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Nicolas Andreas Taralis 11SS Collection

Nicolas Andreas Taralis 11SS Collectionは、Dazed Digitalでの彼のインタビューにもあったように10-11AW Collectionの続きとなるもの。トラディッショナル・ガーメントに関する考えは、オールド・ヨーロピアンやファー・イーストの民族、インターナショナル・ユース・カルチャーなどへ及び、それらをミックスした上でモードとして解釈させたかったようですね。
自分のコレクションに関しては、シーズン毎に大きく変化させることは無い、と話しているのも彼らしい感じでしょうか。

ブラックを用いて描かれるダーク・トーンのコレクションは、いつものようにテーラリングに基礎を置きつつ、メッシュや透け感のある素材、ケミカルやダメージ加工を施したファブリックなどを用いて"Street Tribe"を描いていましたね。全体的にコンパクトにまとまり過ぎている感じがありますが、彼にはこのままコンスタントにコレクションを発表して貰い、個人的にはその先にある変化に期待したいかなと思っています。

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Dolce & Gabbana 11SS Collection

Domenico DolceとStefano GabbanaによるDolce & Gabbana 11SS Collection。
ここ数シーズン、彼らのルーツとなる"Sicilian Sensuality"にフォーカスしたコレクションが続いていますが、今回も同様の方向性での展開。今回のインスピレーション・ソースは、シチリアの"trousseau"(嫁入り道具や衣装など)から。

ランウェイショーのカラーパレットはホワイトをメインに、そこにブラックやレオパード、シックなフラワー・プリントを点在させ、クロージングには嫁入り道具の箱に詰められることに由来するレースを多用。ベビードールにシフト・ドレス、ビスチェやコルセットなどのランジェリーをデイウェアとして解釈し、誘惑的に甘く、フェミニンに描かれる女性像はDolce & Gabbanaらしく、強いセクシーさを合わせ持っていますね。

Fashion Wire Dailyを始め、いくつかのレビューで今回のコレクションに関して(花嫁がテーマの一つとなっているので)純潔さや処女性に言及されていましたが、確かにそれらの要素はとても小さくなっており、それがとても彼らのクリエイションらしさを出していたと思います。通常、このテーマで女性を描くとすれば、もっと透明度が高く、純潔さにフォーカスした(ある意味、ステレオタイプな)ものになってしまうと思うので。彼らのアイデンティティである過剰なセクシーさは、今回のテーマにおいても根底に流れているというのが個人的にはとても面白いと思いました。

コレクションの服以外のアイテムに関して、ゴールドのジュエリーはいつものように素晴らしいですね。ビッグサイズのサークル・イヤリングは、少しクラシックな印象をLookに与えていましたでしょうか。シューズに関しては、ウッドソールだったのが涼しげで爽やか雰囲気をだしていたかなと思います。

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Jil Sander 11SS Collection

Raf SimonsによるJil Sander 11SS Collectionは、新しいミニマリズムを実現するためにそれと対となる"maximalism"にフォーカスしたもの。マキシマリズムの発想からHaute Coutureへと思考は接続され、クチュールの過剰さを排除した上でレングスとプロポーションの感化を今回のコレクションにインプリメント。更にそれらはストリート感を出すために、シンプルなナイロン・パーカーやTシャツと組み合わされたとのこと。
今シーズンのトレンドとしてミニマリズムは散見される要素ではありますが、Raf SimonsのJil Sanderは現状のミニマリズムの先を射程として捉えていますね。クリエイションの思考プロセスと、それを作品として実現するためのアプローチは素晴らしいの一言です。

Bernard HerrmannによるAlfred Hitchcockの"Psycho"からのサウンドトラックとBusta Rhymesの"Gimme Some More"のミックスをBGMとし、コレクションのトーンやネオンのカラーパレットは6月にPitti Uomoで行われたメンズコレクションを踏襲しての展開。明るいカラーパレットにクチュールから影響を受けた、Floor Lengthでウエストにペプラムがつくられたボトムス、ビッグ・シルエットのストラップレス・ドレスなどが登場。ストライプやフラワープリントはバッグにも及び、ショー後半の色の組み合わせとレイヤードは、"A mille-feuille of color."といった感じでしたね。クロージングとは対照的にクラシックなシルエットの(セパレート)シューズは、メンズコレクションと同様に底がネオンカラーになっていたのもポイントでしょうか。

