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Chanel 2014 Cruise Collection

シンガポールのDempsey HillにあるLoewen Clusterで行われたKarl LagerfeldによるChanel 2014年クルーズコレクション。
前日にはRaffles Hotelで、"Once Upon a Time..."の上映会が行われていましたね。

ランウェイショーは、ショートフィルムの中でKeira Knightleyが着用していたCoco Chanel自身が着ていたもののレプリカとなるクリーム・カラーのジャージー素材によるエアリーでルーズなチュニックとトラウザーのLookからスタート。大きく開いた胸元にパールのネックレスが重ね付けされていたのは、シャネルらしいスタイリングでしたね。今回のコレクションでは、チョーカー等のネックレスがスタイリングとして効果的に使われていた印象です。

ネクタイにオーバーサイズのVネック・プルオーバーニットを合わせたスクールボーイのクリケットスタイルはシンガポールのイギリス植民地時代の残響として表現され、Joan SmallsやCara Delevingneの肩出しルックは東南アジアの特産品である「バティック」のようなジャカード・カシミアニットによって構成される。
スタンダードなシャネル・スイムウェアに、アジアの気候に合わせてローカライズされたショートスリーブのシャネル・ツイードジャケット。スパンコール刺繍によるシークインの光沢が眩いVネックニットに、水着ライクなワンピースにはカジュアルにレースアップ・スニーカーを合わせて。ボトムスには、ラップスカートを重ねてフロント部分を開けたスカート(脚を露にするというアイデアは、13-14AWでもあったものですね。)やリゾート感のある踝丈のワイドパンツが組みにされる。

ショーの後半には、トロピカル・アクセントとしてラフィア織りの黒い光沢のあるセットアップ・スーツ(サングラスの反射も服にあわせられていましたね。)に、東南アジアの伝統的な衣装である「ケバヤ」を思わせるモノクローム・フラワーをあしらったナローラペルのショールカラー・スモーキングジャケットやドレスが登場。Chanel No.5のボトルをモチーフにしたバッグは遊び心があって面白かったですね。モノクロのフェザードレスは、ブラックのパターンの入れ方をもう少し工夫してもっと繊細さが欲しかった感じでしょうか。

Karl Lagerfeldが説明するように今回のコレクションはある特定のテーマに基づいたものではなく、Chanelというブランドのアイデンティティを核とし、そこに東南アジアの漠然としたインスピレーションを混成して展開されたものとなっていましたね。カールが1880年代のシンガポールの漁師の写真を指して、彼はシャネル・ジャケットを着ている、と冗談を言っていたようですけれど(笑)。

東南アジアの高温多湿な気候に対してChanelがどのようなアプローチをとるのか、というのを個人的にはもう少し見てみたかったかなとも思います。もう少しエキゾチックな感じでも良かったかなと。ただ、シンガポールに住むChanelを買うような富裕層が好むのは(日本人がそうであるように)今回のようなオーソドックスなヨーロピアン型のコレクションだと思いますが。

プレコレクションらしいウェアラブルで使いやすいアイテムは多くの女性が望むものであり、一見すればビジネスとして正解に見えるでしょう。もちろん、それはChanelというブランドがグローバルに世界を覆い尽くす前の戦略として見た場合の正しさであることは忘れてはいけませんけれど、ね。

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posted by PFM