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Maurice Joshua House Mix

久しぶりの音楽ネタということで、最近よく聴いているMaurice Joshuaのハウス・ミックスについて少し書きたいと思います。相変わらずハウスしか聴いていない生活をしており、国内ではDJ Kawasakiしか聴かなくなって久しいのですけれど・・・。そういえば、先月、彼がSoundCloudにアップしていたMixは良い感じだったのでチェックしていない人は是非チェックしてみると良いかなと思います。

それで、最近聴いているMaurice Joshuaのハウス・ミックスですが、以下にiTunesにリンクする形で紹介しておきます。90年代から2000年代のものまで、音圧が少し低かったり打ち込み感が少々強い曲もありますが、それでも良い曲に変わりは無いかなと。
軽快なリズムといつまでも続く綺麗なメロディーラインのループはハウス・ミュージックの醍醐味ですが、いつまでもその世界に浸っていたいと思わせてくれる力があって、ファッションと同じようにそこに自分は惹かれますね。

One Wish (Maurice Joshua Nu Soul Mix) / Ray J
Ray Jの"One Wish"のハウス・ミックス。今回紹介する曲の中では一番爽やかな曲ですね。
3:45~の半音上げて転調するところはベタですが、やはり良いものは良いです。

IfULeave (Maurice's Divorce Mix) / Musiq Soulchild
Musiqは"Just Friends (Sunny)"等も好きですが、この曲も好きです。

Check On It (feat. Bun B & Slim Thug) / Beyonce
Beyonceの"Check On It"のハウス・ミックス。テンポが良く、キャッチーで聴きやすいです。
日本のiTunesには無いのですが、Destiny's Childの"Girl (Maurice Joshua U Go Girl Remix)"もオススメです。

Give It Up (Maurice's Nu Soul Remix) / Roy Davis Jr.
今回紹介する曲の中ではこの曲だけ少し毛色が違いますが、こういう曲も個人的には好きですね。

Unspeakable Joy (Maurice Joshua House Mix) / Kim English
Higher Things (Maurice Joshua House Mix) / Kim English
C'est La Vie (Maurice Joshua Version) / Kim English
最後はKim Englishを3曲ほど。この中で一番好きなのは、1曲目の"Unspeakable Joy (Maurice Joshua House Mix)"。
ソウル、ファンク、ゴスペルの要素を感じさせるパワフルなヴォーカルをハウス・ミックスし、クロスオーバーしているのが良いですね。

Dior Magazine No.4 / Dior Homme MMXIV GREETINGS...

来年は、Dior hommeのショー形式のイベントがあるかも?といったお話がありますね。
サマーコレクションはプレビューが無かったので。
まだ先のことなので未確定とのことですが・・・、実現するとすれば楽しみですね。

Dior homme 2014 Autumn Collection

早くもDior hommeの2014年秋コレクションがStyle.comにアップされていますね。コレクションは、アントワープやベルリンのアート・ステューデントをイメージしたもののようです。2014年の春がJackson Pollock、夏もアートが要素として入っていたので、テーマはその継続のような感じでしょうか。

Kris Van Asscheによると「彼(コレクションの男性像)のワードローブは、異なる機会に購入した様々なピースから構成されています。」とのこと。ブレザー、レザー・バイカー・ジャケット、ブライト・レッドのダッフルコート、ニットウェア、ナロー・ブラックジーンズ、そして、コンバットブーツ。カーゴ・スラックスや袖にバイカージャケットのジッパーが付いているジャケット、グラフィカルなシャツも気になりますね。

今回のコレクションについてクリスは、「デザインコンセプトとして私にとって最も新しかったものは、トータルルックを考えるということではなく、強い個別のピースを考えるということにあり、そして、それらをアウトフィットとして機能させることにありました。」と説明しています。Look全体をイメージしながらデザインしたのではなく、個別のアイテムからスタートし、最終的にそれらを組み合わせてLookを構成した感じでしょうか。

プレらしく全体的に使いやすそうなアイテムが多い印象ですね。クリスがDior hommeでデニムをLookに使うのは珍しいかなと。レザーアウター等のLookよりもテーラリングを用いたLookの方が完成度が高いのは彼らしいですね。

Dazed & Confused will reduce... Raf Simons / Sterling Ruby...