カラーとシルエット、クチュールとストリートによってドライヴされた今回のコレクションは、Raf SimonsによるJil Sanderらしさに溢れており、ミニマリズムの地平とその可能性に関するとても面白いコレクションだったと思います。

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Versace 11SS Collection

Donatella VersaceによるVersace 11SS Collection。
Frederic Sanchezによるサウンドトラックは、Malcolm McLarenがリミックスしたGeorges Bizetの"Habanera aria"(Carmen)から。コレクションはドナテラらしくボディコンシャスな方向性でしたが、今回はパンツを用いたLookが一切無く、スカートに関しても膝丈のペンシル・スカートが多く使われていたのが特徴的でしたね。

カラーパレットはホワイト、ブラック、オレンジ、ターコイズを中心に。クロップドされたトップスに膝丈のペンシル・スカート、Gianni Versaceが使用したGreek Keyによるパターン、彼女らしいウエストやショルダーのカットアウトにスカートのスリットなど。カットアウトされたドレスがそのままシューズにモーフィングしていたのは、そのアイデアとクオリティの点においてとても好きな感じ。ランウェイ後半のフリンジ付きのドレスに関しては、今回のコレクションの気分によく合っていると思いました。

膝上丈のミニドレスもいくつか見られましたが、描かれる女性像はそこまで若くない印象で、トータルで言えばミニマルな雰囲気がありましたね。派手な色やグラフィック・プリントを多用してストレートにメッセージやストーリーを語るのではなく、そこに流れる空気や雰囲気によって女性を描いていたので、Versaceにしては少し大人な感じがあったかなと思います。

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Prada 11SS Collection

Ernesto Lecuonaの"Te he visto pasar"をサウンドトラックに行われた、Miuccia PradaによるPrada 11SS Collection。
"I wanted to do something between minimal and Baroque. Something fun, bold and brave," というミウッチャの発言にもあったように、今回のコレクションのテーマは、"Minimal Baroque"。6月に行われたメンズコレクション"simplicity regained"の進化形としてのミニマリズムにバロックを組み合わせてのクリエイションでしたね。

メンズコレクションで使用されたRem KoolhaasのOMA/AMOによるフューチャリスティックなランウェイ・ステージをそのまま用い、コレクションはメンズにもあったホスピタル・スクラブの再解釈からスタート。素材としてはジャパニーズ・コットンをメインに使用し、シルエットはシンプルに、ストライプによるカラーブロッキングやグラフィック・プリントを多用しての展開。ストライピングはモデルが手に持ったファー・ストールやバッグ、首に括られたソンブレロ、シューズのプラットフォームにも見られましたね。バロック・フレームに組み合わされたキッチュなモンキーやバナナ・プリント、存在感のあるサングラスで遊びつつも、2Bスーツやランウェイ終盤のブラック・ドレスで押さえるところは押さえていたと思います。

モンキーやバナナ・プリント、ガジェットとしてのソンブレロに関して言えば、ラテンの空気をコレクションに吹き込んでおり、いくつかのレビューではCarmen Mirandaがモチーフとして挙げられていました。Guido Palauによるヘアスタイルは30年代のジャズからインスパイアされたもので、モチーフとしてはJosephine Baker。ミウッチャからは"small head"というリクエストがあったようです。メイクに関してはPat McGrathによるもので、"We're playing with androgyny, adding glamour to a modern face,"とのこと。シルバー・ブルーのアイシャドーと強調された眉が特徴的でしたね。

guardian.co.ukやtFSのコメントでも指摘がありましたが、一見、コンフリクトを起こしているように見える要素の組み合わせですが、それらがPradaらしくミックスされたコレクションは不思議な魅力を持ち、第一印象では理解できなかったとしてもその魅力は時が経つにつれて多くのFashion Loversに咀嚼され、ブティックに並ぶ頃にはいつの間にか恋をしている、といういつもの彼女の魔法が今回も感じられて良いコレクションだったと思います。

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Gucci 11SS Collection

Frida GianniniによるGucci 11SS Collection。
各所のレビューで指摘されているように、Yves Saint Laurentを思わせるLookがいくつかあった今回のコレクションのインスピレーション・ソースは、10-11AW AD Campaignの撮影を行ったMarrakeshから。その後は、Chris von Wangenheim、David Bailey、Guy Bourdinといったフォトグラファーの70年代の作品から影響を受けたとのこと。

