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Raf Simons: Fashion Should Be "Hard To Grasp, Hard To Find"

6月15日から18日までイタリアのフィレンツェで行われるPitti UomoでJil Sander 11SS Men's Collectionを披露するRaf SimonsのStyle.comでのインタビュー記事。ショーに関してはオフィシャルサイトでLiveStreamingを日本時間18日AM4:15から行うようですね。Pitti Uomoに関しては日本語のPress Release(PDF)があるので興味のある方は読んでみると良いかなと思います。

以下、いつものようにインタビューについてざっくりと書いておきます。
結構、省略・簡略化して書いているので詳細は原文をご参照頂くということで。

インタビューの内容は、Raf SimonsがJil Sanderのクリエイティヴディレクターに就任してから5周年という話から始まり、(Villa Gamberaiaを背景に)ガーデンを舞台として提示される今回のショーがコレクションの作品にどう影響を与えたのか?という話題では(キーワードとしては、"Nature"があるようです)、今回のコレクションはsilhouette-drivenなコレクションではなく、Jil Sanderのヘリテージであるカラーとマテリアルについてのシンプルなものになるとの話で、Raf Simonsはブランドのルーツへ回帰したかったとのこと("No spectacle. No over-the-top form - more simple and easy to relate to. The color and the material are more challenging."と語っていますね)。

Jil Sanderでの仕事に関しては、最初から自分はデザイナーのJil Sanderになることはできないことを意識し、オーディエンスはデザイナーのJil SanderがクリエイトしたJil Sanderを望むけれど、彼らに新しいアイデアを提示することが私の仕事であると考えているとのこと。そしてそれは必ずしも良いリアクションがあるわけではないが、それは問題ではなく、多くの方向性を提示することがある種のリアリズムと関連性を持つJil Sanderというブランドにおいてはチャレンジである、と。
各シーズンにおけるインスピレーションやディレクションに関わらず、あなたがJil Sanderと認めるクオリティが常にあることが私の責任であるとのお話。

クライアントの変化に関しては、シンプルで良いカシミアコートとフラットな靴を望む顧客は常におり、我々はそれを提供しているけれど、過去10年間でファッションは多様化し、消費者心理は変化したとのこと。90年代には"the Jil Sander woman, the Martin Margiela woman."といったように一人のデザイナーを通して自己を表現することは一般的だったが今の消費者はブランドをMixして購入し、そして彼らは多くの変化を望み、全てに対してより多くを望む、と。
こういった状況下における新しいアプローチとして例えば我々のストアはこれまでよりもより良く改善しているが、(それには多くの理由があるけれど)これは再びワンブランドにコミットしている顧客に関係がある、とのこと。クライアントの抱える問題点としては、"I can see how it would get exhausting, feeling like you have to buy 16 bags by 16 different designers every year, in order to keep up."と話していますね。

現在のファッションに関してRaf Simonsは少しスローダウンすることを望んでいるようで、それは、ファッションが速く進む際に彼がファッションにおいて好きな"slightly elusive"、"Hard to grasp, hard to find."という考えを消し去ってしまうからとのこと。クリエイティビティを楽しんだり、熟考を必要とするメッセージがファッションにあっても良いよね?とのお話で、そのための時間が再びあって欲しいのだけれど、結局はそれはコンシューマーが決めることであって我々はサジェストすることしかできない、と。
(この後、Raf Simonsの個人的なアート収集に関する話題が出ていますね。)

最後は、女性の服をデザインするということがRaf Simonsをとても怖がらせたというJil Sanderでのファースト・コレクションについての話や荒れていたブランドを安定させるという当初の目標の話、そして、現在までのコレクションにおける"let's go every place this brand has never been."という話題からデザイナーとして未来への可能性を信じる"The task of the designer is to be excited about what's to come. I'm a romantic about the future. That's where all the possibility is."という言葉で締め括られていますね。

posted by PFM