This is Not here - *//LIKE TEARS IN RAIN

Chanel 2011 Metiers d'Art Collection... Olivier Theyskens...

Chanel's Homecoming.
12月7日にChanelのMetiers d'Art Collectionが行われるようですね。場所は、2002年に開始されたMetiers d'Art Collectionの最初の地であるパリ・カンボン通りのクチュールサロンとのこと。

Olivier Theyskens Is Theory's New Artistic Director!
Theyskens' Theoryのみに留まらず、Olivier TheyskensはTheory全体に関わることになるようです。11-12AWからArtistic Directorに就くとのお話。

Christopher Anderson Photographs

Magnum Photosにも所属しているフォトグラファーのChristopher Anderson
いつものようにファッション関連の写真だけピックアップしましたが、サイトにアップされている作品はいずれも素晴らしいクオリティですね。

MARC JACOBS AOYAMA OPENING DECEMBER 2010

12月に南青山にオープン予定のMARC JACOBSのフラッグシップ・ショップ。
場所はPRADA Epicenterの近くで、コルソコモのある通りの入り口のところになります。
ブティックがオープンしたりクローズしたりしながら、少しずつ街並みが変化していくのが南青山らしい感じですね。

Lanvin for H&M ON THE RUNWAY

AD Campaignの別のカットがvogue.co.ukにアップされていますね。WWDによるとLanvin for H&Mは、11月18日にニューヨークのPierre hotelでファッションショーを行うようです。ショーではカスタマイズされたアウトフィットも登場するとのことで、それはショーの後にオークションに掛けられ、その収益はユニセフへ寄付されるんだとか。
Lanvin for H&Mのアイテムに関しては以前書きましたが、clothing, jewelry, hats, sunglasses, handbags, footwear and even lipstickとのこと。11月2日に公開予定のMike Figgisによるショートフィルムもどんな感じなのか気になりますね。

Lanvin for H&M AD Campaign Preview

各所で話題になっているDavid SimsによるLanvin for H&MのAD Campaign Preview。
The CuttFSから引用してLanvinの過去のコレクションとの類似性を記事にしていますが、既報の通り、Lanvinがファストファッション側に近づくのではなく、H&Mがラグジュアリー側にアプローチをするという感じになっていますね。今回のプレビュー写真のLookはいずれもイヴニングウェアなので、尚更そう見えるかなと思います。

また、これを見るとメンズもLanvinのコレクションと同じ方向性で、あまりH&M向けにローカライズせずに行くのかが気になりますね。Lanvinのエスプリはその素材使いとトータル・ルックにおける各アイテムのバランスによって成立しているので、その辺はどうなるのでしょうか。コレクション・ブランドの濃度を薄めてマイルドにし、コストと買い易さの2つの問題をクリアするが通常のパターンだと思うのですが。もちろん、価格と品質についても気になるところですね。

Marion Cotillard for Lady Dior London Gray

Marion Cotillard by Mert Alas and Marcus Piggott.
今回のADの撮影場所はLondonにある観覧車"London Eye"。Marion Cotillardが着ているのはChristian DiorのCruise Collectionのドレスとのことで、手に持つLady Diorのカラーは(Londonの天気のような)グレー。
11月下旬にNew Bond Streetにオープン予定のChristian Diorのブティックに合わせて、Lady Diorの第4弾のショートフィルムがプレス関係者に公開されるようですね。

via wwd

Boys & Girls of New York Fashion Week SS2011 by Justin Wu

Justin WuによるNYFWの新作ムービー。
一ヶ月ほど前にアップされていたものですが、ポストするのを忘れていたので。

映像は画質も良く、上手く編集されていてお祭り騒ぎな感じが伝わってきますね。Sister Sledgeの"We Are Family"のBGMが個人的にすごく好きです。ダンス・クラシックはやっぱり良いですね。iTunesで購入できるので、映像を見て気になった方はこちらも是非。

Closing down Raf Simons AOYAMA Store...