カラーパレットは各パートで分かれており、1?8Lookがターコイズ、パープル、オレンジ、9?26Lookではアイボリー、ベージュ、27?39Lookではブラック、最後の41?44Lookのドレス・パートではダークオレンジ、ビリジアン、パープル、ゴールド、といった具合に表現したいトーンに合わせて配色を完全に分けていたのが印象的ですね。

ここ数シーズンの流れを汲んだシックでウェアラブルなアウトフィットに、タッセルやフリンジ、ハーレムパンツなどの民族的な要素を付加して描かれる"Sophisticated Seduction"。dazeddigital.comでのFrida Gianniniのインタビューにもあったように、プリントを一切使わずにテクスチャーやマテリアルによって各Lookの表情をつくっていたこともポイントでしょうか。ドレス・パートでのフェザーやビーズの用い方は彼女らしい感じでしたね。

ランウェイでは、Luigi Murenoによる三つ編みシニョンのヘアスタイル、Pat McGrathによるグロッシーなリップとマニキュアも雰囲気に合っていたと思います。

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Burberry Prorsum 11SS Collection

Christopher BaileyによるBurberry Prorsum 11SS Collectionのテーマは、6月に行われたメンズコレクションと同じく"Heritage Biker"。Christopher Baileyの発言にもあったように、(特にオンラインにおいて)全世界のオーディエンスを満足させるために季節の概念をより縮小しての春夏コレクションでしたね。レザーを多用しているので秋冬っぽさが多くあったと思います。

バイカージャケットとトレンチコートをミックスしたバイカー・トレンチをコレクションの中心に据え、1st Lookなどではこれを更にペプラムジャケットのように再構築。ネオンカラーのベルトやバッグはアクセントに。レザーを用いたアウターのインナーにミニドレスを合わせていたのは、そのバランスが面白いと思いました。ランウェイ後半ではスタッズを打ったアウターやバイカーパンツが登場し、レオパードやスネークスキン・プリントはBurberry Prorsumにしては新しい感じがありましたね。
ウォーキングの途中でモデルが裸足になってしまったLookがいくつかあったシューズに関しては、もう少し変化があっても良かったかなと思います。

ヘアスタイルを担当したNeil Moodieによれば今回イメージしたのは、バイクで外出しているクールなBurberry girlがヘルメットを脱いで髪をシェイクアウトした感じ、とのこと。メイクに関しては、Burberry Beautyのメイクアップ・コンサルタントを行っているWendy Roweによるもので(もちろん、今回メイクに使用したのもBurberry Beautyのコレクション)、"We're doing a sultry eye and fresh skin,"とのお話。

モデルのキャスティングに関しては、Lily Donaldsonらの姿がありませんでしたが、これはMilan Fashion Weekとのスケジュールの問題かなと思います。

メンズと同じテーマでの展開でしたが、全体的な印象としてはレディスの方が数段上ですね。ただ、Christopher Baileyのクリエイションという点で言えばもう少し変化が欲しい、といったところだったと思います。

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Christopher Kane 11SS Collection

Christopher Kane 11SS Collectionのインスピレーションソースは、Princess MargaretとNorman Hartnell。そして、そこに日本の刺青からキューを取ったプリント・パターンなどをミックスしたもの。

昨シーズンのブラックをベースとしたコレクションから打って変わり、コレクションのカラーパレットはネオンを中心に。カラーレス・ジャケット、膝丈のスカートやドレス、アーガイルニットなど。ドレスなどで多用されていたプリーツやパイピングはVersaceっぽさがあったと思います。また、少し未来的な雰囲気のシューズはBalenciagaっぽくもありましたでしょうか。刺青プリントに関しては、ランウェイの中でそこまで浮くことなく、違和感無く使われていて良いなと思いました。グラフィックのインパクトを上手くコントロールしている印象ですね。

今回のコレクションのレビューの中で目が留まったのは、Suzy Menkes

The problem with melding a prim adulthood with a suggestion of sly puberty is that Miuccia Prada has been there so many times before.

