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Interview with Kris Van Assche, The Ice on Fire - Liberation.fr

Liberation.frでのKris Van Asscheのインタビュー記事が面白かったので、今シーズンの話とDiorに関する部分のみ少し書いておきましょうか。
13SSコレクションのメタルボタンにあしらわれたモノグラム(クレスト)は、1951年にムッシュ ディオールによって発表されたドレスのカフスに初めて使われたデザインとのこと。そして、コレクションのインスピレーションソースには海軍の影響とは別にイタリアの照明デザイナーであるGino Sarfattiがあったようで、"Light"は文字通り光と軽さを意味し、光がランウェイショーのセットデザインへ、軽さはいつものように彼のつくる服へと昇華されているようですね。

Hedi Slimaneから引き継いでDior hommeでデザイナーを務めていることについては、女性が「装飾」が好きであるのに対し、男性は「正当」であることを好むように、男性のためのラグジュアリーとはロレックスやオメガといった腕時計のような技術やノウハウに関するものであり、それが本当の男性のためのラグジュアリーであるということを理解した時、Diorで自分の進むべき道を見つけたとのこと。彼がアトリエワークにフォーカスする理由をスイス時計に例えているのは、とても分かりやすい説明で納得できる感じですね。

ムッシュ ディオールは決してメンズウェアをつくりませんでしたが、Christian Diorというメゾンのヘリテージとしてディオールの精神性をを考慮する必要があり、ムッシュのデザインする服は外側よりもその内部構造に重きがあったとのこと。よって、徐々に服の外側をミニマイジングすると共に内部をマキシマイズし始めることをクリスはしたようですね。
また、ムッシュは自身を革命家と看做すことをせず、彼は何よりも人々をより美しくしようとしていました。素晴らしい精度と美しさの中にさり気無さが伴うような仕事がムッシュにはあったので、それを彼はメゾンの遺産と認識しているようです。

他にも、彼が生まれ育った村(Londerzeel)が死ぬほど退屈であったという話や保守的な彼の両親と少し風変わりで彼に影響を与えた祖母の話、そして、シグネチャ・ブランドの話など、インタビューの話題は多岐に渡るので気になる人は一通り読んでみると良いかなと思います。


posted by PFM