Ann Demeulemeester 11SS メンズコレクションのインスピレーションソースは、フェンシングから。
コレクションのカラーパレットは前半がホワイトで後半がブラックという構成になっていましたが、前半ではコットンを用い、後半ではレザーが多く用いられていたようですね。この2部構成に関してアンは、"Things look quite different. It's a different emotion."と語ったようです。
Kris Van AsscheによるDior homme 11SS メンズコレクションのテーマは、"Lessness"。
"Less is more. Simplicity is the true luxury,"というKris Van Asscheの発言がありましたが、方向性は10SSから続いているDior hommeでのKris Van Asscheのクリエイションそのままですね。dazeddigital.comのインタビューでもスーツへのアプローチに対する質問に優雅さと快適さについて答えていますが、ファブリックのボリュームと流動性を巧く用い、ソフトタッチ・フィーリングでそれを実現させるという方法論は彼らしいとは思います。
Riccardo TisciによるGivenchy 11SS メンズコレクション。
映画「The Lost Boys」のサウンドトラックから"Cry Little Sister"をBGMとして行われた今回のコレクションは、レオパード・パターンをフィーチャーしての展開。テーラリングにフォーカスを当てるのはいつも通りでしたね。
川久保玲によるComme des Garcons Homme Plus 11SS Collectionのテーマは、"the Skull of life"。
Front RowにはCarine Roitfeld, Jefferson Hack, Scott Schuman, Sarah Lerfelらを招待して行われたようですね。
Kris Van Assche 11SS メンズコレクションのテーマは、整備士のように手を汚して働く"Working Man"。ランウェイをウォーキングするモデルの手がdirty handsになっていたのも面白かったですね。インスピレーションソースは、Richard Avedonの"In The American West"の作品からあったようです。
カラーパレットはブラックとグレーをメインに、ワークウェアとテーラリングのMixによって描かれた今回のコレクションはアーバン・シックでいつものようにリアリティがある服だったと思います。実際に着てみたいと思えるアイテムもいくつかあったので、Kris Van Asscheのこういう方向性は好きですね。
ランウェイショーはウエストにツールベルトやエプロンのように帯が用いられているLookから始まり、ノースリーブのシャツやタンクトップなどが登場。透け感のあるシャツはDior hommeの10SSコレクションっぽい雰囲気があったと思います。ランウェイ終盤では汚れ加工のパンツやコートが使われていましたが、(アイデアとしてはよくあるものですが)Kris Van Asscheのコレクションで見るのは少し新鮮な感じがしました。
個人的にデザイナーとしてのKris Van Asscheの作品には野暮ったさを感じる時があるのですが、今回のような春夏はシンプルで良いと思いました。ラテンなどの民族的な方向性よりもアーバンで、スポーティな要素が控えめな最近のバランス感覚は好きな感じですね。
Stefano PilatiによるYves Saint Laurent 11SS メンズコレクション。
今回のコレクションに関連して、フォトグラファーでフィルムメーカーのAri Marcopoulosによるタトゥー・アーティスト Mark Mahoneyのドキュメンタリー・ショートフィルム"No Way Back"が公開されていましたね。
ランウェイショーはモロッコなどの北アフリカから影響を受けたもので、ウエストベルトやカマーバンド、トルコ帽などを用いてミニマルに展開。全体的にクラシカル・トーンで、ボトムにショーツを合わせたLookはフェミニンな雰囲気があったと思います。
個人的にノーブルなテーラリングはYves Saint Laurentらしくて良いと思うのですが、もう少しStefano Pilatiは遊んでも良いのではないかと思ったりしますね。ターゲットとなる顧客のことを考えると、シックにならざるを得ないのかもしれませんけれど。
渡辺淳弥によるJunya Watanabe Man 11SS コレクション。
セーラーストライプやギンガムシャツ、くるぶし丈のパンツなどを用い、カジュアルでリラックスしたNautical Styleを描いた今回のコレクション。渡辺淳弥は、"They're clothes I want to wear next summer,"と表現したようですが、彼の作品はここのところ同じ方向性のバリエーション違いでずっと続いていますね。
2シーズンぶりにメンズ・ランウェイショーを行った、山本耀司によるYohji Yamamoto 11SS メンズコレクション。
今回のコレクションに関して山本耀司は、"I think current fashion is too American. It's T-shirts and shorts all the time. I think we need some proper elegance to enhance the atmosphere a bit."と語ったようですね。アメリカン・カジュアルにヨーロピアン・エレガンス(主に18世紀から19世紀のVictorian)を用いてカウンターを当てるコレクションでしたが、個人的には会社経営の観点からビジネスを意識したベーシックな方向性のコレクションになると思っていたので少し驚きました。
Rosie Huntington Whiteley(Model)
Nina Porter(Model)
Sam Rollinson(Model)
Charlotte Wiggins(Model)
Caspar Smyth(Model/Producer)
Douglas Booth(Actor)
Gwilym Gold(Musician)
Rory Cottam(Musician)
Samuel Fry(Musician)
Sebastian Brice(Model/Musician)
Thomas Penfound(Model)
こういった方向性のコレクションもウェアラブルで良いと思うのですが、個人的にはもう少しラディカルな方向性のコレクションが見たかったかなと思います。メンズはレディスに比べて自由度が低く、選択肢が少ないということと、昨今の時代の空気がそうさせているのだと思いますが。
Milan Collectionが終了し、Paris Collectionが始まりますが、その辺を個人的に期待したいですね。
