This is Not here - *//LIKE TEARS IN RAIN

Jil Sander 12-13AW Men's Collection

ブラックラバーのランウェイに落書きのされたドア、光の世界に背を向けて闇の世界を描いたRaf SimonsによるJil Sander 12-13AW Men's Collection。今回のコレクションのタイトルは、"a reflection on contemporary masculinity - an exploration of the subtle tension between control and release."。
Michel GaubertによるサウンドトラックはNine Inch Nailsの"Closer"などを使用していたようで、今回のコレクションの世界観は見た感じそのママといったところでしょうか。

Raf Simonsが"What you see is who you are"とオドケながら話していたようですが、今回のコレクションはビジネスマン、父親、オフィス・ナードといった典型的な男性像を調査したかったとのこと。もちろんそれをそのままコレクションに描く訳では無く、Tim BlanksがレビューでSteve McQueenによる映画「Shame」を、Alex FuryがBret Easton Ellisによる小説「American Psycho」の主人公であるPatrick Batemanをそれぞれ引き合いに出してレビューしているようにコレクションのフォーカスポイントは「男の二元性」についてですね。

ロングコートにダーツの入った彫刻的なスーツ、セーラーカラーのニットに無垢のシャツとタイ、手にはもちろんグローブを嵌めて。ブラックレザーを前面に押し出したシリアルキラーのような各Lookは踵を返すと全く違う一面を見せる。クジラや魚、恐竜にラジカセといった無邪気なモチーフ。
優秀なビジネスマンとしての昼の顔とシリアルキラーとしての夜の顔、会社人間としての男と父親としての男、Raf Simonsは若者のままでいる父親を望むと話していたようですが、コレクションのLookはいろいろ想像して見るといろいろなものに見えて面白いコレクションだったかなと思います。正に、"What you see is who you are"ですね。

via style.com wwd.com nytimes.com showstudio.com tFS

posted by PFM