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Comme des Garcons 20-21AW Collection

それぞれのLookに対して別ジャンルの完全に独立したCalx Viveによるサウンドトラックを用い、それぞれが相互作用なしに独立した形で披露された川久保玲によるComme des Garcons 2020-21年秋冬コレクション。
"Is it impossible to make something completely and utterly new, since we are all living in this world?"という川久保の問いとそれに対する"Continuing my work as a perpetual futurist, I worked from within the CDG world."という自身の回答が今回のコレクションのベースラインとなる。

"Neo Future"と題されたコレクションは、Lumps and Bumps(1997SS), Broken Bride(2005-06AW), White Drama(2012SS), The Future's in Two Dimensions(2012-13AW), Not Making Clothes(2014SS)といったCDGユニヴァースをディグったミクスチャーとして進行する。身体と衣服の関係性、彫刻、円環、被覆、隆起、反復、フラグメンテーション、ディメンション、そして、レースのベールに見られる宗教性。全てを解体し、記号と意味を溶かした抽象性の泉から汲みだされるプリミティヴな高純度のオブジェクトとその組み合わせ。
捨象と抽象、概念放棄による本質や超越へのアクセスが老練な彼女のクリエイションの中心に存在し、それによって新しい何かを生み出そうとする企図があります。

いつものように受動ではなく能動を求めるコレクションで、受け手側に理解の範囲が求められますね。一般的なコレクションブランドのようにお金を出して購入し、着用すれば良いという怠惰でインスタントなものではありません。

Tim Blanksが書いているようにコレクションタイトルの"Neo"には「新しい」の他に「復活」という意味があり、過去の広範なアーカイヴを用いたコンピレーションは「再臨」の意味があります。各Lookが独立した可能世界も持ち、複数性のある未来を描くアルティメットCDGユニヴァースですが、共通項としてあるのはクリエイティヴィティやインスピレーションそのものを具体として抽出する試みだと言えるでしょう。

via vogue.com wwd.com vogue.co.uk nytimes.com businessoffashion.com tFS

posted by PFM