Prada 20-21AW Men's Collection
Fondazione Pradaにフラットな騎馬像をセットして行われた、Miuccia PradaによるPrada 2020-2021年秋冬メンズコレクション。コンセプトは、"Surreal Classic"。
ミウッチャによると「騎馬像が欲しかったのですが、もちろん騎馬は政治的に正しくないので、Rem Koolhaasに「完全に非英雄的な騎馬像にしよう。」と話しました。」とのこと。結果、一般的に勇ましいマスキュリンな騎馬像は、非英雄的でシュルレアリスムな騎馬像としてシンボライズされる。
スリーピース・スーツやボックスシルエットのコートといったフォーマルウェアに軸足を置いたコレクションのフォーカシングポイントは、働く男性にある。非日常的でステレオタイプな英雄としての男性ではなく、日常に存在する非英雄的な(英雄としての)働く男性。
ノースリーブシャツとニットの組み合わせ、赤や黄色といったカラフルなネクタイ、乗馬の際に用いる鐙として靴の下に通されたトラウザーストラップ、農作業レインブーツをミックスした乗馬用ブーツ、フリル付きのミドルネック・コットンシャツ、バッグはポートフォリオからボストンやオーバーナイトバッグまで、フェアアイルニットやシャツにあしらわれたブランドのシグネチャーとなるジオメトリック・グラフィックパターンはKoloman Moserを含む1897年のウィーン分離派運動(伝統に捕らわれない芸術表現を求め、アイデア、クリエイティヴィティ、そして、実際の作業が一つにならなければならなかったその時代。)の影響を受ける。
Pradaのサステナビリティへの取り組みとして進行中の"Re-Nylon"プロジェクト。ミウッチャによると今回のコレクションにも持続可能なナイロンとコットンが使用されているとのこと。尚、ブーツにも人工繊維が使われており、同ブランドの時代に合わせたマテリアルへの取り組みの意識の高さが伺える。
都市で働く男性像を中心としつつも、そこに田舎暮らしの農夫のような対照的な要素を部分的に加え、労働の尊厳への賛歌、現代の匿名の英雄として働く男性を描いた今回のコレクション。
結果的としては、いつものミウッチャであり、ミニマルでコンパクト、シュールでカラフルなコレクションでしたね。全体的に新しさがもっと欲しい感が強いですが、前述のようにマテリアルへ力を入れたコレクションといったところなのでしょうか。
via vogue.com wwd.com vogue.co.uk theguardian.com businessoffashion.com tFS