先日、2周年を迎えたばかりのRaf Simons 青山店が今月いっぱいでクローズしてしまうようですね。
個人的には11SSでいろいろ買い物しようかなと考えていたのですが・・。
22日から閉店セールを行うとのことです。

Fashion Week Party Photos

2011SS Fashion Weekも終了し、一息ついたのでBackstage PhotographyをWallpaper(Photo, Invitation, Venue)やHintmagなどで見ていたのですが、V MagazineのサイトのParty Photoが面白かったので一部をご紹介(ちなみにV MagazineのBackstage Photographyはこちら)。

French Vogueの90th Anniversary Partyから、Lily Donaldson。
右奥にいるのはIrina Lazareanuですね。

こちらはKarlie KlossとOlivier Theyskens。

続いて、Givenchy 11SS CollectionのAfter-PartyからJustin Timberlake、Mariacarla Boscono、Riccardo Tisci。

同じくMariacarla BosconoとCarine Roitfeld。

こちらはPrintemps and V magazine Partyから、GivenchyのADなどで話題となったLea T.とRiccardo Tisci。

Partyでパフォーマンスを行ったCourtney Love。

Kristen McmenamyとKarl Lagerfeld、Sebastian Jondeau。そして、Stephan GanとBaptiste Giabiconi。
Karl LagerfeldはどこにいてもKarl Lagerfeldですね・・笑。

Karl LagerfeldとCourtney Love。

最後はCourtney LoveとKristen Mcmenamy。

他にもParty Photoがたくさんアップされているので、V Magazineのサイトでチェックしてみると良いかなと思います。

Louis Vuitton 11SS Collection

Marc JacobsによるLouis Vuitton 11SS Collection。
今回のコレクションは、Susan Sontagの1964年のエッセイ「Notes on "Camp"」からの引用がショー会場のプログラムに印刷されていたようですね。

エッセイの最後のアーティクルに書かれている"It's good because It's awful"というように、様式化されたオリエンタリズムを人工的に再現し、作為的な誇張と過剰さを加えることでオリジナルとは違う何かを描きたかった感じでしょうか。チョンサムドレス、フリンジ、アニマルプリント、シノワズリーなフラワープリントなど、高ブライトネスのカラーパレットによる意図された添加物感がキッチュさを出していたと思います。彼の今回の提案は、それらを"あえて"楽しむのが、"Luxury"、といったところですね。

欧米人の描く東洋のエキゾチシズムはどこかディズニーランド的であり、個人的にはソンタグの概念よりもボードリヤールのシミュラークルという言葉がオーバーラップされるかなと思います。Louis Vuittonでそれをやるのがアイロニカルで面白いと言えば面白いですけれど、ただ、そういったことさえも現代においては既に様式化・テンプレート化されてしまっている印象があります。
今回のコレクションの高田賢三や山本寛斎への言及、シグネチャでのコレクションなども含めて見るとMarc Jacobsの新しさへの興味というものは最近ではあまり感じられない気がしますね。

via style.com wwd.com vogue.com vogue.co.uk telegraph.co.uk nytimes.com blogs.wsj.com latimesblogs.latimes.com showstudio.com tFS

Alexander McQueen 11SS Collection

Sarah BurtonによるAlexander McQueen 11SS Collection。
彼女のFirst Women's Runway Showとなる今回のコレクションは、WWDでの事前インタビューにもあったように全体的に柔らかさがありましたね。Lee Alexander McQueenのクリエイションを優しいタッチで再現し、彼への敬意を表しているように見えました。

ランウェイショーはAlexander McQueenのテーラリングへの言及となるテール・コートから始まり、フラワー・テクスチャー、植物のリーフ・モチーフ、corn dolly dress、ピュアホワイトのレース、バタフライ・パターンなどによって展開。ショー後半のボリュームのあるドレスもマックィーンらしさが溢れていたと思います。彼が遺したヘリテージへの言及だったとしても、すべてのディティールがアート・ピースとして正確に機能しているのは素晴らしいですね。

Guido Palauによるヘアスタイルは、異教徒や美術工芸・藁の人形などからインスピレーションを得たとのことで、バスケットを編むように髪を編んだようです。Peter Philipsによるナチュラル・メイクは、スペクタクルではなく、純粋で美しく、女性の内面からの輝きを描くことにフォーカスしたようですね。

Leeが持っていたダークさや死の香りを、Sarah Burtonは女性の持つ穏やかな母性のようなもので包み込み、コレクションには少し光が射している感じもありましたでしょうか。飾らないランウェイの床板の間から少しだけ生えた草が、Alexander McQueenというブランドの死と再生の物語を暗示しているようにも見えましたね。

via style.com wwd.com vogue.com vogue.co.uk telegraph.co.uk blogs.wsj.com latimesblogs.latimes.com showstudio.com tFS

