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Rei Kawakubo: Fifty years in Comme des Garcons

Comme des Garcons創立50周年を迎えた川久保玲のBridget Foleyによるインタヴュー記事。

彼女にとって50年とは、地道な日々の積み重ねだったようですね。ちなみに50年も自身でブランドを続けているのは、川久保とあとは(会社の規模が異なるが)Ralph Laurenとのこと。

会社の設立当初から確立されたバリューは、常に新しいものを探すこと。それは日々、難しくなっており、日照り続きで創造はハードになっていると話しています。

彼女にとってファッションはビジネスだが、今までに見たことが無い服をつくって売るという(メインラインの)Comme des Garconsのみでは会社としてはやっていけない、と冷静に語ります。会社を成長させるためにメインラインでカバーしていない領域のブランドを探して展開し、今では独自のコンセプトを持った18のブランドを持つ。

Play Comme des Garconsのテーマはデザインされていないことにあり、LACOSTEのクロコダイルのようなブランドのキャラクターを象徴するイメージを見つける必要があったので、Filip Pagowskiによるアイコニックなハートと目のロゴ(以前から彼とは仕事をしていて、その中で彼が偶然送ってきたデザイン。)になったようです。彼女がLACOSTEを引き合いに出しているのが面白いですね。自分のクロコダイルを作りたかった、と。

彼女がパリで初めてショーを行った頃は、Tommy PerseやJoan Burstein、Marisa Lombardiといった見る目があってクリエイティヴを理解し、それらを取り扱うショップを持った人たちがおり、彼らが彼女をヨーロッパに来るように勇気づけてくれたとのこと。彼女はそれに感銘を受けたと話しています。

今ではそういった人たちはもう存在しておらず、その理由はソーシャルメディアの拡大、人々がリスクを取ることをより恐れていること、そして、ビジネスのスピードにあるのではないか、と。もう我々には今まで見たことが無い新しいものに投資する時間とエネルギーが無く、世界はマネーワールドになっていると話しています。ただ、こういった状況下にあったとしても彼女は最善を尽くし、希望を持ち続けたいとも。

彼女のビジネスは創造と製造と販売にあり、新しさとは創造や製造のみにあるだけでなく、販売方法にもあるのだとしています。Dover Street Marketは、デパートや専門店とは異なる新しいリテールを見つけたいと思っている中で思いついたアイデアだったとのこと。DSMで取り扱うブランドの基準は、(世の中に対して)言うべきことを持つこと、語るべきストーリーを持つこと、ヴィジョンがあること、にある。

重要なことは、もし他のデパート等でそれらのブランドのアイテムが販売されていたとしても、異なる種類のブランドと異なるヴィジョンを持つブランドを組み合わせることで、より相乗効果が起き、新しい何かがつくられることを企てる。DSMのビューティフル・カオスは、それを企図したものであり、コラボレーション・スペースのようなものである。

彼女にとって意味のある唯一のコラボレーションとは、自分たちにはできないことをしている人たちと、彼らにはできないことをしている自分たちを混ぜ合わせ、相乗結果によって1+1を3にすることにある。

posted by PFM