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Dries Van Noten 20SS Collection

Opera Bastilleにて披露されたDries Van Noten 2020年春夏コレクションは、Dries Van NotenとChristian Lacroixのコラボレーションによるもの。ラクロワは2009年に自身のブランドを手放して以来となるため、10年振りのランウェイとなりましたね。

ドレスアップ、オートクチュール、美しさ、大胆さ、喜びへの愛。Dries Van Notenは自身のシグネチャーであるプラグマティズムの一部を失うことで、代わりに80年代から90年代のクチュールの精神、Christian Lacroixの美しさと装飾性を受け入れることを選択する。

光沢のあるロココやバロックの過剰なジャガードに、リボンは実体とプリントでLookの上を走り、過度に用いられるポルカドットにゼブラやジャガーのパターン。カラーパレットはモノトーンをベースとしつつ、燃えるようなゴールド、オレンジ、レッドにピンク。
過剰さはフォルムにもボリュームを与える。膨らんだパフスリーブ、階層化されたスカートにドレス、ラッフルはLookに複雑さを与え、タフタドレスはフロアに長いトレインを有する。足元を飾るのは、ウェアの感化を受けた厚底シューズに三連リボンのハイヒール。そして、プラグマティズムの残余としてのシンプルなホワイトジーンズ、コットンタンクトップにスウェットシャツ、スポーティーなフーディードレスにダブルブレストジャケット。

Vanessa Friedmanが書くように、現代におけるコラボレーションはビジネスのためのコラボレーションが大半を占める状況にある。ハイファッション・デザイナーとマスマーケットブランド、ミュージシャンがスニーカーを履いたり、セレブリティがデザイナーと仕事をしたり、自身のカプセルコレクションを求めたり、と。ビジネスとマーケティングのために、自身のファンや名声を換金する行為が目立つ。

今回のDries Van NotenとChristian Lacroixように、異なる才能と才能がぶつかり、その火花が一瞬の花火のように純粋な形でクリエイションに結びつく例は稀であるが、本来であればコラボレーションとはこういったものであって、安易に乱発される馴れ合いコラボレーションとは本来的な意味でのコラボレーションではもはやないと言えるでしょう。

「"オマージュ"とは、多くの場合、他人のアイデアを盗むための言葉です。」とヴァンノッテンは話す。彼が今回のコレクションのテーマについて思案している中でクチュールへと辿り着き、ラクロワに電話をし、コラボレーションを実現させたことは彼の創り手としての懐の深さに起因する。一般的なデザイナーであれば、インスピレーションソースを隠蔽した上で、さも自分一人でつくった作品であるかのように提示するか、オマージュといった言葉でお茶を濁すのが普通なのだから。

オフィシャルサイトには、二人のインタヴューがアップされていますね。Dries Van NotenとChristian Lacroixによるオートクチュール・ルネッサンス。
思わぬサプライズは、ファッションにはまだまだ可能性があるということを私たちに教えてくれていますね。

via vogue.com wwd.com nytimes.com tFS