という指摘。Suzy Menkesの書く文章は納得させられることが多いです。

最後に、tFSでリンクされていたコレクションのムービーが良かったので、チェックしていない方はこちらも是非。

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Charles Anastase 11SS Collection

コレクションのスターティング・ポイントは、"garden"からだったというCharles Anastase 11SS Collection。
Style.comのレビューにもあるように、Charles Anastaseのコレクションは女性になる前の少女性を描くのが特徴的ですね。ここ2シーズンは実験的な要素が多かったのですが、今回は気だるく平穏で、キュートでガーリッシュな感じが彼らしく、上手くまとまっていてとても良かったと思います。

Front RowにはAlexa Chung、ランウェイショーのBGMはSerge Gainsbourg、カラーパレットにはホワイトと淡いパステルカラーを用い、気の抜けたヘアスタイルと野暮ったさのあるアイウェアに透明感のあるオーガンザやピーターパンカラーの襟、スモックドレス、カラータイツなどを合わせて描かれる少女性は既に過去に存在しているものではありますが、独特の魅力を持っていますね。いつものように底の厚いプラットフォーム・シューズも存在感があったと思います。

モデルのメイクに関して、左目の下にホクロが描かれていましたが、これはモデル兼スタイリストでCharles Anastaseのクリエイティヴ・コンサルタントをしているValentine Fillol-Cordierをモチーフにしている感じ?でしたね。

graziaによればFront RowのギフトはFifi Lapinのイラスト集"What Shall I Wear Today"だったようで、こちらも今回のショーの雰囲気にあっているなと思いました。

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Theyskens' Theory... Tom Ford 11SS Collection...

先週、書けなかったOlivier TheyskensとTom Fordに関する話題について少し書いておきます。

Theyskens' Theory 11SS Collection
Olivier Theyskensによる"Theyskens' Theory"ですが、全体的にミニマル・トーンでウェアラブルな感じですね。こういう方向性のクリエイションもできることをアピールするのは次に繋がると思いますし、ある制約の中での作品制作はデザイナーとしても成長できると思うのでポジティブに良いのではないかなと。
WSJSuzy MenkesOn the Runwayの記事によると価格帯は、ジャケットが600から1000ドル未満、セーターが200ドルから、トップスは90ドルから、といった感じになるようですね。生産国は中国とアメリカ、ファブリックの多くはイタリアと日本からとのとこ。

Tom Ford Disses Fashion World's Cult of Immediacy
噂が流れていた通り、先週、Madison Avenueのブティックで行われたTom Fordのウィメンズの2011年春夏コレクション。全部で32のLookが披露されたようで、モデルにはBeyonceやJulianne Mooreなどが登場。日本からは菊地凛子が起用されていたようです。
コレクションに関してはCathy Horynの記事によれば、GucciでもYves Saint Laurentでもなく、その二つの要素を結合したようなもので(でも、そのどちらでもない)、スタイルにリファレンスを付けるとすれば20年代であるとのこと。どのような感じだったのか気になりますね。

vogue.co.jpなどでも書かれていましたが、今回のコレクションでは写真撮影などはすべて禁止されており(Terry Richardsonのみ撮影を行っていたようです)、12月にオフィシャルサイトで写真とショーのショートフィルムが公開され、雑誌に関しては12月の1月号での掲載となるようです。FASHIONOLOGIEによれば、Terry Richardsonの写真はVogue Paris December/January 2011 issue(12月・1月号は毎年ゲスト・エディターを迎えている)でTom Fordの編集によって掲載されるのでは?とのお話。これがもし事実だとすればとても楽しみなのですが、どうなのでしょうか。

また、今回のコレクションに関して冒頭でリンクしたWWDでのTom Fordへのインタビューがここで読むことができるのですが、その中では、ウィメンズのコレクションを始めようと思ったTilda Swintonの話題から今回のショーの情報規制に関しての話題、過去5?6年間にチェックしていたファッションにおいてAlexander McQueenはアーティストであったという話題(でも、それはリアルクローズから外れてしまっている)、Andy Warholの自画像を売って3つのブティックを建てたこと(それは長期的には良い投資だと思う、とのこと)、デザインスタジオはロンドンにある、などが話されていますね。

11-12AWではランウェイショーを期待したいのですが、その辺も含めて来年は彼に注目といったところでしょうか。

Ralph Lauren 11SS Collection

Ralph Lauren 11SS Collectionのテーマは、ウエスタン。
カラーパレットはホワイトをベースに、そこにシルバーやブラウンを上手く組み合わせていましたね。

スエードやフリンジ、オールド・デイズな雰囲気のシルバーバックル・ベルトなどがウエスタンの雰囲気を漂わせ、そこに女性性としてのレースやフリル、ギャザーがシャツなどでバランス良く配置されていたと思います。ウエスタンというテーマはありましたが、あくまでもウェアラブルな方向でのコレクション。ジャケットなどで用いられていたパフショルダーも、シルエットを優しくしていて個人的に好きな感じでした。

