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Catwalks going out of fashion in cash-strapped times

telegraph.co.ukにHilary Alexanderによる、「キャットウォークによるプレゼンテーション方式は、現在進行中の経済危機(資金繰りが苦しい時)において時代遅れなのではないか?」という記事が載っていました。
来年2月のNew York Fashion Weekにおいて、アメリカのデザイナーであるMarc Bouwerはwebcast方式を予定しており、キャットウォークでは20万ドル掛かる予算も6万ドルで済むとのこと。また、もう一つのアメリカのブランドであるCarmen Marc Valvoはプレゼンテーション方式を考えていると書かれています。
そういえば、MARNIもメンズのランウェイショーを行わずにプレゼンテーション方式で発表することが公表されましたね。
こういった傾向にあるのは資金的な理由もありますが、費用対効果を考えた場合にランウェイショーがコレクションを披露する最も良いフォーマットであるのか疑問であるということがあるようです(ランウェイショーで25%も空席があったり・・)。

プレゼンテーション方式を採用してきたブランドとしてDonna KaranのDKNY、Stella McCartneyのAdidas by Stella McCartneyが上げられており、一度きりのランウェイショーに比べてプレゼンテーション方式であれば一日に何度も繰り返されて(ループ)いるのでファッションプレスとバイヤーがイベントの合間に立ち寄ることができるとの利点が、以前、Marc Jacobsのショーが二時間遅れで始まったことを引き合いに書かれています(ランウェイショーは待ち時間が長い)。

このような状況下においてNew York Fashion Weekを組織するIMGは、テントで覆われたショー会場のうち一つをプレゼンテーションスペースにすることやランウェイショーの会場を共有することを考えているとのこと。
英国ファッション協会エグゼクティブ・ディレクターであるHilary Rivaは、スケジュール(ブランド数と日程)が厳しいLondon Fashion Weekにおいても同様のことを考慮している、と。しかしながら、キャットウォークを費用対効果が高いと思うデザイナーがまだいるとも書かれていますね。

たとえ人がすべてのイベントに出席したかったとしても、現状においてそれはDr Who(BBCで放送されているドラマのこと?ですよね)以外は物理的に不可能なので、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリと膨れ上がったファッションウィーク・スケジュールが今回の経済危機においてダイエットされるとするならば、それはそれで必要だったので良いのでは?というお話でした。

何となく読んでいて思ったのは、オートクチュールからプレタポルテへの流れや昨今のファストファッションの台頭など、クラシカルな文化の衰退(「衰退」という表現は適切ではないと思いますが)なのかなと。メディア業界で言えば、新聞、テレビなどのオールドメディアとインターネットでしょうか。
最近、横田一敏のファッションの二十世紀という本を読んでいて、ファッションの変化の流れについてぼんやり考えていたのでこの話題もとても興味深いなと思いました。

posted by PFM