Dolce & Gabbana team up with Martini for drink debut
Dolce & GabbanaがBacardiのベルモット・ブランドであるMartiniと協同でお酒(wines and spirits sector)をデビューさせるという話。Milan Collectionでは、メンズラインの20th anniversaryをcelebrateするんだとか。もちろん、ショーの模様はサイトでLive Streamingされますね。
Gucci Live Show
GucciのLive Streamingは日本時間21日19:30から行うようです。
ちなみにBurberry Prorsumは今回もやる(日本時間19日22:00)ようですが、Dior hommeやPradaは今回もやるのか気になりますね。
インタビューの内容は、Raf SimonsがJil Sanderのクリエイティヴディレクターに就任してから5周年という話から始まり、(Villa Gamberaiaを背景に)ガーデンを舞台として提示される今回のショーがコレクションの作品にどう影響を与えたのか?という話題では(キーワードとしては、"Nature"があるようです)、今回のコレクションはsilhouette-drivenなコレクションではなく、Jil Sanderのヘリテージであるカラーとマテリアルについてのシンプルなものになるとの話で、Raf Simonsはブランドのルーツへ回帰したかったとのこと("No spectacle. No over-the-top form - more simple and easy to relate to. The color and the material are more challenging."と語っていますね)。
クライアントの変化に関しては、シンプルで良いカシミアコートとフラットな靴を望む顧客は常におり、我々はそれを提供しているけれど、過去10年間でファッションは多様化し、消費者心理は変化したとのこと。90年代には"the Jil Sander woman, the Martin Margiela woman."といったように一人のデザイナーを通して自己を表現することは一般的だったが今の消費者はブランドをMixして購入し、そして彼らは多くの変化を望み、全てに対してより多くを望む、と。
こういった状況下における新しいアプローチとして例えば我々のストアはこれまでよりもより良く改善しているが、(それには多くの理由があるけれど)これは再びワンブランドにコミットしている顧客に関係がある、とのこと。クライアントの抱える問題点としては、"I can see how it would get exhausting, feeling like you have to buy 16 bags by 16 different designers every year, in order to keep up."と話していますね。
現在のファッションに関してRaf Simonsは少しスローダウンすることを望んでいるようで、それは、ファッションが速く進む際に彼がファッションにおいて好きな"slightly elusive"、"Hard to grasp, hard to find."という考えを消し去ってしまうからとのこと。クリエイティビティを楽しんだり、熟考を必要とするメッセージがファッションにあっても良いよね?とのお話で、そのための時間が再びあって欲しいのだけれど、結局はそれはコンシューマーが決めることであって我々はサジェストすることしかできない、と。
(この後、Raf Simonsの個人的なアート収集に関する話題が出ていますね。)
最後は、女性の服をデザインするということがRaf Simonsをとても怖がらせたというJil Sanderでのファースト・コレクションについての話や荒れていたブランドを安定させるという当初の目標の話、そして、現在までのコレクションにおける"let's go every place this brand has never been."という話題からデザイナーとして未来への可能性を信じる"The task of the designer is to be excited about what's to come. I'm a romantic about the future. That's where all the possibility is."という言葉で締め括られていますね。
Postcard from Saint-Tropez
garance doreによるサントロペで行われたChanel Cruise Collectionの映像。
garance doreの映像作品は雰囲気がすごく良いので個人的にとても好きです。
Prep, Pose, and Shrink to Fit
Vogue Italia April 2010の撮影風景の様子。
ランウェイショーのBackstageやFront RowのPhotographyがもう一つの作品として機能するように、Behind the Scenesはコンテンツとして重要ですよね。雑誌のEditorialだけでなく、AD Campaignなどにも言えると思いますけれど。
New YorkのFrench Consulateで行われた、Stefano PilatiによるYves Saint Laurent 10-11 Cruise Collection。
コレクションは70年代の雰囲気をベースとしたシックな印象で、テーラリングから始まり、バタフライやクローバーのような植物のプリント、デニムを用いたLook、バーミューダショーツ、そして、ショー後半では10-11AWコレクションで使われたペンダント・シルエットのプリント、などがありましたね。ウエストベルトなどを用いたハイウエストのシルエットやラストルックのスモーキングはYSLらしかったと思います。
各所のレビューでも書かれているようにバタフライ・プリントは、Miu Miuの10SSコレクションでのSwallowやCatプリントっぽくもありましたね。個人的にMiu Miuのあのプリント・パターンはとても好きなトーンだったりしますが(ちなみに今回のYves Saint LaurentではモデルにLindsey Wixsonがいましたね)。
Stefano Pilatiの発言として、"Always within myself there's the big debate - how can you avoid references but at the same time be respectful,"というのがありましたが、メゾンのヘリテージにどう向き合っていくのか?というのは歴史あるファッション・ハウスでデザイナーを務める人間の運命ですね。Christian DiorのJohn Gallianoもそうですけれど。個人的にYves Saint Laurentにはもう少し新しさが欲しいと思うのですが、どうでしょうか。