Chanel 11SS Collection

Coco Chanelが衣装デザインを担当した映画"Last Year at Marienbad"から影響を受け、Andre Le Notreによるベルサイユの庭をモチーフとした噴水庭園をGrand Palaisにセットして行われた、Karl LagerfeldによるChanel 11SS Collection。フルオーケストラによるサウンドトラックは、The Verveの"Bittersweet Symphony"などのアレンジだったようです。

ランウェイショーはランダムにカットアウトされたカーディガン・ジャケットから始まり、その後もツイード・ジャケットをフィーチャーしつつ、デジタル・パターンのようにダメージ加工やカットアウトされたデニム・ジーンズ、Chanelではお馴染みのカメリア・モチーフのパターンやコサージュ、帽子を模したパラソルなどが登場。ストリート感のあるレザー・フィンガーグローブは同じくカットアウトされ、映画の中でDelphine Seyrigが着用したフェザードレスはランウェイでも繰り返されていましたね。チュール・レースのドレスはChanelらしく強さと柔らかさを持っていたと思います。
コレクションはいずれもウェアラブルで突出した何かはありませんでしたが、Chanelの服はタイムレス、という印象を個人的に受けました。

ショーではBrad Kroenigが2歳の息子のHudsonとシャネル・カーディガンを着て歩いていましたが、Kid's Wearとしてならカーディガンもアリな感じでしたね。その他、モデルのキャスティングに関しては、11SS AD CampaignにFreja Beha Erichsen、Baptiste Giabiconiと共に登場する予定のStella Tennantと、事前の報道通りにInes de la Fressangeがキャストされていたのが話題になっていました。

最後にちょっと気になったのがCathy Horynが書いていたKarl Lagerfeldの服の。今回のアウトフィットはTom FordのジャケットにDior hommeのトラウザーだったとのこと。彼の服は結構気になるのですが、Dior hommeだけでなく、Tom Fordを着たりもするようですね。

via style.com wwd.com vogue.co.uk telegraph.co.uk nytimes.com blogs.wsj.com latimesblogs.latimes.com fashionwiredaily.com showstudio.com tFS

Yves Saint Laurent 11SS Collection

Stefano PilatiによるYves Saint Laurent 11SS Collection。
多くのブランドがYves Saint Laurentへの言及を見せる中、Stefano Pilatiもメゾンのヘリテージへの再訪となるコレクションを展開。

トレンチコート、ジャンプスーツ、ボウブラウス、スリーブレス・ジャケット、ゴールド・バックルのウエストベルト、バルーン・スリーブにラッフル・ドレスなど。新しい要素は見当たりませんが、シックでクラシカル・モダンな各Lookは確かに魅力があります。
クロージングに合わせる様にPat McGrathによるメイクとGuido Palauによるヘアスタイルもミニマルに。ワインレッドのリップはコレクションに花を添えていました。

ただ、全体的にコレクションのテンションは低く、Cathy HorynがPhoebe Philoを引き合いに出して指摘するようにStefano Pilatiのアイデンティティの問題がそこには存在していますね。

via style.com wwd.com vogue.co.uk telegraph.co.uk blogs.wsj.com latimesblogs.latimes.com fashionwiredaily.com showstudio.com tFS

Givenchy 11SS Collection

Riccardo TisciによるGivenchy 11SS Collection。
Salemの"King Night"をサウンドトラックに行われたランウェイショーは、メンズコレクションにも登場したレオパード・パターンにフォーカスし、滑らかなテーラリングや直線的なカッティング、十字架のように用いたジッパーなどでゴシックな空気感を持ったマスキュリンな女性像を描いたもの。
インスピレーション・ソースとしては、フォトグラファーのRobert Mapplethorpeの作品からも影響を受けたようですが、基本的にはRiccardo Tisciの発言にもあったように彼が過去5年間でGivenchyで行ってきたことそのままですね。マスキュリニティと対になるように対置されたフェミニティとしてのスペクトラルなシフォンは各Lookのアクセントになっていて良いと思いましたが、それ以外の要素が単調だったのでもう少し変化が欲しかった感じでしょうか。全体的に完成度は高く、ウェアラブルで良いと言えば良かったと思いますけれど。

tFSでポストされていましたが、今回のコレクションのM/M (Paris)によるインヴィテーションはリストバンドになるものだったようですね。

via style.com wwd.com vogue.co.uk telegraph.co.uk nytimes.com blogs.wsj.com fashionwiredaily.com showstudio.com tFS

