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Kvadrat / Raf Simons / Sterling Ruby Collaboration

Raf Simonsとデンマークのテキスタイル・カンパニーであるKvadratとのコラボレーションについて、WSJ MagazineWallpaperBoFなどに記事が出ていますね。

1968年に創業したKvadratはファッション・テキスタイルを取り扱う会社ではなく、ロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホールからビルバオのグッゲン・ハイム美術館、中国の広州オペラハウスといったプロジェクトで使用されているインテリアのテキスタイルを主なプロダクトとしている。

しかし、Raf SimonsがJil Sander 11-12AWコレクションにおいてKvadratのウールのテキスタイルを用いたコートをつくり、また、Jil SanderのメンズコレクションにおいてもKvadratの"Divina"(Microsoftのアムステルダム本部やSkypeのストックホルム・オフィスの座席シートなどに使われているテキスタイル素材)を用いたスーツやコートをつくったことからKvadratがラフに興味を持ち、そして、コンタクトを取ったことで今回のKvadrat / Raf Simonsのコラボレーションに繋がったとのこと。Kvadratは過去に同社とコラボしたことがあるPeter Savilleを通してラフにコンタクトを取ったようです。ちなみに、上に載せたKvadrat / Raf Simonsのアイデンティティのグラフィック・デザインはGraphic Thought FacilityとPeter Savilleによるものですね。

ラフが、「私はファッション・デザイナーとしてアクティブです。しかし、私の頭において物事を見る方法や物事について考える方法、私がモノをクリエイトする方法はファッション・デザイナーが考えるプロセスの範囲内に留まることはありません。」「私はクリエイションのアイデアを表現する服の他に、ファニチャーやファブリック、インテリアといったものに関わらず、常に他のものについて服を作るのと同じように考えています。それと同時に私はアートの世界にとても深く足場を持っています。私がアートを見ていない日はありません。私がアートについて読んでいない日はありません。」と話しているように、Kvadratのテキスタイルをファッションの世界に持ち込むというアイデアはインダストリアル・デザインの世界からファッションの世界に飛び込んだ経歴を持つ彼らしいアイデアと言えるでしょうか。

Raf Simons / Sterling Rubyの14-15AWコレクションにおいてもKvadratのテキスタイルを使ったコートやニットが提示されましたが、ラフはコレクションについて「我々は正にファブリックが表現された方法が好きでした。それは、色彩(模様・彩り)と色の並置についてあります。コレクションの中のコートは抽象的なコラージュ・ワークで、全ては色の関係性に関するものです。それはほとんど(ガレージで日曜大工をする)DIYやパンク・ロックのような感じがします。時として、一つのコレクション・ピースの中に75のファブリックがあり、それらはKvadratのファブリックで完全に成されます。最終的に、「これはブラック・コートです。または、これはグリーン・コートです。」とあなたは言うことができません。つまりそれは、色がどのように並置されることができ、そして、新しい効果をクリエイトすることができるかについてあります。」と説明していますね。

こちらの画像はSterling Rubyによる"Bleach Collage"という作品ですが、アップリケのようにファブリックをコラージュするというアイデアはこの作品に強くインスパイアされたものになっています。ラフによるとKvadratのファブリックを今回のコレクションで使用するというプランは元々は無かったようですが、この作品がきっかけとなって使うことになったようですね。

Kvadrat / Raf Simonsのコラボレーションにおいてラフが自問自答していたものは、「自分が次の10年間をこれらと一緒に住みたいと思うかどうか?」だったとのこと。ファッションの世界におけるファブリックについてラフは、「私たちがファッションのためにファブリックをデザインする場合、しばしばそれは2、3週間かそれよりも短い期間で行われます。それは常により速く、より速い必要があります。更に、これを言うことはあまり美しくありませんが、ファッションはある時期のある瞬間だけの間、機能する必要があります。」と話していますね。

ファッション業界の製品寿命がかなり短いのに対してファニチャー・インダストリー業界の製品寿命はとても長く、機能的/美学的に時の試練を耐え抜くことができるものが要求されるため、必然的にクリエイションにおける思考法も完全に異なるものが要求されることになる。ラフは製品寿命について「ファッションや今回のKvadrat / Raf Simonsコレクションにおいても、益々、私の満足感は人々が私のデザインと共に生きるという製品寿命の長さから来ます。」とも話していますね。

Isamu NoguchiがVitraのためにデザインした"Freeform"ソファーに使用されたテキスタイル"Vidar 2"。

Charlotte PerriandがCassinaのためにデザインした"Refolo"ソファーに使用されたテキスタイル"Sonar 2"。

Pierre Jeanneretによる"Advocate / Press"チェアに使用されたテキスタイル"Sonar 2"。