Stefano Pilatiに関して言えば、少し前にYSLを去るかも?という噂が流れていたのも気になりますね。確か噂は否定されていたはずですけれど。
Alexander Wang Plots New Line
Resort Collectionを発表したAlexander Wangですが、新しいラインとなる"essentials"について報じられていますね。CasualでEasyなT(Line)よりはテーラリング寄りになるようですが、"I don't want to say [the new line] is based on tailoring or business attire"とのこと。また、New YorkにFlagship Shopを今年のどこかのタイミングでオープンするとの話ですが、場所はまだ不明のようです。
GUCCI ICON-TEMPORARY store hits Tokyo
Frida GianniniとMark RonsonによるGUCCI ICON-TEMPORARYの東京での展開は6月12日から7月4日まで、新宿にあるGUCCIのブティック2Fで行われるというお話。11日にはMark Ronsonがホストを務めるパーティーもあるようですね。
Karl's Mail...
フランスの通信販売大手の3 SuissesのためにKarl LagerfeldがIris Strubeggerを撮影した件について。
Karl Lagerfeldはここのところずっと話題を振り撒いている感があります。
SO IT WASN'T ANNIE'S FAULT AFTER ALL
Kenneth Starrというファイナンシャルアドバイザーがニューヨークで詐欺容疑で逮捕されたとの話ですが、Annie LeibovitzにArt Capitalを紹介したのがこの人物なんだとか。他にもUma ThurmanやMartin Scorseseといった名前が挙がっていますね。
I love Saint-Tropez. I am tired of destinations at the of the world. When you have such a paradise not far from Paris, in the center of Europe, why not go there?
"Love is in the air."
Yes, exactly. The borderlines are not as strong in summer fashion as in high fashion collections. You can show jeans. It is like winter sports clothes. Everyone has two arms and two legs. For the rest...
You worked on jeans. You also worked on swimsuits for evening.
You have the sea and boats. That is a look for the boats.
Is it a collection for the big yachts, or for young, trendy women?
You can be young, trendy, and on a yacht. There are no more rules.
There is a new take on gingham in the collection.
Everything has to be seen in a way that feels new. Otherwise it is vintage. This is not a vintage collection.
Juliette Greco came.
I love her. Of all the people here, she was the only one who knew Chanel. She was a Chanel client. Chanel adored her. It was very touching. I was surprised to see her here. Nobody else, myself included, had ever seen Chanel or remembered Chanel. Only Juliette Greco.
Greco also embodies the idea of Saint-Tropez.
She is Paris, she is Saint-Germain. She is a certain idea of French chic. I do not think in these terms, but rather "the idea of Saint-Tropez". I do not go into sordid details or private lives, the rich and poor the camping site and the yacht. For me it is a vision, an idea.
What is the link between Coco Chanel and Saint-Tropez?
The link is very small. The only thing we know about her being in Saint-Tropez is a letter from Colette to her husband saying she went to Vachon. Vachon used to be next door. Not any more. Colette was buying something when someone covered her eyes. It was Coco Chanel there with Misia Sert and Paul Iribe. Colette hated Paul Iribe. It was shortly before he died on the tennis court. Chanel was at her villa at Roquebrune.
- Everyone calls me Coco. I am mad for Chanel.
In the movie, the girl walks around saying, "Everyone calls me Coco. I am mad for Chanel." It means her spirit has survived. She is not the reincarnation of Chanel, but a fashionista. Girls all around the world still want Chanel.