繰り返し用いられるテーマではありますが、Ralph Laurenらしさと過去への憧憬を感じさせるコレクションで良かったかなと思います。各所のレビューではそうでもなかったようですけれど・・。

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Marc Jacobs 11SS Collection

ヴィヴァルディの「四季」から「夏」をBGMとし、ランウェイの中央にオブジェをセットして行われたMarc Jacobs 11SS Collection。
今回のコレクションのトーンは70年代で、各所のレビューではYves Saint LaurentやMissoni、Sonia Rykiel、映画"Taxi Driver"のJodie Fosterなどが挙げられていましたね。Marc Jacobs自身は過去をリファレンスとしたことに対して、Coco Chanelの言葉である"Only those with no memory insist on their creativity"を引いて語ったようです。

シックなカラーパレットにドットやジグザグ、ストライプ・パターンを組み合わせ、レトロな雰囲気の各Lookにはリゾート気分が少しあったと思います。フラワー・モチーフが髪や胸元、ドレスのショルダーやウエストを飾っていましたね。

個人的には完成度が高くて好きな方向性ですが、多くのサンプリングによってつくられたクリエイションについてはSuzy Menkesの、

The real problem with fashion's version of cut-and-paste is that it lacks the deep emotion that comes with firsthand inspiration.

というレビューが的確に評しているなと思いました。

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Alexander Wang 11SS Collection

Alexander Wang 11SS Collectionは彼自身の発言にもあったように、カラーパレットにブラックを一切使わずに展開。ホワイトにフォーカスした今回のコレクションのキーワードには、optimistic, purity, honestyなどがあったようですね。

ルーズな緩さを持った各Lookは、ミニマルなアート性とグラフィティ(社内でスタッフとインターンが書いたもの。)等によるストリート感がバランス良く組み合わされ、トップスのボタンやジッパー等からは少しカジュアルな雰囲気も出ていたと思います。フェミニンで優しい雰囲気のオーガンザ・シャツ、柔道ジャケットにローブコート、再解釈されたトレンチ、ミントカラーのドレス等に用いられていたダクトテープも面白いアクセントになっていましたでしょうか。各要素は既に存在しているものですがその組み合わせ方がとても器用ですね。ただ、完全に新しい何かをつくろうとするならばもう少し濃い何かが必要かなと個人的には思います。

部分的に白く染めたヘアスタイルはGuido Palauによるもので、彼によると"it was inspired by Basquiat and the '80s punk era"とのこと。メイクを担当したDiane Kendalによると今回描いた女性像は、"The character for today's show is part of the downtown art scene - she's a very cool girl who's confident enough to wear something extreme like bleached eyebrows,"なんだとか。ちなみにスタイリストはKarl Templer、BGMはFrederic Sanchez、ランウェイの照明デザインはThierry Dreyfus、といった各分野のエキスパートが彼のショーには関わっているので、その辺も意識して見てみるとより一層楽しめるかなと思います。

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Alexander Wang 11SS Collection Live Streaming

今回はホワイトをベースに、少しだけ民族的でスポーティ(futuristic?)な香りのするコレクションでしたね。
コレクションに関しては改めてポストしたいと思いますが、Nose-ringやネックレス、部分的にホワイトに染めたヘアメイクなどが服とマッチしていて、そのような雰囲気を出していたと思います。

あと、ランウェイで気になったのはの天井に吊るされていたオブジェ?ですね。何かのモチーフなのでしょうか。サウンドトラックに関してはtFSで書かれていましたが、LCD SoundsystemのI Can Changeのリミックスだったようです。

Front Rowには業界の著名人がズラリ。モデルに関しては、今回もAgyness Deynがウォーキングしていたのが気になりましたね。

Jason Wu 11SS Collection

ウィメンズの2011年春夏コレクションも既に開始されているので、いつものように気になるものがあれば書いていきたいと思います。10月上旬のParis Collectionまでの間は海外メディアを流れる情報量も多くなりますし、ライヴストリーミング(情報はtFSのこちらのスレッドをご参考に)などもチェックしたりと忙しくなる時期ですね。

という訳で、まずはJason Wu 11SS Collectionから。
今回はハンドバッグとシューズの新しいライン、そして、フクロウをモチーフにしたロゴ"Miss Wu"のお披露目となったコレクションでしたね。また、事前に報じられていたように、CNDとのコラボレーションによるNail Polish Collectionもランウェイショーの中では目を惹いていたと思います。細かい部分ではあるのですが、女性のそういうさり気無い部分の美しさは重要ですね。

