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Future Funk: "Plastic Love" - Mariya Takeuchi

ここ数年、竹内まりやの"Plastic Love"が世界的にYouTubeで流行っているようで、2017年7月5日にアップされた動画は1年5ヶ月が経過していますが、もうすぐ再生数が2500万、コメント数が1.8万に達する勢いになっています。コメントのほとんどは日本語以外の言語になっていますね。

理由の一つとしては、2010年代初頭にネット上で生まれたVaporwaveという音楽ジャンルがあり、そこから派生したFuture Funkというジャンルにおいてサンプリング音源として使われたことがあるようです。具体的には韓国人DJのNight Tempoによるミックスで、BMPを上げてディスコ調に仕立てていますがとてもクオリティが高いです。再生数も既に700万を突破していますね。

Future Funkは日本の80年代シティ・ポップを主なサンプリング音源としつつ、曲名やアーティスト名にもおかしな日本語を使ったり、映像も日本のアニメをカットしてループさせるといった感じになっているようで、Artzie Musicにはそれ系のものが多くアップされています。なんと言うか、Blade Runnerや攻殻機動隊で漢字などのアジアンカルチャーを用いて近未来を描いたような感じがあるかなと。あとは過去へのノスタルジーもそこには含まれていますでしょうか。

Night Tempoのインタヴュー映像がアップされていますが、中山美穂や菊池桃子、角松敏生といったワードが出ていますね。ちなみに映像にも映っていますが、彼は父親に買ってもらったウォークマンとカセットテープで音源を聴いているようです。デジタルサウンドよりもカセットテープは柔らかさがある、といった話をしていますね。

YouTube上のPlastic Love現象については、竹内まりや本人も2017年末のラジオで既に言及しているようですね。なので、山下達郎も認識しているはず。
ミックスは他にもこんな感じのものこんな感じのものがあったり(検索すれば他にもいろいろ出てきます。)、歌詞を英語にして歌ったものや、9m88Friday Night Plansによるカヴァーなどがあったりしますね。

この流行に関して、英語で説明した動画がありますが、YouTubeのレコメンド・アルゴリズムは関係している可能性がありそうです。自分もレコメンドで新しい発見をしたりしますし。ただ、原曲の良さがなければ、ここまで流行らないはずだとも思いますね。
ちなみに、最近ではTikTokで「め組のひと」が流行っているという話がありましたが、あれは楽曲がどうのと言うよりもどちらかと言えば踊ってみた系になるのかなと。

日本の80年代の楽曲がこういった形で世界的な広がりを見せるのは面白いですね。このまま80年代のリバイバルがあるとすれば、親子で楽しめて良いのではないでしょうか。Future Funkという音楽ジャンルの成否に関しては、アンダーグラウンドか、メジャーかに関わらず、良質なミックスの投下がいくつか連なる必要がありますね。

posted by PFM