいですし、表現者としてある程度表現の幅が無いと中長期的に続けることが難しいのではないかなと。もちろん、彼がどこを目指しているのかにもよるのですけれど。
・・と、コレクションの内容よりも彼の方向性について書いてしまいましたが、tFSなどでもランウェイショーをやらなかった理由についていろいろと意見が出ていたので自分も何となくコレクションの内容よりもその周辺について書いてみました。
また、iht.comのこの記事にデザイナーが大資本のファッションハウスに所属することについて書かれていたので、こちらも参考にしてみると良いと思います。面白い記事だと個人的に思ったので。ちなみにBernard Arnault(LVMH)にGareth PughについてアドバイスをしたのはKarl Lagerfeldだったと書かれていますね。
via SHOWstudio
Jil SanderのランウェイショーでモデルのAuguste Abeliunaiteが涙を流していたという話題について書きましたが、WSJのBlogにコメントが書かれており、それによるとカメラのフラッシュが原因だったとのことでした(これに関する記事もアップされていました)。
ランウェイショーにハプニングはつきものですが、こういったこともあるのですね。
Domenico DolceとStefano GabannaによるDolce&Gabbana 09-10AWコレクション。
インスピレーションソースは、Salvador DaliやJean Cocteau、そして、Man Rayとのこと。カラーパレットは白と黒がメインで、そこにショッキングピンクのドレスが所々入っていた印象。全体的にはシックな感じでしたね。肩のシルエットが特徴的で、グローブの形をしたスカーフやハット?がシュルレアリスムっぽい雰囲気。Marilyn Monroeプリントは直球だなと思いました。
また、コレクションと同じく報道されていたのが、ミラノのPalazzo della Ragioneで3月4日から5月10日まで行われる"Extreme Beauty in Vogue"という写真展(アメリカ版VOGUEの過去75年のアーカイヴからRichard Avedon, Helmut Newton, Irving Pennといった写真家の作品を含む写真展)。コスメティック・ラインを祝っての写真展とのことらしいですね。一部の写真をstyle.comで見ることができたのでチェックしてみるといいかもしれません。
via style.com vogue.co.uk wwd.com swide.com iht.com telegraph.co.uk tFS
Miuccia PradaによるPRADA 09-10AWコレクション。
全体の雰囲気は革とスタッズを多用したメンズのダークなコレクションのようでしたね。コレクション・テーマは、後半に行くにつれてCountryからGladiatorっぽい雰囲気に変化していました。前半から中盤に掛けてのコート(1940年代 戦争に行った夫の代わりに働く女性のイメージ)やWaderのようなブーツはかなり特徴的で、また、後半のスタッズを打ったドレスはかなりハードな雰囲気だと思いました。
tFSでは、「(コレクション全体の80年代リバイバルの雰囲気に対して)80年代の女性のように派手で挑発的な服を着てパーティーに出掛けることで、不況から目を逸らすという女性像の描き方は(ある種の軽薄さを孕んでいるので)女性を侮辱していない? 今回、Pradaはナイトクラブに出掛けるような女性とは対極的なタフで現実を直視するような女性像を描いた。」といったような意見があったのですが、それに対して「これらのコートや靴の価格のことを考えるとそれが現実を直視していることになるのだろうか? それは贅沢品であり、現実逃避である。」といった意見もあって、確かにそこには自己矛盾が存在する気も・・とちょっと考えさせられてしまいました。
Frida GianniniによるGucci 09-10AWコレクション。
インスピレーション・ソースはTina Chowとのこと。全体的に80年代の雰囲気が漂っていましたね。vogue.co.ukやWSJではニューヨークのナイトクラブ Studio54を引き合いに出してレビューされていたりしました。
いつも通りのパンツスーツ・ルックに少し野暮ったいサングラス、そしてランウェイの後半に多用されていたスパンコールが雰囲気を出していたと思います。WWDでは、"This is a collection for a dangerous woman," "She's a tough woman. She's not shy. She wants to stand out."というFrida Gianniniの発言が載っていましたが、その楽観主義がジャンニーニっぽい・・と思ってしまいました。
また、tFSでは(毎回Gucciのコレクションに関しては厳しい意見が書かれているのですが)、煌きが単純に魅力に繋がるわけではない、といった意見や水玉模様はコピーし易い、全体的に高級感が足りない・・といったコメントが多かったですね。個人的には言いたいことは理解できるな・・といった感じでした(もちろん、tFSの意見が世界の意見だとは思いませんけれど)。
NUMBER (N)INEのブランド終了やGareth PughのDior homme就任?といった噂がここの所いろいろとありましたが(少し前にはAnna Wintourの辞任などネットはいろいろいろありますね)、fashionologieでTom FordのWomenswearをAlessandra Facchinetti(元Valentino)が担当?といった噂が載っていました。ソースはthemomentのTwitterなのですが、どうなのでしょうね。
元Gucciの師弟ということで、ちょっと気になる噂だなと思いました。
Raf SimonsによるJil Sander 09-10AWコレクション。
全体的にはRaf SimonsのJil Sanderらしく彫刻的なアプローチによるミニマリズムな表現でしたね。Cathy HorynのDefying Gravityという記事に書かれていた通り、経済危機という重力にデザイナーのクリエイションが抗おうとしている、という表現は的確な言葉だなと思いました。
コレクションの前半は"This is Jil heritage"というRaf Simonsの発言があったように、ブランドの創始者に対する敬意を表した古典的なJil Sander Collectionだったとのこと。そして後半は、フランスのアーティストであるPol Chambostの陶芸の影響を受けての表現でした。
前半部分に関しては、Jil Sanderが設立されたドイツ ハンブルグのアトリエが閉鎖されることになったことがその表現へと繋がったようです。Jil Sanderというブランドが生まれた場所からアトリエが無くなってしまうのはどうなのかな?と思ったりしますが・・Jil Sanderというブランドの変遷を鑑みるといろいろと考えてしまいますね。コレクションの最後にRaf Simonsと登場したChristel Von Kiedrowski(20年以上ジルサンダーのアトリエで働いたチーフ)がとても印象的でした。
後半に関しては、Pol Chambostの作品を見るとその影響がよくわかりますね。有機的な曲線による表現がとても美しく、部分的にはBALENCIAGAのようなシルエットも見受けられました。
最後にfashionologieで書かれていたのですが、Auguste Tomasuiteが泣いていたという話題。メイクの問題かな(意図的な演出ではないですよね?)と思うのですが、どうなのでしょうか。
Milan Collectionということで、Christopher BaileyによるBurberry Prorsumから。
telegraphのHilary Alexanderによるレビューで、Christopher Baileyのクリエイションは詩的で悲しみと孤独が遍在する雰囲気と書かれていましたが、正にその通りといったところですね。
今回のコレクションのインスピレーションソースは、"Virginia Woolf and Elizabeth, Countess of Devon."。全体的にPre-Fall Collectionの延長線上にあるコレクションでしたが、クラシカルなプリントが入ったドレスがノスタルジックで良い雰囲気だなと思いました。あと、今回は首飾りが無かったのですが、手首に付いたアクセが個人的に気になりましたね。