This is Not here - *//LIKE TEARS IN RAIN

Interview with Rei Kawakubo by Cathy Horyn - The Lost Season

Cathy HorynがCOVID-19によるパンデミック下の5月中旬から8月中旬にかけて、多くのデザイナーたちにインタビューをした記事を複数アップしていますね。

川久保玲は、メール・インタビューにおいて「一度でもクリエイション活動を止めてしまうと、もう二度とそこに戻ることができなくなり、前に進めなくなるのではないかと強く危惧しています。」と語り、「創造するということは、どこにいても、どんな状況にあっても、常に新しいものを探し続けるということであり、それが信条です。このポリシーを守りながらComme des Garconsでは、政府が"stay home"を求めた期間中においても、ウイルスの感染拡大に最大限注意を払いながら毎日30%のスタッフが会社を動かし続けるために働いてきました。私自身も毎日早朝から仕事に行き、事務仕事だけでなく、クリエイションに関する業務にも取り組み続けました。」と話しています。

パンデミックの影響がクリエイションにどのように影響するかについては、「今、私たちが直面しているこの地球規模の状況が発生することを想像もしていませんでした。今までの人生において築き上げてきたものが一気に消えてしまったように感じ、最初からやり直す必要がありますが、損失を回復するための時間はあまりありません。しかし、前進するために再び活動を開始する以外に方法はありません。このような酷い経験をした人は、おそらく自分の境界線の中で自分の人生を生きることに順応するでしょう。これはある意味で私たちが前進するのを妨げるでしょう。それが私が心配していることです。ファッションやアートを創るためには、途方もないことをしたり、他人と違うことをしたり、そして、自分自身を解放するマインドが必要です。」と語る。会社としても大きなダメージを受けており、クリエイションにおいても保守化を彼女は心配していますね。

多くのデザイナーがコレクションサイクルのスピードや過剰生産といった「ファッション・システム」に不満を表明していることについて、彼女は独立と創造の自由を維持しているのでこの問題に直面していないとのこと。彼女は「つまり、地に足のついた堅実なビジネスをしている。」と言う。

「ファッション業界が脱線したのは、マンモニズムに支配されたマスメディアの影響を受け、拝金主義に屈したからです。現在の状況は、良いものをつくるために時間をかけることの価値と新しいものをつくることが如何に重要であるかを忘れたことによって齎されました。私たちは基本に立ち返らなければなりません。」

「私たちは多様性がかつてないほど高く評価されている時代に生きています。気軽に着ることができるお手軽な服、ロー・プライスな服、気分を盛り上げるドレス、制服、毒(劇薬)となり得る服など、私たちは異なるスタイルやテイストの中に価値を見出し、その価値を認めていかなければなりません。メディアが拝金主義と激しく戦い、多様なアイデアと価値をサポートしてくれることを願っています。」

無論、彼女は安易な服をつくるつもりなどなく、「私は着るのに、考えて、探求して、共感して、努力しなければならない服を作りたいです。」と話す。

2017年のインタビューにおいて彼女は、女性がより保守的になり、男性は表現力豊かになったと述べたことがあります。
「今の若い男性はエネルギーに満ち溢れています。彼らは身に付けるものを通して自分自身を表現しようとしています。彼らは好きな服を買うために残業をしても気にしません。逆に女性はどうでしょうか。彼女たちが何を求めているのか、強そうに見えるのが嫌なのか、私には分かりません。私は彼女たちに不満を感じています。彼女たちは静かに戦えると思っているのでしょうか。今の女性たちの風潮は、私のビジネスにとっても良くありません。身に付けるもので自分を表現し、世の中と戦って欲しいのです。」

怒りが変化の原動力になる可能性があるかどうかとCathy Horynが尋ねると、「この世界は不公平と不条理に満ちています。私はこの怒りのエネルギーをクリエイションに注ぎ込んでいます。私は怒って、毎日、昼も夜もハードに働いています。それが今の私ができるほんのささやかなことです。」と彼女は答えた。