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Jil Sander 13SS Men's Collection

自身のブランドに7年振りに2度目の復帰を果たしたJil Sanderによる2013年春夏メンズコレクション。
68歳で再度復帰を果たした彼女ですが、年齢に関しては第二次世界大戦後に71歳でファッション界へカムバックしたCoco Chanelと比較される記事が海外では書かれたりしていますね。

クラシカルなダブルのジャケットをメインに据えた滑らかなミニマリズム・テーラリング。ブランドDNAであるピュアネスを表現するホワイト・ポプリン・シャツには、少年のような若々しさを表現する直線的なカッティングのノースリーブ・フロックコートを組み合わせる。
フェミニンでユースフルな要素としてのゆったりしたショーツはスカートのような趣。カーディガンなどに用いられたBlinky PalermoやRobert Mangoldといったアーティストの影響を受けるカラーブロッキングのグラフィカル・パターンは、ベーシックなランウェイショーに彩りを与える。

Raf Simonsのクリエイションに比べるとフェミニンタッチで描かれる男性像が女性の創り手らしく、ユースフル・フィーリングとフェミニティ、ミニマリズムとピュアネスの、よりベーシックな関係性がランウェイに表現されている感じがあったかなと思います。もちろん、見方を変えればダイナミズムのない安全圏でのクリエイションと言えなくもありませんが、今回は創始者としてレジティメートなコレクションをしたと言うのが正しいでしょうか。昨今のユーロ圏に端を発する世界的な経済危機の可能性を考慮すると、こういう穏やかなコレクションが気分なのかもしれませんけれどね。

冒頭で年齢についての話を書きましたが、働く理由に関してJil Sanderは、"Why do I keep working? Because I love it."と答えたようですね。紆余曲折を経て再び復帰した訳ですが、対象への愛さえ失わなければ何歳になっても人生はリスタートすることができる。そういうことを今回の彼女の復帰は教えてくれている感じがしますね。

via style.com wwd.com runway.blogs.nytimes.com fashionwiredaily.com showstudio.com tFS

posted by PFM