John Galliano 11SS Collection

John Galliano 11SS Collectionのインスピレーション・ソースは、1920年代後半のパリにおいてJean CocteauやMarc Chagall、Henri Matisse、Tsuguharu Fujitaらを含む50人を超えるアーティストに映画の中で使用すると嘘を付き、ポートレイトを描かせた偽りの女優"Maria Lani"。一人のモデルを多くの画家が描くという構図そのままに、コレクションの各Lookはそれぞれ似ているようで異なる表情を持っていましたね。

スネークスキンなどのトレンチコート、カーディガンにワイド・トラウザー、クロップドジャケットにウエストベルト、ネオンカラーのレイヤード・スカート、オリエンタルな雰囲気のシルク・着物ローブなど、それらをオーガンザやギャザーなどのフェミニンな要素に組み合わせて描く女性像はJohn Gallianoらしさに溢れたもの。インスピレーションがなんであれ最終的なランディング・ポイントはいつも通り、といったところでしょうか。Christian Diorでのクリエイションよりも自由にコレクションをしているのが伝わってきますね。Opera Comiqueの華美なランウェイを除けば、それらはとてもウェアラブル方向性だったと思います。カラーパレットに関しては、ターコイズブルーの使われた方が個人的に好きな感じでした。

Stephen Jonesによるヘッドドレスは各々のLookに完璧にマッチ。イヴニングに関しては、シフォン・ドレスはシンプルな印象で、ベテランのYasmin LeBonのブラックのトレンチ・ドレスは面白かったですね。ベテランモデルと言えばMarie Sophie Wilsonも雰囲気が素晴らしく、存在感があってコレクションにワントーンを加えていたと思います。

via style.com wwd.com vogue.co.uk telegraph.co.uk latimesblogs.latimes.com showstudio.com tFS

Comme des Garcons 11SS Collection

川久保玲によるComme des Garcons 11SS Collection。
今回のコレクションに関して川久保玲からは、"Multiple Personalities"といったキーワードが出ていたようですね。服は人のアイデンティティと近い場所に存在していると思うので、今回の精神世界の表現はその辺から来ている感じでしょうか。

不吉さが漂うランウェイに登場したのは、逆さになったコートや組みにされた2着のジャケット、コラージュされたドレスなど。フロントの写真では普通に見えるLookもいくつかありましたが、よく見ると背中にジャケットなどがコラージュされていましたね。ある側面からだけではその作品(人格)を判断することができない、というのは彼女の作品には付きものですが、今回のコレクションでは文脈として上手くその要素が活かされていたかなと思います。ショー終盤の2人1組のLookについても、鏡像的表現によって精神世界を描いている感じでしたね。シンメトリーによって不安感を出す方法論はベタと言えばベタですが、Comme des Garconsらしさがあって良いなと思いました。

via style.com wwd.com telegraph.co.uk nytimes.com showstudio.com tFS

Tao Comme des Garcons 11SS Collection

栗原たおによるTao Comme des Garcons 11SS Collection。
今回のコレクションを彼女は、"Miss Honey"と呼んだようです。

レースやフリル、シャーリングやスモッキングを用い、ベビードール・ブラウスなどで少女が夢見るフェアリー・テールなエレガンスを描いたもの。その世界観は童話のように完全に閉じており、であるが故に完成度はとても高いですね。在るべき所に在るべきものがキチンと配置されています。ポルカドット、メリー・ジェーン、ヘッドドレスにマリーアントワネット・ヘアスタイル・・・etc.
でも、個人的には新しい要素がもう少しどこかに感じられるものが見たかったかな・・と思います。

via style.com wwd.com telegraph.co.uk nytimes.com tFS

Junya Watanabe Comme des Garcons 11SS Collection

渡辺淳弥によるJunya Watanabe Comme des Garcons 11SS Collection。
今回のコレクションのテーマは、"Tokyo dolls"。

