This is Not here - *//LIKE TEARS IN RAIN

SPRING

いつも傍にあった何かが失われる時に感じる、何とも言えない胸のざわめき。
何度経験しても慣れることの無い、この感覚。

始まりがあれば終わりがあり、あらゆるものはいつまでも続かないと知っている。
それでもそれを見ないように、いつまでも先延ばしにして、今がいつまでも続くように、手を伸ばせばいつでも触れられるように、それから顔を背けて、信じないようにして、生きていることは多くある。
流転する日々は待ってくれず、必ずその時はやってくるのに。

美しさとは、その非永続性を常に孕んでおり、逆説的にそれによって支えられている。
ある時代に呼応したクリエイション。少女が成長して女性になる一時や、少年が青年へと成長する際の一瞬の煌めき。
もうすぐ東京で満開を迎える桜や、誰かと過ごした何気ない平穏な日常でさえも。
全ては非回帰的に不可逆として進行しており、儚く、美しい。

毎年、春というこの季節は、何かと人をナイーヴにさせる。
きっとこの先も、この胸のざわめきに慣れることは無いだろう。

via AFTER 11 YEARS...

posted by PFM