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Alexander Wang 13SS Collection

Alexander Wangによる2013年春夏コレクションのランウェイショーは、DJ Slinkの"Put Cha Back In It"をサウンドトラックにセットしてスタート。「服が女性の体の上に浮きつつも、その構造を保っていて欲しかった。」というワンの説明があったように、今回のコレクションはファブリックのセパレーションを多用したものでしたね。

ブラック、ホワイト、グレーにベージュとアイボリー、そして、シルバーという色彩設計にはグラフィックプリントをほとんど含まず、ディセクションされたファブリックとその間から覗く皮膚のコントラストによってショーは進行する。直線的にカットされたレザーとジッパーによるブルゾンやジャケット、爽やかなホワイト・コットンのラウンドヘム・シャツドレス、ブランドのシグネチャであるスポーティーでストリート感のあるウインドブレーカー、解体と再構築によってドレスへと変形させたサマーセーター、ベースボール・ユニフォームをモチーフにしたスポンジ・レザーを用いたラウンドショルダー・Tシャツドレス、膝上のショートパンツやウェービー・スカートが若さを演出し、グラディエーター・ブーツなどのシューズは衣服と同じ世界観を共有する。

ヘアスタイルと簡素なメイクアップが仄かに言及するように、各Lookはトライバルな空気を僅かに包摂していますね。tFSなどではHussein ChalayanやGivenchy by Riccardo Tisciといったキーワードが出ていましたが、リピータブルなストライピングや直線的なカッティングのモノトーン・レザーは確かにそういった雰囲気があったと思います。
フィナーレではランウェイのライトが消され、ファブリックのフルーレセント効果がフィーチャーされていましたが、個人的にこのギミックは少し蛇足だったかなと。モデルのキャスティングに関しては、Liberty Rossが歩いていたのが話題になっていましたね。

いつものようにアーバンライフを送るクールでヒップなストリート・ガールを描くというAlexander Wangらしいコレクションでしたが、彼のコレクションを見ているとこのままNew Yorkで作品を発表し続けていくのか、それとも将来的にはParisなどに場所を移すことを視野に入れているのか、といったことがぼんやりと頭に浮かびますね。まだ28歳ということもあるので、そこまで先のことは考えていないのかもしれませんけれど。クリエイションという点で言えば、その前にやらなければならないこと(New Yorkで20代でなければ描けないこと)はたくさんあると言えばそうでしょうし、ね。

via style.com wwd.com vogue.com runway.blogs.nytimes.com fashionwiredaily.com tFS

posted by PFM