メンズの11SSコレクションにもあったセーラー・ストライプをメインに用い、チュニックやスカートにはプリーツを。縦に長いシルエットはフェミニン・ルーズに。今回のコレクションのもう一つのポイントとなっていたトレンチコートの再解釈は、リネンやシフォンなどを用いてかなりソフトに仕上げられていましたね。全体のトーンとしては、メンズと同じくかなりウェアラブルな印象があったと思います。
SHOWstudioでも書かれていましたが、加茂克也による原色ウィッグは原宿・ティーンエイジャーを表現していたような感じですね。見ていて、「顔の無い個性」という言葉が何となく思い浮かんでしまいました。

via style.com wwd.com telegraph.co.uk tFS

"LA LETTRE" A Film by Karl Lagerfeld

HoganのオフィシャルサイトでHogan by Karl LagerfeldのためのKarl Lagerfeldによるショートフィルム、"LA LETTRE"が公開されていますね。キャストはお馴染みのメンバーなのが面白いです。

Karl Lagerfeld関連でついでに書いておきますが、Ines de la Fressangeが10月5日のChanelのランウェイを歩くようですね。そして、Chanel 11SS AD Campaignでは、Stella Tennant、Freja Beha Erichsenらと共に登場するとのこと。キャンペーンの撮影は、フランス南部で行われるようです。

Yohji Yamamoto 11SS Collection

山本耀司によるYohji Yamamoto 11SS Collection。
彼によれば今回のコレクションは、"I wanted to put two extremes together: psychedelic, easy-to-wear clothes with the couture."とのこと。

コレクションはいつものようにカラーパレットにブラックを用い、アシンメトリーのドレスに不均一なヘムライン、ブラにビスチェやレースアップ・コルセット、ファブリックのドレープ、サイケデリック・プリントを用いたレギンスやスカート、遊び心のあるネックレスにはThe Rolling Stonesの唇と十字架に括りつけられたJimi Hendrix、足元には服に負けない存在感があるコンバットブーツ、といったようにYohji Yamamotoらしい展開でしたね。Last Lookでは、"THIS IS ME"というメッセージTシャツとイエローのエアマット・スカートがありましたが、これは少しコンセプチュアルな感じがあったかなと思います。

彼の描くこの種のロマンチシズムには独特の響きがあってとても好きなのですが、今回も素晴らしいの一言ですね。

via style.com wwd.com telegraph.co.uk tFS

Lanvin 11SS Collection

Alber ElbazによるLanvin 11SS Collection。
Dazed Digitalなどのインタビューによれば、「女性が美容整形をする時代に、彼女たちはファッションを必要としますか?」という問いへの回答として、second skinとしてのストレッチ・ファブリックが今回のコレクションの出発点となったようですね。そして、フラット・シューズにも見られたような魅力と快適さの両立、更に言えば魅力の定義の問題があったようです。

カラーパレットにはイエローやピンク、レッドなどもありましたが、彩度は低くあくまでもLanvinらしくシックに。シフォンやシルク、滑らかなジャージー素材。クラシカルな上品さを持ったプリーツ・スカート。シンプルなジャケットとスカートに合わせられたストレッチ・レギンス。オーバーサイズ気味のナイロンレインコート。イヴニングはいつものようにジュエリーとドレスのミックス。
コレクションは全体的にミニマルな印象で、素材への拘りなどはメンズコレクションからそのアイデアが来ていたと思います。個人的にはもう少しコレクションのテンションが高くても良かったかなと思いますが、どうでしょうか。

Hilary Alexanderの記事にある映像を見ていて目が留まったのでついでに書いておきますが、現LanvinのオーナーであるShaw-Lan Wangが映っていますね。彼女は台湾出版界のビジネスウーマンで、Alber ElbazをLanvinのクリエイティブ・ディレクターとして起用した人物でもあります。

via style.com wwd.com vogue.co.uk nytimes.com blogs.wsj.com latimesblogs.latimes.com fashionwiredaily.com showstudio.com tFS

Christian Dior 11SS Collection

John GallianoによるChristian Dior 11SS Collectionは、South Pacificの空気を含み、"Bettie Page"と"sailor"をインスピレーション・ソースとしたもの。

