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Raf Simons 17SS Collection at Pitti Uomo

Raf SimonsがPitti Uomoで2017年春夏コレクションを披露するようですね。
6月14日から17日までフィレンツェで行われますが、スペシャルプロジェクトというのも何なのか気になります。
彼は2010年6月にJil Sanderの2011年春夏メンズコレクションを披露して以来のPitti Uomoとなりますね。

Dior Homme 2016 Autumn Collection

Dior Hommeのオフィシャルサイトに2016年秋コレクションがアップされていますね。
Kris Van Asscheによると今回のコレクションは、"It's a kind of dressed-down Fridaywear but for grown-ups,"ということで大人の週末服がテーマのようです。

全体的にフォーマルで、少しだけカジュアルな感じ。アップされているもので全てなのかは分かりませんが、アイテム数もそんなに多くない印象ですね。ウインターコレクションが気合い入っていたので、オータムは軽めにした感じでしょうか。ブティックには5月からデリバリー開始となります。

Kvadrat/Raf Simons and Christian Dior...

Raf SimonsとKvadratのコラボレーションによるKvadrat/Raf Simonsの新作についてのアーティクル。5月1日からskandium.comで新作コレクションの取り扱いが始まるようです。

記事の中で彼は、「(Kvadratとのコラボは)一年のタイムラインがあるので私にとって天国のようです。なぜなら、Christian Diorにいた頃は年に8回のコレクションと各コレクションに最大で150のファブリックを含むことがあったからです。」「今年、私はKvadratのために3つのファブリックをつくりました。私はそれに本当に注意を払います。プロジェクトに十分な孵化期間を与えることができることは、素晴らしいです。Diorでは、ファブリックを2時間以内に選ばなければなりませんでしたので。」と話していますね。

やはりDiorでの超絶タイトスケジュールでのコレクション制作はかなり辛かった様子が伺えます。彼の制作スタイルと拘りでは、短期間にコレクションを制作してくことは難しかったということなんでしょうね。キャリアもスタイルも違いますが、Karl Lagerfeldがどれだけ凄いかというのがよく分かります。ラフはLook毎に資料をまとめ、アイデアを涵養しながらLookを完成させていく制作スタイルですが、カールは閃きに近いスケッチでどんどん前に進んでいけますからね。
LVMHがChanelのようにDiorでもプレコレクションを重視し始めた時期と重なったのもタイミングが悪かったような気もしますが、ビジネスという観点で見れば、いずれにしろプレコレクションを重視するという流れは来ていたのかなと思います。Vanessa Friedmanが今日ポストしていたアーティクルもプレコレクションに関する話題で面白いですね。

「それは非常に美しいファッション・ハウスであり、そのヘリテージに携わることができることは素晴らしいことでした。しかし、結局、それは私の手に余るものでした。」「今にして思えば、私がそこに行ったことが間違いであったでしょうか? いいえ、そうは思いません。(Diorは)ファンタスティックな経験と時間でした。そんなに短い期間だけそこに行くという計画ではありませんでしたが、しかし、私は長い期間そこで契約するつもりもありませんでした。それで、(問題が)複雑になったので、私はそこを出ることを決めました。その理由の一部は、ファッションが採用しているシステムにあります。それはスピードを出し過ぎています。毎シーズン、私は多くのものがそのような発展をしているのを目にしますが、自分を含む特定の創造的な人々は、もはやそのスピードに合わせる気がないと思います。私はそうしたくありません。そのレベルのものに取り組むならば、あなたは多くのことに失敗します。」

Christian Diorのアーティスティック・ディレクターという役職は自分には大き過ぎたとラフは振り返っていますね。Diorで過ごした時間はファンタスティックであったとも語っており、長居をするつもりも無かったけれど予想よりも早く離れることになってしまったと話しています。そして、その理由の一端は(以前から言われていましたが)ファッションの速度にあったと。

才能ある人がその才能を発揮できないというのは勿体無いですね。Christian Diorというメゾンにとってもそれは損失であるはずなのですけれど。デザイナーには法外な報酬があるのかもしれませんが、ビジネス優先で才能を使い潰していくというのは企業としては結構、グレーかなと。そこに身を置くも去るもデザイナーの自己責任と言ってしまうこともできますが、それで結局、デザイナーの作品が見れなくなってしまうと最終的にファン(顧客)が悲しむ結果になる訳ですから。サステナブルにデザイナーがクリエイションを続けられるシステムが求められているし、長期的にはそれが良い結果に繋がる世界になって欲しいものですね。

Suzy Menkes talks about Hedi Slimane with Pierre Berge and Azzedine Alaia.

