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Christian Dior Pre-Fall "Esprit Dior Tokyo 2015" Collection

Raf Simonsが"urban landscape abstraction"(都市景観の抽象表現)と呼んだパイプを用いたグリッド状の構造体を両国国技館にセットして行われたChristian Dior Pre-Fall "Esprit Dior Tokyo 2015" Collection。国技館というショー・スペースの選択は、都市景観(ストリート)を抽象的に表現可能な十分な広さを確保するためだったようですね(よって、日本の相撲とはあまり関係がない)。
映画「Blade Runner」、東京のストリート・ファッションとスプロール現象、60年代のPaco Rabanneの実験主義、Serge Gainsbourgとスパンコール・アンダーウェアを身に着けたJane Birkinの古い写真、といったランダムなインスピレーションソースを蒸留してコレクションはデザインされたとのこと。日本でショーを行うということが決まる前にラフはコレクションをデザインし始めていたようで、ショーを日本で行うことが決まった後に都市に関する概念はコレクションにアドインされたようです。

雪の舞う国技館をランウェイに、第2の皮膚としてのスパンコール・タートルネックをフィーチャーし、フューチャリスティックな印象を与えながらランウェイショーは進行する。スパンコールの煌きは都市のネオンであり、60年代のPaco Rabanneの前衛手法への頷きでもある。
渋谷のスクランブル交差点を行き交うかのようにウォーキングするモデルたち。バー・コートにバー・ドレス、そして、Raf Simonsらしいダブルジップのバー・フライトジャケット(MA-1)。スパンコールはフェア・アイルやハウンドトゥースにアストラカン、ミモレ/膝上丈のコートなどと組みにされ、温もり(人間味)を包摂していく。

「コレクションはギャルドローブを増やすためのコレクションでした。」とラフが説明するように、レッドカーペットやディナーに着用するようなドレス(一般的にChristian Diorというブランドが想起させるイメージ。)のためのコレクションではありませんでしたね。Dior言語をカジュアルなデイウェア方面(街行く人が着るストリートウェア)に拡張するためのコレクションだったと言えば理解しやすいでしょうか。

全体的な印象としては、少し暗くて重苦しかったかなと個人的には思います。方向性は違いますが、日本の「絞り」を用いた2013-14秋冬のクチュールコレクションを思い出しましたね。カラーパレットももう少し彩度を上げて、暖色系を取り入れた方がもっと野暮ったさを無くせたのでは無いかなと。プレコレクションらしく日常着をテーマにしているため、服はシンプルに留まらざるを得ませんが、もう少し違うアイデアがあっても良かったでしょうか。
浮世絵や歌舞伎、着物といった過ぎ去りし日のステレオタイプな日本でもなく、マンガやアニメ、ゲームと言った日本のサブカルチャーでもなく、現代の東京の都市とストリートを舞台にコレクションを展開したのはラフらしかったですね。

Sidney Toledanoによれば、今回の初となるプレ-フォール・ランウェイショーを皮切りに、毎年、世界各地でクルーズのようにプレ-フォールコレクションをショー形式で披露していくようです。DiorのChanel化はいろいろな面で見て取れますが、これもその一環といった感じがしますね。

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