トロピカル・カラーをカラーパレットに、flirty dressを中心にコレクションは展開されていましたが、リゾートな雰囲気がずいぶんあったかなと思います。描かれる女性像も若く、良くも悪くも軽さを感じさせますね。クチュールの時のように明るい色を多用しつつも、ブラックなどを差し色的に用いることでコレクションに緊張感をもう少し増すことは可能だったと思うのですが、どうでしょうか。
ランウェイ前半で使われていたsailorをリファレンスとしたホワイト・パーカーやアノラック・ジャケットなどは、ボーイ・フレンドから借りてきた感じを出しつつ、コレクションの中でさり気なく使われていたペプラム・ジャケットは今回のトーンに上手く馴染んでいて少し面白かったですね。Lady Diorのバッグに関しては、今回のLookに無理に合わせなくても良いのに・・と個人的には思いました。

コレクションの話題から少し外れますが、John Gallianoはここ数シーズンでずいぶん痩せてしまっていますね。前から気になっていたのですが、情報が特に出てこないのでちょっと心配な感じではあります。

via style.com wwd.com vogue.co.uk telegraph.co.uk nytimes.com blogs.wsj.com latimesblogs.latimes.com fashionwiredaily.com dazeddigital.com showstudio.com tFS

Rick Owens 11SS Collection

Rick Owens 11SS Collectionは、無駄を排除したミニマムなドレッシングにフォーカスしたもの。フロア丈やトレーンになっているヘムライン、プリーツなどによって高潔な美しさが描かれていたかなと思います。

カラーパレットは、ブラックやアイボリー、モスグリーンなど。Rick Owensではよく目にするレイヤードは最小限にし、スリーブレスにすることで表現されるストリート感に関しても、今回はストラップレスやホルターネックによってドレスとしての上品さに還元されていたと思います。もちろん、彼らしい宗教性や民族性、ストリート感といったものは各Lookの根底に流れていたと思いますが、全体のトーンとしては、どこかの世界の王女、といった感じでしたね。

The Cutでもポストされていましたが、Dazed DigitalのインタビューによるとRick Owensとしては日常生活の中でlong lengthのLookは着て欲しいとのこと。人々の意識や何かと何かの既存の関係性をデザインによって変え、それによって世界の風景に変化を与えようと試みることはモノをつくる人間としては普通のことだと思うので、彼らしくて良いなと自分は思ってしまいました。

via style.com wwd.com vogue.co.uk nytimes.com showstudio.com tFS

Balmain 11SS Collection

Sid ViciousによるFrank Sinatraの"My Way"をサウンドトラックとして行われた、Christophe DecarninによるBalmain 11SS Collection。テーマはBalenciagaと同じく、"Punk Rock"から。

バイカージャケットやホットパンツ、シャツやビスチェなどに大量に付けられたセーフティ・ピン、穴の空いたTシャツにフィッシュネット・ストッキング、色褪せたデニムに星条旗タンクトップなど。各所で指摘されているように表現としての新しい要素は見当たりませんが、各Lookの完成度と加工による質感の再現性は素晴らしいものがありますね。いつも思いますが、Christophe Decarnin自身が好きなものをそのまま表現しているのがよく伝わってきます。

今回のコレクションに関してもコレクション・ブランドでこの方向性でここまでやっている所は現状では無いので個人的にとても好きですが、もっと違う要素をミックスして新しい何かが見たいと思ったりもしますね。コレクションを重ねる毎に手持ちのカードは必然的に少なくなっていくので、そういった状況下において何をどうしていくのか?ということは遅かれ早かれビジネスにもクリエイションにも必要になってくると思うので。
ただ、現時点ではこれが正解なんだろう、という気は強くしてしまいますね・・。

via style.com wwd.com vogue.co.uk telegraph.co.uk showstudio.com tFS

Ann Demeulemeester 11SS Collection

巨大なプリントを施したファブリックを抽象的に裁断することで表現される"Graphic Abstraction"と、6月に行われたメンズコレクションと同じくフェンシングからの引用としての"Protection"によって表現された、Ann Demeulemeester 11SS Collection。カラーパレットのチョーキー・ホワイトとブラック、そして、グラフィック・プリントは10SSにもあったアイデアですね。

