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Miuccia Prada's Circle of Influence - T Magazine

T MagazineでのMiuccia Pradaに関するアーティクルが面白かったので、少し書いておきます。
多くのミウッチャに関する記事というのは、パントマイムや政治学と共産党といった彼女の経歴とフェミニズムや夫とのビジネスに関する話題が多いのですが、今回の記事は彼女のクリエイションに関する話題があったので興味深く読めた次第です。

ある種の見苦しさや不恰好さを作品強度へと転化し、美しさや可愛らしさを描こうとするMiuccia Pradaのクリエイション・スタイル。少女が背伸びをして真紅のルージュを引き、サングラスをして大人ぶっているような可愛らしさや、一見すると悪趣味なリップドレスのような不思議な魔力を秘めた素敵な作品を世に放つミウッチャですが、彼女のクリエイションの核にある"Ugly Chic"に関して彼女自身は、「Uglyはアトラクティブで、エキサイティングです。(私がそう感じるのは)恐らく、それがより新しいものだからです。」と話していますね。

そして、更に、「Uglinessに関する調査は、美しさに関するブルジョワ的な考えのものよりも面白いです。何故かと言えば、Uglyには人間らしさがあるからですね。それは、人間の悪くて汚い側面に触れます。(人間の悪い側面をあえて用いることは)ファッションの世界においてスキャンダルだったかもしれませんが、絵画や映画といった他の芸術の分野では一般的なものでした。それまでファッションの世界で用いられることの無かったtrashyとuglyなものを発明したことで、私は非常に批評されました。」とのこと。

分かりやすい安易なブルジョワ的なものを描くのではなく、あえてリスクを負って誰もやっていないことに挑戦するというのは彼女が今まで体現してきたものだと言えるでしょう。

「ビジネスはモノ作りと同じぐらい重要なことだと言えますか?」という問いには、「はい。もし人々が彼らのポケットからお金を支払うとすれば、それはあなたが行っていることが適切であることを意味します。私はロゴがそこにあるから人々がそれを買うのでは無く、そのモノ自体が彼らに適切であるので彼らはそれを買うことを望みます。ビジネスとは、あなたが行っていることが意味を成しているかどうかを証明することです。私は、エリートのためにファッションをするという考えに非常に反対です。ある意味でそれはあまりに安易なことなのですから。」と答えていますね。

ファッションそのものについては、「ファッションとは自分自身を変えるための安価な方法の一つです。」「それは、(束縛などからの)解放の最初のレベルの1つです。」と話しているのも彼女らしい感じでしょうか。

最後に、ミウッチャにとって"Prada"とはブランド等では決して無く、Pradaでの仕事は彼女自身の「セルフポートレイト」である、という話をしていますね。「それ(Pradaでのクリエイションワーク)は、私の中から湧き上がるものです。それは私の魂であり、私の人生です。私の仕事と私の人生はだいたい同じものです。そして、私は仕事が(人生と)異なる何かであるとは決して考えていません。」とのこと。彼女は、自身の赴くままに自然体で仕事=人生という生き方をしているようです。
"It has to be true to yourself first and then it might be successful."とは彼女の言葉ですが、仕事や人生において重要なことはきっとそういうことなのかもしれないですね。

posted by PFM