This is Not here - *//LIKE TEARS IN RAIN

Jil Sander 13SS Collection

スクウェア形のホワイト・ショースペースをランウェイにして行われたJil Sanderによる2013年春夏コレクション。
復帰後、初のウィメンズコレクションのテーマは、"Reset to Zero"。

ブランドのサインであるホワイトシャツに立体的に曲線を描くテーラリングのフォルム、モダンな響きのあるナロー・クロップドパンツにクリーンなAラインスカート、プレーンなチュニックはファブリックとスキンの間の空間をデザインすることにフォーカスし、7分袖やノースリーブのコートはリアリティとユーティリティを備える。穏やかで落ち着いた表情を見せながら進行していくショーは、ファッションの教科書に載るような正統性を持ったミニマリズムを忠実に描画していく。

Suzy Menkesが言うようにJil Sanderはミッドセンチュリー・モダニズムを再解釈し、スタイルを合理化することと社会における女性の活動の場を確立することにその人生を捧げた人物である。ミニマリズムはあらゆる年齢の女性に知性を付与し、その知性によって女性を自由にするというアイデアを包摂する。Cathy Horynが指摘するように、Jil Sanderというブランドが現在まで生き残り、ミニマリズムという概念が未だに時代遅れになるどころか、Phoebe Philoのような次の世代のデザイナーにその遺伝子が受け継がれていく状況はミニマリズムという概念の耐久性と射程の広さを如実に物語っていると言える。

Tim Blanksが書くように、UNIQLOとの3年間のコラボレーションが彼女にハイファッションの世界に戻るという動機を与えたのならば、それはファストファッションでは成し得ない何かがそこにあったということを示唆していますね。ハイファッションか、ファストファッションか、という選択はデザイナーにとってみれば世界を変える方法を選択することと言えるでしょうし。デザイナーに限ったことではありませんが、大切なことは自分に合った世界を変える方法を選択すること、ですね。

via wwd.com vogue.com tFS

posted by PFM