Frida Gianniniが予定よりも早く退任したため、Gucciのヘッド・アクセサリー・デザイナーであるAlessandro Michele率いるデザインチームによって提示されたGucci 2015-16年秋冬メンズコレクション。サウンドトラックに使われたのは、Tom Fordによる映画「A Single Man」の"Stillness Of The Mind"。
First Lookから明らかにそこには「変化」がありましたね。ショーが進むにつれて思い出される懐かしい感覚。約4年振りのファッション界への本格的な復帰。改められたブランド名を背負って新たな出発となったJohn GallianoによるMaison Margiela 2015年春夏アーティザナル・コレクション。
意味内容を捨象した非意味的なブランドとして存在していたMaison Martin Margiela。思いもよらなかったJohn Gallianoという世界とのマッシュアップによりその抽象性に輪郭を与えられ、非意味的なものから意味を有したものへ、混沌から秩序へ、飛び道具的なブランドからよりセオリー通りのメインストリーム側へと引きつけられる。
彼がデザイナーに就任した時はどうなることかと思いましたが、結果を見てみれば既に完成度はとても高く、さすがはJohn Gallianoといったところですね。メゾンのコードを的確に捉え、巧くコントロールしている感じがあったと思います。個人的には久しぶりに彼のコレクションが見れたので服やドレスにもう少しツヤや煌きがあっても良かったかなとも思いましたが(ノスタルジー)、それはそれでマルジェラというブランドとしてはどうなんだろう?という気もしますね。
あとは、Comme des Garconsをよりアダルトにしてエロチシズムとロマンチシズムを加えるとこんな感じになるのかな、ということや、全体をもっとハードにして死生観を加えればAlexander McQueenっぽくもなるかな、といったことも何となく思いました。そういう意味では、刺激的なマッシュアップだったと思います。