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Olivier Theyskens 17SS Collection

Olivier Theyskensがシグネチャー・ブランドで復帰を果たした2017年春夏コレクション。
今回のコレクションについて彼は、「それは私が信じるものの基本です。それが自然に私の精神から出てくるとき、私はそれを疑いません。」と話していますね。パリにおいて自身の名を冠したブランドからキャリアをスタートし、Rochas、Nina Ricciを経て、ニューヨークのTheoryを経験。そして、再度、シグネチャー・ブランドでパリへと帰還して披露された今回のコレクションは、自分自身の中にあるものを信じてクリエイトされたものだったようです。

鉤ホックを用いたレザーのLBDから開始されたランウェイショー。フレアを描くテーラリングやレースシャツの袖、そして、スカートの裾がフェミニティを誘い、フィンガーレス・レースグローブがエレガンスを感じさせる。ミニマルなLookたちはイノセンスでフレッシュな若さと共に、パイソンレザー等によって仄かにダークな香りを漂わせる。フラジャイルでロマンチックな部分とハードな部分。リアリティと夢幻性の並置。パリとニューヨークを経た、紆余曲折のキャリアを携えて制作された25のLook。

それぞれの服には彼らしい優しさと、穏やかな美しさがありますね。今の彼が描く等身大の美しさとでも言いましょうか。奇を衒うでもなく、流行に乗るでもなく、自身の道を誠実に静かに歩む。彼はインタビューにおいても、「(前略)トレンドを作ろうとしたくありません。私は大きなことをしようとしていません。単に、彼女が素敵に見える女性のためにドレスをつくるというアイデアが好きです。それがモダンかどうか、または、時代遅れかどうかは気にしません。」と話しています。

CEOのMaximiliano Nicolelliによれば、今回のコレクションは80のプロダクト(またはSKU)から構成されるとのこと。バイヤーの反応はとてもポジティブで、既に約50社と契約が取れており、それは日本と米国、ヨーロッパの各国及び、ECサイトを含むとのこと。日本では、伊勢丹辺りが取り扱ったりするのでしょうか。Nicolelliは、将来的にはバッグ、または、よりプロダクトレンジを広げていくかもしれないとも話しています。

最初の一歩としてはコンパクトにまとめたコレクションで、流石にとても安定していましたね。カッティングもスタイリングも迷いが感じられません。テーラリング、トレンチコート、スカートなど、普通に使えるアイテムも多かった印象で、ビジネス的なバランスは取れていたと思います。今後の彼の美学の発展に期待ですね。

via vogue.com vogue.co.uk nytimes.com businessoffashion.com tFS

posted by PFM