コレクションは、ハーネスの付いた胸当てにファネル・カラー、ワンスリーブ・ジャケットやクロップド・トラウザーなど、アンらしいマニッシュな表現が中心にありましたが、ミニスカートや曲線を描くようにカットされたアシンメトリー・スカートの流動性がフェミニンな空気をショーに与えていたかなと思います。モノクロのカラーパレットもそうですが、強さの中にある弱さや男性性の中にある女性性といったコントラストを静謐に描くのが彼女らしい感じでしょうか。

tFSなどでも書かれていましたが、デザイナーは美しさの概念を多様的に調査するタイプとsingle-mindedなタイプの2種類に大別できるかなと思います(もちろん、Ann Demeulemeesterは後者)。自分はデザイナーのタイプによってコレクションに期待するものは違うのですが、アンのその反復的な表現がとても好きだったりするので、今回も期待通り、といった感じでしたね。

via style.com wwd.com dazeddigital.com showstudio.com tFS

Balenciaga 11SS Collection

Nicolas GhesquiereによるBalenciaga 11SS Collectionは、アムステルダムなどのストリートからスカウトしたモデルに、妊娠中のMiranda Kerr、そして、ベテランとなるAmber Valletta、Caroline Murphy、Stella Tennant、Gisele Bundchenらをキャスト。Nicolas Ghesquiereによれば、「若いモデル、ストリート・キャスティングからよく知られた名前まで、異なるジェネレーションを持つことは私のための美しさのより新しい概念です。」とのこと。

George Frideric Handelのオペラ"Rinaldo"からCecilia Bartoliによる"Lascia ch'io pianga"とO ChildrenのDead Disco Dancer (The Golden Filter Remix)をサウンドトラックとして行われたPunk Rockの空気を含んだコレクションは、"individuality"としてマスキュリンな女性を描いていましたね。
Cristobal Balenciagaをリファレンスとしたコクーン・シルエットにDog Tooth Check、マテリアル・ギークなNicolas Ghesquiereらしいウェットな質感のfaux leather、ショート・トラウザーに合わされたテーラリング、バイカージャケットはスリーブレスが良い雰囲気。同じくスリーブレスのパッチワーク・シャツが個人的には好きな感じでした。

Style.comのレビューでも書かれていましたが、ランウェイ終盤に登場したプラスチックのような質感のドレスはレーザーカットされており、ハンドメイドとテクノロジー、オールディーズなものとフューチャリスティックなものがクロスオーバーされているのがとても彼らしいコレクションだったかなと思います。

via style.com wwd.com vogue.co.uk telegraph.co.uk nytimes.com latimesblogs.latimes.com fashionwiredaily.com tFS

Gareth Pugh 11SS Collection

Kristen McMenamyをフィーチャーしたRuth Hogbenによるショートフィルム・プレゼンテーションでの発表となった、Gareth Pugh 11SS Collection。各所のレビューやDazed DigitalでのGareth Pughのインタビュー、Suzy Menkesの"Is a Runway Show Really Necessary?"という記事など、コレクションの内容よりもランウェイショーのあり方について多く言及されていますね。

この議論は以前から何度と無く出ている話題ですが、前述のSuzy Menkesの記事の中で目に留まった部分があるので少し書いておくとすると、Comme des Garconsのフレグランス"Wonderwood"のフィルムをQuay Brothersが制作した際にAdrian Joffeからパフューム・ボトルの(直接的)表現は禁止されていたとのこと。Adrian Joffeによるとあくまでもフィルムは、"an evocation of the spirit of a thing."だったようです。また、川久保玲は作品をショー以外のやり方で提示する方法を見つけたがっている、とも。しかし、フィルムの上では服のテクスチャーとフィーリングの表現が難しいと書かれていますね。
結論としては、静的プレゼンテーションと動的プレゼンテーション、各々の表現方法の射程とコスト(オーディエンス側が負担するコストも含む)を考慮した上でそれらは選択される必要がある、といったところになりますでしょうか。

そんな議論を誘発しているGareth Pughの今回のコレクションですが、カラーパレットはグレー、ホワイト、ブラック、そして、シルバー。フィーチャリスティックな空気感にシャープなカッティング、お馴染みのモノクロ・チェッカーボードのプリントパターン、ソフィスティケートされたフォルムにネオプレンなどのマテリアルを用いた質感表現など、それぞれのLookは過不足なくミニマルにまとめられており、彼のクリエイションのウェアラブルな方向性での完成度で言えばかなりのもの。個人的にはハードでダークなものに固執するのではなく、今回のような方向性での今後の進化に期待したいですね。

via style.com wwd.com vogue.co.uk blogs.wsj.com tFS