Vogue USのAnna Wintour関連の話題では高確率で引き合いに出されるこの映画ですが、公開は2006年。原作小説を書いたLauren WeisbergerはAnna Wintourの元でアシスタントの経験があることは有名ですね。その後もEveryone Worth Knowing、American Girls About Townという短編小説集に収録されているThe Bamboo Confessions、Chasing Harry Winstonと出版しているようですが、基本的にSEX AND THE CITYというか、そういった系(失礼)の作品が多いようです。売り上げも批評家のレビューもあまりよろしく無いことがwikipediaには書かれていますが、3作目の小説であるChasing Harry WinstonはUniversal Picturesが映画化権を取得したとも書かれていますね(著者のBlogでもエントリーがありました)。
THE DEVIL WEARS PRADAに話を戻して、監督のDavid Frankelや衣装デザインを担当したPatricia FieldはSEX AND THE CITY(Sixth Season)のコンビでもあるのですよね。David Frankelは元々TV出身のようで、映画全体の良い意味でのテンポの良さ(軽さ)はその辺に由来しているのかなと思います。
Patricia Fieldと言えば、最近では「お買い物中毒な私!(CONFESSIONS OF A SHOPAHOLIC)」でも衣装デザインを手掛けていますね。
音楽に関しては、上で紹介したFan Movieでも使用されている、KT TunstallのSuddenly I Seeという曲がかなりキャッチーで爽やかな曲なので個人的に好きですね。映画では冒頭のシーンで使用されており、映像とのシンクロ具合が良い感じ。ちなみにiTunesでも購入することができるので、気になった方は是非。映画の中では他にもMadonna等の楽曲が使用されています。
Anna Wintourを特集した60 Minutesですが、CBSのサイトでいくつか映像が公開されていました(ここやここを参照)。
ネット上でも各所で感想がポストされていましたが、インタビューアーであるMorley Saferに対して否定的な意見が多かったような気がしますね。というのも、番組全体が"The Devil Wears Prada"で描かれる(または、Nuclear Wintourと呼ばれる。というか今回は"Darth Vader in a Frock"でしたが。。)鬼編集長的な、ステレオタイプなAnna Wintourの紹介に留まったからということになるのかなと思います。
番組の内容に関しては、"コンデナストの社員はエレベーターに彼女と一緒に乗ることが許されない"、"会社からヘアケアと化粧及び、衣装手当が年間200,000ドル出されている"といった噂話から、"サングラスは感情を隠すためにしているということ"、"毛皮は好きなので着ているという話"、"Oprah WinfreyがVOGUEの表紙を飾るに当たり、20ポンドのダイエットをするように勧めたという話"、などなど・・がありました。
映像中では、John GallianoやKarl Lagerfeld, Bernard Arnault(LVMH), Ralph Lauren, Nicholas Ghesquiere, Domenico Dolce & Stefano Gabbana, Miuccia Pradaのインタビューもありましたね。また、Alexander Wangの1200ドルの服に対して"reasonable"と答えるシーンも映像の中で印象的に使われていました。
What is the most important thing for you in creating clothing?
Always being unaffected and sincere.
How do you find and decide upon the themes for your collections each season?
Aside from suddenly coming up with ideas the day before we are also able to take inspiration and ideas that have kept over time. However, we must always patiently observe the things around us. Anything and every thing can become a creative source.
Do you consider brand concepts or seasonal themes to be important?
No. While it may seem illogical or unfocused, our collections only come together and gain clarity once they are actually given form.
Is there anything that all of the staff focus on in order to maintain a stable level of quality?
We all strive to always remain faithful to ourselves, our abilities, and our beliefs. We absolutely never compromise due to monetary reasons or trends.
What sort of influence has Belgium had on the maison's current creations?
Out of the 72 members of our current staff only four of us are Belgian. So, I don't think there has been that big of an influence.
The worldview Maison Martin Margiela has constructed is very unique and one-of-a-kind. How do you perceive this worldview?
