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Renaissance Man: Karl Lagerfeld - DW Documentary

Karl Lagerfeldのドキュメンタリーがアップされていたのでご紹介。
2015年に放送されたもののようですね。昨年9月の番組サイトはこちら

カールは、先日行われたChanelの2019年春夏クチュールコレクションにおいて体調不良を理由に姿を見せなかったのが気になるところ。Carine Roitfeldとのコラボも報じられていますが、体調は回復したのでしょうかね。

Berluti 19-20AW Collection

2018年4月にKris Van AsscheがBerlutiのアーティスティック・ディレクターに就任。6月の2019年春夏コレクションのランウェイショーを開くには時間が足りないことをCEOのAntoine Arnaultに相談したところ、彼もそれに同意したという。Berlutiはハイエンド・ラグジュアリーであり、そのレベルを維持するためには時間が必要である、と話すヴァンアッシュは彼に感謝を表している。

その後、ヴァンアッシュは2019年春夏シーズンのためにカプセルコレクションをデザイン。11月にはプレフォールコレクションを制作したという。よって、Berlutiのアーティスティック・ディレクターに就任して初のランウェイショーとなった今回の2019-20年秋冬コレクションは、Berlutiでの彼の3番目のコレクションとなる。

Opera national de ParisのOpera Garnierで行われたデフィレは、ブラウンのパティーヌ・レザースーツで幕を開ける。パティーヌの色の濃淡、ステインの揺らぎがコレクションのベースラインとなり、シルエットはDior homme時代に比べるとややリラックスした印象を持つ。ダブルブレストのジャケットはショルダーとウエストシェイプが目を惹き、パンツの裾にあしらわれたジッパーやインナーから顔を出したフーディーがトラディショナルなテーラリングにスポーティーな印象を与える。
ブランドロゴと創業年が描かれたカラフルなモトパンツは飛び道具的であり、アクセサリーのセーフティピンに付いたタッセルはローファーを想起させ、首から提げたシューホーンはBerlutiらしい遊び心。

描かれる男性像に関して、Dior hommeでは若者が中心であったのに対し、ヴァンアッシュがインタヴューで話しているように年代は幅広く、特定の年齢層に特化したものではなくなっている。AndyやAlessandroといったBerlutiの古典をフォーマルな方法ではなく、よりリラックスした、そして、より現代的なファッションとして再発明すること。これらのヴァージョンは父親から息子の世代まで、幅広い年齢層の顧客を喜ばせることができるかもしれない。彼は年齢に縛られない、特定の感性を養う全ての男性とコレクションを通してコミュニケートしようとしている。

人種も白人から黒人、アジア系のモデルまで多様であり、そして、前任者のHaider Ackermannがそうであったように、ブルーのリブニットドレスやメンズモデルと同様のアウトフィットを着たウィメンズのモデル(Alek WekやMalgosia Bela)が登場。同じようなLookでもウィメンズのLookの方が完成度が高いのは、やはりファッションは女性の方が間口が広く、メンズの方がセンシティヴであることを感じさせる。

足元を飾るAlessandroやホワイトスニーカーはメタルトゥとなっており、コバも多角形的にカットされているのがコンテンポラリーな雰囲気を漂わせる。ウィメンズのモデルが履いているAlessandroはピンヒールにカスタムされている。

ショーのステージとしてオペラ座を選んだことについてヴァンアッシュは、オペラがBerlutiとは何か?を象徴しているのだと話す。オペラとは最も伝統的な文化形式であり、オペラにはクラシカルなミュージックとバレエがあるが、コンテンポラリーなダンスも含まれており、そしてそれらは異なるタイプの聴衆を惹き付けるのだと。クラシック(Alessandroやテーラリング)とコンテンポラリー(ハイテクスニーカーやパーカー)の両側面を包摂することが彼の目指すBerlutiである。