Suzy MenkesがInstagramに投稿したPierre Bergeとの会話tFSで話題になっていますね。
エディの離脱とヴァカレロの就任についてベルジェへ質問したようで、彼は「デザイナーは、フットボール選手のようになりました。」「彼らは最も高い入札者のところへ行きます。」と言ったようです。そして、エディがChanelに行く可能性については、「ノーコメント」と答えたとのこと。わざわざノーコメントと答えるということは、その可能性があるということを示唆していると受け取っても良いのでしょうか。

また、Azzedine Alaiaは、「エディがDiorに行くとすればとても驚きますが、Chanelであれば驚きません。カールとエディは仲違いをしましたが、現在は友人であるので。彼はChanelでメンズウェアから始めることができ、その後、RTWを引き継ぎ、そして、全てを引き継ぐかもしれません。」と話していますね。
また、「エディのようなスタイリストは、(財産を築いているので)彼自身の名前の下で彼自身のファッション・ハウスを開始することができました。しかし、彼は既存のファッション・ハウスのその保障を望みます。彼はSaint Laurentに2、3年しかおらず、そしてその期間に彼ら(Kering)は多くの投資をしました。そして今、他の誰かがそこ(エディが立っていた場所)に入り、再びその全てを変えたいと思っています。」とも話しています。

さり気無くエディをスタイリストと評しているアライアですが、彼からすればシグネチャーを始めないエディが不思議に見えるんでしょうね。でも、独立して上手くいくかどうかは、今の時代は何とも言えないというのもあるかなと思います。また、デザイナーが短期間で頻繁に変わることにはやはり否定的なようです。

という訳で、Suzy MenkesがエディのChanel行きについて尋ね回っているようですが、何か根拠があるのかが気になるところですね。

Hedi Slimane departed from Saint Laurent, Anthony Vaccarello as New Creative Director

Saint LaurentからのHedi Slimaneの退任に関してですが、「一先ず、お疲れさま。」と言ったところですね。噂が出始めた頃は表参道にブティックをオープンしたばかりだったのでこのタイミングで辞めるのか?と思っていたのですが。この4年間の率直な感想は、好き放題やって嵐のように過ぎ去っていったという印象が強いのが個人的にはとても残念でした。もっと謙虚で、ファッションに対して献身的で、時代の空気とその先のヴィジョンを感じさせるコレクションを期待していたんですけれどね。今後も彼が服作りを続けるのであれば、そういったものを思い出してデザインして欲しいなと思います。

後任のAnthony Vaccarelloに関しては、エディが敷いた路線を踏襲しつつといった感じになるのでしょうね。彼は、ボディコンシャス的なセクシャリティとカッティングエッジなクールさが同居した大人の女性を描きますが、どこまで自分を出してくるのかが気になるところ。モデルもKarlie KlossやLily Donaldson、Jamie Bochertといったメジャーどころを中心にキャストし、シグネチャーのミューズにはAnja Rubikを据え、Inez van Lamsweerde and Vinoodh Matadinがアドキャンペーンを撮る、といった感じでやってきているのでこの辺は踏襲するのでしょうかね。Inez and Vinoodhがキャンペーンを撮るとなるとStefano Pilati時代に戻ることになりますが、さて。

彼の懸念点を挙げるとすれば、カラーパレットがモノトーンが多いということとデザインの引き出しが少なく、モデルのクオリティに服が負けていることがあるということでしょうか。クリエイションという点で言えば課題はまだ多くあり、オリジナリティという側面においても弱さが目に付きますね。
ブランドの遺産を上手く使いつつ、独自の世界観やヴィジョンを提示できるかがキーになるかなと思います。

最後に、Versus VersaceでChristopher Kane、Jonathan Anderson、Anthony Vaccarelloを起用してきたDonatella Versaceですが、ここまで皆がステップアップしていくというのも凄いなと。才能を見い出し、チャンスを与え、本人が望むなら自由に羽ばたかせて行くというのも中々できないものですよね。