コレクションのカラーパレットはシックなベージュやオフホワイト、イエローやマゼンダ、ヴァイオレットなど。アイテムに関しては、ウエスト・ベルト、サングラス、Pussy-bow、ターバンなどが気になった部分でしょうか。また、ブラジリアン・アーティストであるBeatriz Milhazesからインスピレーションを受けた花の刺繍も、各所のレビューでは触れられていましたね。

前述したように今年ロンチしたアイウェアに続いてハンドバッグとシューズが登場し、CNDとのコラボも行ったJason Wuですが、火曜日にはカシミアハウス・ブランドのTSEとのコラボによる"Jason Wu for TSE"の2回目のカプセルコレクションを披露するとのことなので、いろいろと順調に?活動している感じですね。

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memorandum...

New YorkでのFashion's Night Outの話題が各所で出ていますが、米国内のユーザー向けにライヴストリーミングされた映像がCBSのサイトで見ることができますね。映像は全部で1時間以上ありますが、ショーは32:00ぐらいから始まるのでそこから視聴してみても良いかもしません。

Lou Doillon to Walk in Tom Ford's Womenwear Preview
Tom Fordが日曜日にカクテルパーティーを主催し、そこでWomenwear Collectionのプレビューを行うという話題ですが、どうやらその確率は高そうですね。ちなみに、Olivier TheyskensもTheoryとのコレクションを近々お披露目する予定のはずです。

Keira Knightley Wears Head-to-Toe Beige for Chanel Campaign
パリでの撮影の様子が話題になっていたKeira Knightleyですが、撮影はChanel Coco Mademoiselleの新しいCampaignのためだったようですね。

Dior Homme presents Jude Law, in a short film by the talented Guy Ritchie.
Guy RitchieとJude Lawのショートフィルムが公開。

Announced the release of YSL MANIFESTO.
Yves Saint Laurentの秋冬のマニフェストは9月14日にNew York。9月18日にパリ、ロンドン、ミラノ、東京、香港、そして、今回初となるベイルートでリリースされるとのこと。

Lanvin Collection for H&M

H&MとLanvinのコラボレーションの件ですが、いくつか追加情報が出ていたので書いておきます。
気になるコレクションのアイテムですが、WWDの記事こちらで全文を読むことができます)によると、

"Elbaz said he, along with Lanvin men's wear designer Lucas Ossendrijver, conceived a collection to appeal to all ages and sizes, and one that spans clothing, jewelry, hats, sunglasses, handbags, footwear and even lipstick."

とのこと。リップスティックまであるのはちょっと驚きですね。また、ドレス、コート、イヴニングウェアもあるようなので、LanvinのクリエイションをH&Mでどこまで表現できるかが気になるところでしょうか。fashionologieによるとコレクションは、レディスが30のガーメントと15のアクセサリーで、メンズが25のガーメントと10のアクセサリーからなるようです。

11月2日に公開されるショート・フィルムのディレクターはMike Figgis、AD CampaignのフォトグラファーはDavid Simsとのことなので、こちらもどのようになるのか気になりますね。

memorandum...

写真はChanelのオフィシャルサイトから。
New Yorkで撮影された秋冬のADがいくつかアップされています。

It's True: Lanvin For H&M
昨日から話題になっていたH&MとLanvinの件、Style.comのAlber Elbazへのインタビューではファストファッションとのコラボに関して否定的だったので半信半疑でしたが、事実だったようですねLanvinのサイトにもNEWSが出ていました。
11月2日のスペシャル・フィルムでコレクションを公開し、11月23日に発売。Lucas Ossendrijverも名前が出ているのでメンズには関わるのでしょうか。
また、Lanvin繋がりという事で上記の記事中に9月15日にStyle.comとLanvinがちょっとしたコラボをすると書かれていますね。リンク先はStyle Xとなっており、10ブランドとのコラボによりStyle.comの10周年をcelebrateする企画のようです。内容に関してはまだアナウンスされていませんが、ページのdescriptionを読む限りではコラボTシャツっぽいですね。

YSL_Manifesto_FW1011
そろそろYves saint Laurentのマニフェストの時期。
今回はDaria Werbowyですね。

Wmagazine.com
雑誌に合わせてWebもマイナーチェンジ。
Wmagazineは、少し前に話題になっていたSeptember Issueのドキュメンタリーも気になりますね。