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Tim Blanks sits down with Nick Knight to talk creativity in a connected world

BoFでのTim BlanksによるNick Knightのインタビュー記事ですが、クリエイションに関する部分が面白かったので簡単にご紹介。

フォトグラフィーは既に死んでおり、1980年代後半から始まったデジタル技術の進化によって現代はイメージメイキングの時代になったとNick Knightは話していますね。事実に束縛されていたフォトグラフィーをデジタル技術が解放し、写真を修正することが当たり前のメディアとしてイメージメイキングが登場したということ。我々は種として進化していなければならないと語ります。

James Cameronが映画「Avatar」を実現させた際、テクノロジーが追いつくのを待たなければならなかったと言ったが、Nick Knightは逆に我々がテクノロジーに追いつく必要があると言っているのが面白いですね。そしてそれはファッションの世界にも言えるとのことで、英国の知識階級のファッションはファッションではなく、それらは学生服のような単なるソーシャルコードでしかないと話しています。Nick KnightがInstagramでフォローしている人々は、彼らのイメージでエキサイティングなことをしており、他の人たちは彼らを見てマネをしたくなってしまう、そういったものが彼の考えるファッションとのこと。そして、ファッションにはもはや単純な世界的なトレンドというものは無くなってしまっており、多くの場所で多くの異なることが起きているのだと。それは地理的要因に留まることではないと言っています。

現代のテクノロジーのようなものは、我々の声を表に出すためのただのツールであり、表現の手段であるとのこと。Nick Knightはテクノロジーが本来それほど重要なものであるとは思わないと言い、技術に対して興奮する自分もおらず、カメラも好きではないと話しているのが興味深いですね。
Nick Knightがイメージを描画する時、目を使ってイメージを描画しているのではなく、自身のデザイアによってイメージを描画しており、それは究極的なある種のコネクティヴィティと言える。心で見るものと感じるものを表現しようとすること。対象に対して視覚的ではなく、感情的な接続を行う。それは視覚よりも聴覚に多く関係すると言い、作品に取り組んでいるとき、メロディーを聴いていると彼は話す。つまり、それはシナスタジアのようなもの。

Nick KnightはSHOWstudioでクリエイションのプロセスを公開しているが、それが彼の作品の素晴らしさの謎を解かないとTim Blanksは指摘する。それはとてもスピリチュアルでメタフィジカルな瞬間であるとNick Knightは説明し、イメージを得ようとしているとき、多くのものを取り除き、自分自身を解放してフィジカルではないメタフィジカルな何かをするのだ、と。

Auguste RodinであろうとFrancis Baconであろうと彼らは目にしたものを創ろうとしたのではなく、彼らは感じたものを創ろうとしたのであり、彼らは見ることができなかった何かを創ろうとしていたとNick Knightは語り、Tim Blanksはそれを聞いてクリエイティヴィティとはアルケミー(錬金術)であるとリプライをする。誰もが見ることができるこの世界を切り取り、それを誰も見ることができなかった何かに変化させている。

Nick Knightは作品制作の過程において自分を自身が感じたい何かの方向にプッシュするのだという。そして、それ(感じた何か)を手に入れるまで身もだえしながらイメージを磨き続ける。問題はそれ(感じた何か)を手に入れられなかった時にあると彼は言い、その時、手元には中途半端な作品が残るのではなく、何も残らないのだと。つまり、クリエイションとはガラクタor素晴らしいもののどちらか一方だけが手元に残ることを意味する。そして、その成否は必ずしも自身がコントロールしていないのだと語る。

Nick Knightがここで話している内容は、セレンディピティという言葉で説明できそうな感じがしますね。そして、彼も苦しみながらイメージメイクをしているという吐露は(インタビュー中では自身の未熟さを話していたりもしますが。)、クリエイションの深淵の深さを感じさせるかなと思います。