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"Hit Vibes" by SAINT PEPSI

一つ前のエントリーと同様にVaporwave、Future Funk関連について。

Artzie Musicに"Better"というファンクでディスコしているトラックがアップされていて、すぐにそのクオリティの高さにやられてしまったのですが、これは2013年にリリースされたSAINT PEPSIによる"Hit Vibes"というアルバムの楽曲になっています。アルバムはこちらで全曲フリーダウンロードすることができるのですが(一曲ずつ落とせばメールの登録は不要です。)、アルバムを通してほとんどの曲のクオリティが高いです。

トラックはサンプリングした音源をカットアップしてエディットし、ループさせてグルーヴを出していくという手法でつくられていますね。ネット上ではDaft Punkと比較されていたりもしますが、もっとストイックなクラブ寄りのサウンドになっているのが自分としては好きです。いつまでも音楽に身を任せてノッていられます。

1曲目の"Hit Vibes"から"Have Faith"、そして、前述の"Better"へとつながり、"Cherry Pepsi"まではグルーヴが持続します。そして、7曲目の"Skylar Spence"では山下達郎の"Love Talkin'"をサンプリングしているのが面白いです。ここで日本の80年代の楽曲が出てくるんですね。VaporwaveからFuture Funkへの流れが感じられます。

こちらでSAINT PEPSI(デヴュー時に改名して現在はSkylar Spence。おそらく"PEPSI"というのが法的にマズかった模様。)へのインタヴューとtofubeatsとの対談があり、ここで山下達郎から影響を受けているという話をしていますね。

ちなみに、Skylar Spenceに改名してからはインタヴューでも話しているようにサンプリングを止めてしまっており、ヴォーカル有りのポップミュージック化しているので自分の好みからは外れてしまっています。Apple Musicでアルバム"Prom King"を少し聴いてみましたが、カットアップ・ループものは10曲目の"Cash Wednesday"ぐらいでしょうか。

KEATS//COLLECTIVEのサイトで落とせるSAINT PEPSIの他の音源としては、Choice Cutsからいくつかと、KEATS//COLLECTIVE Vol.4Vol.5に1曲ずつあります。

サンプリング音源を使うのは権利関係をクリアするのが大変なのだと思いますが、自分としては"Hit Vibes"のようなディスコチューンがもっと聴きたいかなと。5年ほど前のアルバムですが、ネット発の音楽シーンからこんなハイクオリティのものが生まれていたというのが面白いですね。

posted by PFM