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Dior homme 12-13AW Collection

Kris Van AsscheによるDior homme 12-13AW Collection。
コレクションのタイトルである"A Soldier on My Own"が示すように、今回はミリタリー・トーンをメインにセットしてのコレクションとなりましたね。

カラーパレットにはオフィサー・グリーンと呼ばれるオリーブカーキをフィーチャー。4Bや3Bジャケットにボタンダウン・シャツとプリーツ・トラウザーを合わせたスーツ、軍の感受性としてのブルゾンやボーダーガード・パーカーにフィールド・ジャケット、過去シーズンと同様に流動性への頷きを見せるバックジップのロングオーバーコート。キルティング・ボマージャケットやシルクスリーブのトレンチコート、シアリングファーをあしらったジャケットはインサイドアウトという概念によってアトリエのクラフトワークを賛美する。
ランウェイ終盤のホワイト・バードによるカモフラージュは今回のコレクションを象徴するサインと言えますね。

服に関しては4Bジャケットやボタンダウンのシャツ、スタンドカラーやチンフラップの採用が目に付きましたが、バッグのクロコダイルやミリタリーキャップとアビエイターサングラスもコレクションの方向性と上手く合っていたかなと思います。

Kris Van Asscheが話しているようにソルジャー(ミリタリー)というテーマはある種のカモフラージュであって、今回のコレクションの本質的なテーマはテーラリングにスポーティなアティテュードを融和させることにありますね。数シーズン続いていたボリュームと流動性に関するテーラリングコレクションを通過した上でのスポーティフィケイション。スポーティなテーラリング以外の要素に関しては切れ味が鈍くなっているのは今までのコレクション通りですが、ミリタリーというテーマの上でさえもソフトでエレガント、分かり易く言えば可愛らしさが見え隠れしているのはクリスらしいかなと思います。

ミニマリズムにプラスして異なった要素をテーマに加えた今回のコレクションは言わば、企画モノと言えるでしょうか。テーラリングに関する最小化という意味でのミニマリズムはほぼやり尽くした感があるので、今後もこういった感じで連続的な変化ではなく、不連続な変化が続くのかなと思います。というか、通常のブランドのコレクションとはそういうものですけれど。変化や進化の見えない同じようなものばかり繰り返す退屈なコレクションよりは面白いと思うので個人的には良いと思いますけれどね。

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posted by PFM