昨今、多くのブランドがコラボレーションを行っているが、最初の本当のコラボレーションとはデザイナーとブランドの間にあるものだと彼は話す。デザイナーのアイデンティティとブランドの長い歴史の中で受け継がれたDNAが出会うためには、デザイナーはアーカイヴにダイヴする必要がある。アーティスティック・ディレクターを11年間務めたDior hommeがムッシュ ディオールについて多くのアーカイヴを持っていたのに対し、Berlutiはそうではないため、空白のページの前にいることに少し怖さを感じたという。逆にそれは、新しいスタイルと新しいシルエットを開発することが可能であるとも言える。

Diorはアトリエやサルトリアルのノウハウを起点にブラックスーツから全ての仕事が始まるとすれば、Berlutiは基本的にシューメーカーとしてのノウハウからであり、靴を起点としてボトムス、トップスといったようにLookの下から上に上がっていくと彼は説明する。
Berlutiの靴がつくられているイタリアのフェラーラにあるManifattura Berlutiに飛んだ彼は、ファクトリーはとても近代的であり、洗練されていたが、伝統的な手仕事がプロダクトの鍵となっていたと説明する。超近代的な機器とハンドクラフトの感性、そのコラボレーションがBerlutiのハイエンド・プロダクトを実現している。

ヴァンアッシュがファウンダーの子孫であるOlga Berlutiと話した際、Berlutiが描く男性像とは「ラグジュアリーな放浪者」(L'homme Berluti est un vagabond de luxe.)なのだと彼女が言ったことから、Berlutiとは自由についてであると彼は解釈する。
多くの人々がラグジュアリーメンズウェアは時間に限定されないタイムレスなものであり、よってニュートラルで代わり映えのしない型に嵌ったものであると考えているが、ヴァンアッシュはBerlutiがハイエンド・ラグジュアリーでありつつも、本当に目を惹くファッションであり得ると確信している。Berlutiの靴がストリートで街行く人の目を奪いたいと思った顧客を誘惑したように、ラグジュアリー(時間の制約を受けない型に嵌ったもの)とファッション(時間の制約を受けるが自由なもの)は相反するものではないとOlga Berlutiは話している。

Kris Van AsscheがDior hommeのアーティスティック・ディレクターに就いたとき30歳だった彼も現在は40歳を超える。
長年在籍したDiorという快適な空間から抜け出して、自分自身を危険にさらし、新しい挑戦を望んだという彼の選択。新天地での彼の進化と新しい感性に出会ったBerlutiがどのように変わっていくのか、今後に期待したいですね。

via vogue.com businessoffashion.com

Discover the First pieces of Berluti by Kris Van Assche

Kris Van AsscheによるBerluti 2019年春夏カプセルコレクションがオフィシャルサイトにアップされていますね。
個人的に目についたのはブランドタグで、写真のように縦長になっているようです。

素材感等は手に取ってみないと分かりませんが、全体的に価格帯はDior homme時代とあまり変わらない印象です。
スクリットを用いた上記のシャツはコットンではなく、シルクだったんですね。

Do you like Fashion Brand New Logos?

画像は、ブランドロゴの変更前(左)と変更後(右)をまとめたもの。
主にBrand Newのものを使用しています。Brand Newに無かったものは各ブランドの公式サイトから。

以前、HYPEBEASTで記事が書かれていましたが、こうして並べてみると各ブランドのロゴは確かに似てきていますね。これはファッションブランドに留まらず、最近のコーポレートアイデンティティは同じような方向性で変更を加える傾向にあるかなと思います。
ちなみに、こちらで指摘されているようにChristian Diorも最近では大文字で「DIOR」と表記する方向に変わってきています。

ブランドロゴが似てきている理由に関して前述のサイトでいくつか考察がされていますが、まずサンセリフ体+大文字にするというのは視認性の向上があります。セリフ等の余分な装飾を削除することによってロゴの単純さを上げ、大文字にしてフォントウェイト(太さ)をアップすることで視認性を上げることができます。カーニングもどちらかと言えば詰めることでコンパクトにし、これも視認性の向上に寄与していると考えられます。

視認性が上がるとロゴはより直感的になり、消費者の限られたアテンションの中で分かり易さとインパクトを強めることができ、注意を惹くことや記憶に残る可能性が上がるという利点があります。また、セリフ体とサンセリフ体に関して言えば、デジタル世代はサンセリフ体に相対的に慣れているということも一理あるかもしれません。