Dazed & Confusedが1年につき6回に発刊頻度を下げるようですね。デジタル・パラダイムシフトは少しずつ、ただ確実に進行しているようです。Jefferson Hackが雑誌はよりクオリティを高めていく方向で変化しなければならないと話していますが、個人的にはコンテンツのクオリティが高ければ紙でもデジタルでも入れ物はどちらでも良いかなと。ただ、その「クオリティの高いコンテンツ」というのは、このインターネットが当たり前の世界においてはかなりハードルが上がってしまっていますけれど。
この問題は以前からずっと進行中の問題だと思うのですが、一番の問題は才能ある創り手が雑誌作りの現場にいないのではないか?ということに尽きるのかもしれません。クオリティは創り手側の知識量、センス、技術、そして、情熱に依存するのですから。自分たちの創るもので世界を変えたい、と信じて行動する若者が必要ということですね。

Raf Simons Opens His Atelier - and Shares His Label - to Artist Sterling Ruby for the Most Complete Designer/Artist Collaboration Yet
14-15AWは"Raf Simons"というブランドは休止し、代わりに"Raf Simons / Sterling Ruby"として1月15日のメンズ・パリコレクションでコラボレーション作品が発表されるようです。新しい名を冠することからも分かるように、数アイテムのみの単なるコラボレーションではないというのが期待をさせます。楽しみに待ちたいですね。

Chanel Pre-Fall 2014 Paris-Dallas Metiers d'Art Collection

米国テキサス州のダラスにあるFair Parkで、ロデオの競技場をランウェイにして行われたKarl LagerfeldによるChanel Pre-Fall 2014 Paris-Dallas Metiers d'Art Collection。
Coco Chanelが1954年にファッション界に復帰した際、フランスでは冷ややかな反応しか得られなかったのに対し、米国ではそれを評価して1957年にNeiman Marcus Fashion AwardをCocoに贈り、Chanelの復活を支える役割を果たしたというエピソードが今回のコレクションのベース・ストーリーになっていますね。Neiman Marcus Fashion Awardについては、今回のショーに合わせて復活し、Karl Lagerfeldが受賞をしたようです。

カールによれば今回のコレクションは、「ダラス・チアリーダーではありません。」「南北戦争時代におけるメキシコ国境の西部地方で、よりロマンティックなテキサス・ファンタジー。」とのこと。Nicole Phelpsが書いているように今回のコレクションの領域は、歴史的にRalph Laurenのファッション・テリトリーになりますね。

Coco Chanelがダラスを訪れた際に着用していたジャケットとスカートの再現、レザーとツイードのコンビネーション、カントリー・スタイルのプレーリー・ブラウスにはデニムを合わせて、カウボーイ・ブーツにハットやバンダナ、インディアン・ポンチョにナバホ・パターンのニットウェア、リボルバーやアステカの影響を受けたアクセサリー、など。テキサスのローン・スターやフリンジも多用されていましたね。

ダラスでカウガールでインディアンなコレクションを行うというのは、あまりにもステレオタイプな感じもあったかなと思います。メティエダールコレクションは世界各地の歴史やCoco Chanelの人生との関係性をベースにして行われるので、どうしてもそうなってしまう部分があるのかもしれませんね。アーティストが他のアーティストの曲を歌って制作したカバーアルバムのような雰囲気をコレクションを観ていて少し感じてしまいました。「アトリエの技巧をフィーチャーする。」というメティエダールコレクションの趣旨に鑑みれば、テーマはある意味単純である方がクラフトマンシップに意識がいくので良いのかもしれませんけれど。

スパゲッティ・ウェスタンやインディアンには特有のコードがあり、また、Chanelにもツイードやカメリアといった特有のコードが存在する。人間が意思疎通をするために用いる自然言語とは、記号と意味をセットにして体系化したものであり、それを日本語や英語といったように我々は呼ぶ。自然言語は方言やスラングといったものを包摂し、時代と共に揺らいでいくことで記号と意味の体系は変質する。同様に、人間とコンピュータが対話をするために生まれたものがプログラミング言語であり、これらの意味も言語のバージョンによって変化をする。

ファッション言語の世界においても同様に記号と意味がセットになった体系(コード)が存在する。ある地域におけるある時代のコード、冠婚葬祭といった儀式に纏わるコード、ある特定集団や民族のコード、など。同じ素材を用いた同じようなアイテムでも使用されるコンテクストが異なれば、その意味や役割は自然言語と同様に変化をする。また、ChanelのツイードやChristian Diorのバー・ジャケットといったものは自然言語で言えばジャーゴンのようなものであり、プログラミング言語で言えば予約語のようなものとも言える。

そういった多種多様なコードを自由自在に操る類いまれな能力をもった人間を我々は一般的にデザイナーと呼ぶ。フレンチ・シックなファッションであったり、イギリスのトラディッショナル・ファッションであったり、日本の伝統的な和服や着物であったり・・・、記号の組み合わせによって意味や雰囲気を自在に醸成する能力。

ただし、既存のコードの組み替えのみに終始するデザイナーは一般的なデザイナーであって、平凡なデザイナーとも言える。ハイエンドなデザイナーに求められるものは、コードを自在に組み替え、アーティスティックに新しい言葉を創出し、全く新しいファッション(言語体系)を構築することにある。それがこの世界のデザイナーに課せられたミッションであり、ブランドのアイデンティティとはそのようにして生み出される。

