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Louis Vuitton 20SS Collection

ルーブル美術館のCour Carreeで行われたNicolas GhesquiereによるLouis Vuitton 2020年春夏コレクション。
Belle Epoqueをテーマとした今回のコレクションについて彼は、「それはフランスの歴史の一部であり、芸術においても文化的にも女性の解放という点においても、そしてもちろん、プルーストの文学においても非常に興味深いものです。」と話す。

胸を飾るブートニア、インナーのジレ、プリーツシャツといったタキシード・エレメントやストライプが、Marcel Proustが描いたダンディズムとして全体を貫く。レッグオブマトン・スリーブ、ギブソン・ガールのヘアスタイル、Sarah Bernhardtを感じさせるイラストレーションやフローラル・スワールの曲線といったアールヌーヴォーのディティール。
Nicolas Ghesquiereのシグネチャーとなる異素材やグラフィック、パーツの切り替えしによる情報量の向上は、Lookにデコラティヴな複雑さを与える。

Louis Vuittonでの彼のコレクションは、彼のマニア性に対して華美にシュガーを塗して食べやすくなっているのが特徴的で、おそらく彼としてはその点にフラストレーションがあるのでは?といったところ。今回登場したVHSテープを模したバッグは彼らしいマニアックでレトロフューチャーなアイデアですが、ウェアとしてもこういうガジェットをミックスしたり、シルエットでもっと遊びたいはず。多かれ少なかれビジネス的にあまり先鋭的な冒険をさせて貰えないのがビッグメゾンのデザイナーの宿命ではありますが、もっと新しいヴィジョンのあるクリエイションを企てて欲しいところ。Balenciaga時代に比べて軟化した/せざるを得ない彼がLouis Vuittonに強いアイデンティティを与え、再定義できているかと言えば微妙でしょう。

tFSではグラフィカルなエントロピー高めのLookという意味でMiuccia PradaやMarc Jacobsと比較されていて面白かったなと。ミウッチャは美的なuglinessを可愛らしさや大人のフェミニティに振っていき、Marc Jacobsは陽気でチャイルディッシュで時に川久保やヴィヴィアンの影響を感じさせる方向性ですが、ジェスキエールはマテリアルやガジェットに見られるナードなマニア性をエレガンスと同居させ、実験的なヴィジョンを提示できるデザイナーであり、それはミラノ、ニューヨーク、パリというファッションウィークの立ち位置の違いでもありますね。

via vogue.com wwd.com nytimes.com thecut.com businessoffashion.com