ロゴの上や下にサブタイトル的にPARISやLONDON、ROMAといった都市名を入れる傾向もありますが、これも地名との関連性によって消費者に記憶させる効果やデザインテイストを連想させる効果を狙ったものと言えるでしょう。これは都市イメージのハロー効果を期待したものと受け取ることもでき、あざとさを感じる場合もあるので注意が必要です。

単純化されたロゴは、拡大・縮小に対してスケーラブルであるため、デジタルを含む多くのメディアで綺麗に表示・印刷することができるということや他のデザインと合わせ易いという利点もあります。そして、TFLで書かれているように商標法の観点で言えば、単純化されたロゴは商標権の保護範囲を広げることができるという直接的な利益もあります。

そもそもブランドがロゴを変更する意図は、現代の美的価値に沿わせ、そのブランドのビジネスやアイデンティティをより表現することにより、他ブランドとの差別化やマーケットに対して新鮮さを齎すということが挙げられます。ブランドのクリエイティヴ・ディレクターが変更になった場合などにロゴに変更が加えられるのは、今後、このブランドに変革を齎すというステートメントになります。

Riccardo TisciによるBurberry、Raf SimonsによるCalvin Klein。更には、Courregesのロゴ(抽象的な図形を使ったものですが。)を手掛けたPeter Saville。Kris Van AsschによるBerlutiはM/M (Paris)によるもの。ドイツのデザインスタジオであるBureau BorscheはBalenciagaやRIMOWAのロゴを手掛けています。

著名なグラフィックデザイナーがロゴ変更を担当するのは、そのデザイナーのハロー効果を期待したものと言えるでしょう。ただし、同じデザイナーやデザインスタジオが複数のブランドのロゴを手掛けるとデザインが均質になり、差別化が難しくなる場合があります。

ロゴの均質化に関しては、グラフィックデザイナーに発注するブランド側の意識も大いに関係しており、自分たちのビジネスやアイデンティティを理解せずに競合や他ブランドと同じような系統のロゴデザインを発注したり、デザイナーに提示された複数のデザイン案の中から最近の流行りというだけで他ブランドと同じようなロゴを採用して安牌を切るといったことも問題点として挙げられるでしょうか。もちろん、データに基づいたトレンド予測と慎重なマーケティングによって、ロゴの均質化が結果的に起きているということも考えられますが。

かつてのブランドロゴは地位や名声、富の象徴として機能し、それを剽窃するブートレグによって偽物やパロディ商品が流通するという構図がありました。この構図は現在も基本的には続いていますが、最近の単純化されたブランドロゴはステータス性よりも親しみやすさを持っており、過去の厳粛なブランドロゴと意味合いが変わってきているのは確かです。最近のハイファッションでは、ブランドロゴをTシャツ等に大きく描いたロゴマニアやワナビー向けのトレンドがありますが、ブランドの敷居を下げるという意味ではブランドロゴ変更のトレンドとシンクロする部分があります。

大幅なロゴデザインの変更はブランドの歴史を断絶する効果もあり、一長一短があります。各ブランドは、ロゴ変更を行う際にそのロゴがブランドのヘリテージから引き出されたものであり、ブランドの歴史との関連性をエクスキューズとして付ける場合がありますが、それがどこまで意味を成すかは不明です。最近のハイファッションの世界はデザイナーも頻繁に変わるため、ブランドの歴史における連続性の希薄化は進行中です。

ブランドロゴが重要であることに疑義はありませんが、ブランドロゴよりも取り扱うプロダクトやその品質、クリエイションの先進性の方が重要でしょう。ファッションがそうであるように、あくまでもブランドロゴは中身が伴って初めて意味を成します。短期利益を重視し、マーケットへの一時的な新鮮さと引き換えに小手先でロゴを変更し、結果的に均質なロゴの中に埋もれるのだとすれば中長期的な利益を毀損している可能性があります。

ラグジュアリーとはトレンドを模倣することではない、という意見には同意です。ラグジュアリーとは時間を超越した永続的な価値観に関する何か、であったはずです。