翻って、今回のコレクションの類型性は地理的要因に起因するとは言え、もう少し冒険しているLookがあっても良かったかなと思います。カールなら目隠しをしてスケッチをしても、これぐらいのコレクションはできそうな感じなのですけれど・・。プレフォールなのでカラーパレットも全体的に暗くてコントラストも低く、ウェアも重さを感じさせるものでした。Chanelの10SSコレクションもカントリーな感じのコレクションでしたが、方向性としてはあちらの方が個人的には好きでしたね。

最後に、tFS等では今回のネイティブ・アメリカンをモチーフとしたことについていろいろと炎上気味に議論がされています。fashionista.comhuffingtonpost.comでも書かれていますが、これはその歴史と人種と文化の問題であって軽率には発言できない問題ですね。正に服の「コード」の問題と言えるでしょうか。同様の問題として、2012年のVictoria's SecretにおけるKarlie Klossが着用したネイティブ・アメリカンのヘッドドレスの件(最終的にVictoria's Secretは謝罪をし、ショーの映像からカーリーのLookを削除。)などが引き合いに出されています。
fashionista.comはこの件についてChanelのスポークスマンから謝罪のメールを受け取っていますね。コレクション自体についての謝罪ではなく、テーマが誤解されてしまったことについての謝罪のようですけれど。

これに関連するもう一つの話題としては、民族衣装に著作権はあるのか?というのがあります。(先進国の)ファッション・ブランドがある民族の文化を不正使用している、という指摘は一理ありますでしょうか。過去にLouis Vuittonのメンズラインでマサイ族のチェック柄を使用していましたが、マサイ族にロイヤリティを支払って使っている訳ではないでしょうし。
この辺の線引きはとても難しいところですが、こういった問題があることに無自覚でいることはそれはそれで問題と言えるかなと思いますね。先進国で何気なくファッションを消費しているだけでは気付きにくい問題であることは間違いないでしょう。

via wwd.com vogue.com nytimes.com

via www.annecombaz.com

Coco Chanel, Dallas, Metiers d'Art, Paraffection...

Chanelが12月10日に米国テキサス州のダラスでMetiers d'Art Collectionを披露することになっていますね。これに合わせてCoco Chanelが1954年にパリでメゾンを再開し、復帰する前後を描いたKarl Lagerfeldによる新作ショートフィルム"The Return"が公開されるようです。

Coco Chanelの復帰の際に米国が果たした役割については、1957年に彼女がパリからダラスへとフライトし、受賞したNeiman Marcus Fashion Awardというものがあり、今回のメティエダール・コレクション(とショートフィルム)はこのエピソードにまつわるものになる?のかもしれませんね。

ChanelのParaffectionに関しては、今年の夏にファブリックの複雑なプリーツ加工を専門とするアトリエの"Gerard Lognon"を傘下に収め、その数を10社としています。こちらの記事にあるように、ファッション・サイクルが加速している現代において伝統ある技術に裏打ちされたハイエンドのアトリエを絶滅から救うという行為は単にChanelだけの問題ではなく、より大きな視点でファッション全体の利益に適う行為と言えるでしょう。その証拠にChanelは傘下の各アトリエがChristian Dior, Saint Laurent, Louis Vuitton, Nina Ricci and Balenciagaといった競合と仕事をすることを許可しているようです。

しかし、Paraffectionは単に慈善事業として行われているのではなく、あくまでもChanelのビジネス戦略の一環として存在していることを忘れてはいけないでしょうか。今年の9月のBloombergの記事によれば、Chanelを所有するAlain and Gerard Wertheimerは190億ドルの資産を持っているとのこと。彼らはいつもChanelのショーでは4、5列目の席にさり気無く座り、ショーが終わるといつの間にか居なくなっているのだとか。表舞台には一切出ずにカールのパトロンを30年続けているようで、Gerard Wertheimerが2001年にChanelというブランドについてNew York Timesのライターに語ったところによると、"It's about Coco Chanel. It's about Karl. It's about everyone who works and creates at Chanel. It's not about the Wertheimers."とのこと。ブランドというものを理解し、自分たちの役割も自覚しているのが流石といったところでしょうか。

Maison Martin Margiela STREET SPECIAL EDITION 1&2

Maison Martin Margielaの1988年のデビューコレクションから1999年までのコレクションをまとめた書籍が再販されていますね。これは、ストリート編集室が1995年と1999年に発行した2冊の本を1冊にまとめたものとのこと。発行人の青木正一のインタビューがこちらで読めますが、マルジェラ自身が直接関わっているというのが面白いですね。

書籍の内容は、各コレクションの説明やプレゼンテーションの様子が写真と共に記載されており、興味深く読むことができるのでとてもオススメです。

via streetbooks.tumblr.com