Nicolas Andreas Taralis 11SS Collectionは、Dazed Digitalでの彼のインタビューにもあったように10-11AW Collectionの続きとなるもの。トラディッショナル・ガーメントに関する考えは、オールド・ヨーロピアンやファー・イーストの民族、インターナショナル・ユース・カルチャーなどへ及び、それらをミックスした上でモードとして解釈させたかったようですね。
自分のコレクションに関しては、シーズン毎に大きく変化させることは無い、と話しているのも彼らしい感じでしょうか。
Bernard HerrmannによるAlfred Hitchcockの"Psycho"からのサウンドトラックとBusta Rhymesの"Gimme Some More"のミックスをBGMとし、コレクションのトーンやネオンのカラーパレットは6月にPitti Uomoで行われたメンズコレクションを踏襲しての展開。明るいカラーパレットにクチュールから影響を受けた、Floor Lengthでウエストにペプラムがつくられたボトムス、ビッグ・シルエットのストラップレス・ドレスなどが登場。ストライプやフラワープリントはバッグにも及び、ショー後半の色の組み合わせとレイヤードは、"A mille-feuille of color."といった感じでしたね。クロージングとは対照的にクラシックなシルエットの(セパレート)シューズは、メンズコレクションと同様に底がネオンカラーになっていたのもポイントでしょうか。
Ernesto Lecuonaの"Te he visto pasar"をサウンドトラックに行われた、Miuccia PradaによるPrada 11SS Collection。
"I wanted to do something between minimal and Baroque. Something fun, bold and brave," というミウッチャの発言にもあったように、今回のコレクションのテーマは、"Minimal Baroque"。6月に行われたメンズコレクション"simplicity regained"の進化形としてのミニマリズムにバロックを組み合わせてのクリエイションでしたね。
モンキーやバナナ・プリント、ガジェットとしてのソンブレロに関して言えば、ラテンの空気をコレクションに吹き込んでおり、いくつかのレビューではCarmen Mirandaがモチーフとして挙げられていました。Guido Palauによるヘアスタイルは30年代のジャズからインスパイアされたもので、モチーフとしてはJosephine Baker。ミウッチャからは"small head"というリクエストがあったようです。メイクに関してはPat McGrathによるもので、"We're playing with androgyny, adding glamour to a modern face,"とのこと。シルバー・ブルーのアイシャドーと強調された眉が特徴的でしたね。
Frida GianniniによるGucci 11SS Collection。
各所のレビューで指摘されているように、Yves Saint Laurentを思わせるLookがいくつかあった今回のコレクションのインスピレーション・ソースは、10-11AW AD Campaignの撮影を行ったMarrakeshから。その後は、Chris von Wangenheim、David Bailey、Guy Bourdinといったフォトグラファーの70年代の作品から影響を受けたとのこと。
Front RowにはAlexa Chung、ランウェイショーのBGMはSerge Gainsbourg、カラーパレットにはホワイトと淡いパステルカラーを用い、気の抜けたヘアスタイルと野暮ったさのあるアイウェアに透明感のあるオーガンザやピーターパンカラーの襟、スモックドレス、カラータイツなどを合わせて描かれる少女性は既に過去に存在しているものではありますが、独特の魅力を持っていますね。いつものように底の厚いプラットフォーム・シューズも存在感があったと思います。
Theyskens' Theory 11SS Collection
Olivier Theyskensによる"Theyskens' Theory"ですが、全体的にミニマル・トーンでウェアラブルな感じですね。こういう方向性のクリエイションもできることをアピールするのは次に繋がると思いますし、ある制約の中での作品制作はデザイナーとしても成長できると思うのでポジティブに良いのではないかなと。 WSJやSuzy Menkes、On the Runwayの記事によると価格帯は、ジャケットが600から1000ドル未満、セーターが200ドルから、トップスは90ドルから、といった感じになるようですね。生産国は中国とアメリカ、ファブリックの多くはイタリアと日本からとのとこ。
Tom Ford Disses Fashion World's Cult of Immediacy
噂が流れていた通り、先週、Madison Avenueのブティックで行われたTom Fordのウィメンズの2011年春夏コレクション。全部で32のLookが披露されたようで、モデルにはBeyonceやJulianne Mooreなどが登場。日本からは菊地凛子が起用されていたようです。
コレクションに関してはCathy Horynの記事によれば、GucciでもYves Saint Laurentでもなく、その二つの要素を結合したようなもので(でも、そのどちらでもない)、スタイルにリファレンスを付けるとすれば20年代であるとのこと。どのような感じだったのか気になりますね。
vogue.co.jpなどでも書かれていましたが、今回のコレクションでは写真撮影などはすべて禁止されており(Terry Richardsonのみ撮影を行っていたようです)、12月にオフィシャルサイトで写真とショーのショートフィルムが公開され、雑誌に関しては12月の1月号での掲載となるようです。FASHIONOLOGIEによれば、Terry Richardsonの写真はVogue Paris December/January 2011 issue(12月・1月号は毎年ゲスト・エディターを迎えている)でTom Fordの編集によって掲載されるのでは?とのお話。これがもし事実だとすればとても楽しみなのですが、どうなのでしょうか。
ヴィヴァルディの「四季」から「夏」をBGMとし、ランウェイの中央にオブジェをセットして行われたMarc Jacobs 11SS Collection。
今回のコレクションのトーンは70年代で、各所のレビューではYves Saint LaurentやMissoni、Sonia Rykiel、映画"Taxi Driver"のJodie Fosterなどが挙げられていましたね。Marc Jacobs自身は過去をリファレンスとしたことに対して、Coco Chanelの言葉である"Only those with no memory insist on their creativity"を引いて語ったようです。
部分的に白く染めたヘアスタイルはGuido Palauによるもので、彼によると"it was inspired by Basquiat and the '80s punk era"とのこと。メイクを担当したDiane Kendalによると今回描いた女性像は、"The character for today's show is part of the downtown art scene - she's a very cool girl who's confident enough to wear something extreme like bleached eyebrows,"なんだとか。ちなみにスタイリストはKarl Templer、BGMはFrederic Sanchez、ランウェイの照明デザインはThierry Dreyfus、といった各分野のエキスパートが彼のショーには関わっているので、その辺も意識して見てみるとより一層楽しめるかなと思います。
前述したように今年ロンチしたアイウェアに続いてハンドバッグとシューズが登場し、CNDとのコラボも行ったJason Wuですが、火曜日にはカシミアハウス・ブランドのTSEとのコラボによる"Jason Wu for TSE"の2回目のカプセルコレクションを披露するとのことなので、いろいろと順調に?活動している感じですね。
"Elbaz said he, along with Lanvin men's wear designer Lucas Ossendrijver, conceived a collection to appeal to all ages and sizes, and one that spans clothing, jewelry, hats, sunglasses, handbags, footwear and even lipstick."