We didn't build this worldview intentionally. It became a singular thing as a result of the history, personality, background, an culture of each member of our staff coming together.
What are the essential elements for building a brand's worldview?
Nothing is essential, because everything is spontaneous.
What is your vision for the future?
We all want to continue to be dreamers.
現在発売中の+81 VOL.44 / SUMMER 2009 Creativity of Garments issueに掲載されているMaison Martin Margielaのインタビューから、気になった部分をいくつか引用してみました。
Maison Martin Margielaは個の集合体であり、トップダウン型のメゾンではないというのはよく知られたことだと思いますが、インタビューの回答自体もメゾンとしての回答なので、その内容も非常にアイデンティファイされたものとなっていました。個人的には共感する部分がとても多かったですね。
Karl LagerfeldによるChanel 09-10 Cruise Collection。
カンヌ国際映画祭と日程が被っていましたが、Olivia Magnani, Rinko Kikuchi, Anna Mouglalisはシャネルのクルーズ・コレクションを優先したとvogue.co.ukでは書かれていましたね。ちなみに菊地凛子のドレスは、Chanel 09SS Couture Collectionのレース・ドレスとのこと(こちらを参照)。WWDの記事には、"So beautiful," "In Tokyo, I couldn't sleep, but here I slept like a baby. The water acts as a lullaby."というコメントが載っていました。
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REFERENCE MATERIALS + PHOTOGRAPHED BY STYLE.COM & VOGUE.CO.UK
GAP PRESS Fashion Magazine PRET-A-PORTER 2009-2010 Autumn & Winter
MILAN / NEW YORK VOL.87, PARIS / LONDON VOL.88
Style magazine i-D to scale back to six issues a year
1980年に元ヴォーグのアートディレクターであるTerry Jonesによって創立され、今年の6月で300号を迎えるi-D Magazine。不況とデジタル化の波によるものからか、9月から月刊から隔月に縮小されるとのこと。発売月は、9月、10月、11月、2月、3月、4月と書かれていますね。その代わり今後はウェブサイト上で情報を展開していく予定だそうです。
個人的にですが、なんとなくTHE FACEの廃刊が頭をよぎってしまいました・・(どちらも1980年創立なのですよね)。
nymag.comで紹介されていたのですが、Suzy Menkes(fashion editor of the International Herald Tribune)がサンフランシスコでファッションの将来について語ったようです。その内容は、「ユーザー生成型のオンライン・ファッション・ジャーナリズムの未来」と「今日の消費者とデザイナー/アパレルメーカーにとって持続可能性(sustainability)という概念が本当に意味するもの」の2つ。
一つ目のユーザー生成型のオンライン・ファッション・ジャーナリズム(つまり、Blogなどですね)に関しては、"I think it's terrific that there are bloggers,"とのことでかなり好意的に考えているようです(ちなみにnymag.comも「we agree.」と書いていますね)。そして、"But you have to keep up with the standards of fashion journalism today."とも。
また、"Not everyone's writing is equal."ということを差し引いたとしても、web writingはファッション産業に寄与するだろう、とのこと。
KARL'S DIARY - A FASHION SHOOT FOR THE MAY 2009 ISSUE OF AMERICAN ELLE FEATURING FRENCH ACTRESS AND SINGER NORA ARNEZEDER. Paris Match(ELLE.COM Fashion-Spotlight) Check it out.
Louis Vuittonのウィンドウ・ディスプレイは村上隆とコラボ中とのこともあって、さながらMONOGRAM MULTICOLORE FANTASY WORLDといったところ。既に閉店していたのですが、親子でお店の前に立ち止まってディスプレイを眺めている姿が印象的でした。
アニメやAKB48の件もそうですが、ターゲットとしている年齢層が若いですよね。現在の直接的な購買層よりも下の層にアピールしているような感じで、"次の世代のお客様"にも訴求しているといったところなのでしょうか(なんだかマクドナルドのマーケティング戦略みたいだなと思ってしまいましたが・・)。