This is Not here - *//LIKE TEARS IN RAIN

理知的な温度

プレーンでクリアなフォルムで表現された、純粋性の奥に仄かに見える影の温度がRaf SimonsがデザインするJil Sanderでしょうか。
南青山にある根津美術館の近くの路面店は、広々として落ち着いたとても良い雰囲気の空間ですね。

桜の季節

ぼんやりとした夢の中に響いた電話の着信音が僕を現実に連れ戻した。
三月も終わりに近づいた休日の昼下がり。
暖かい春の陽気と花粉症の薬、そして日々のストレスと疲れが僕に眠気を誘った。

この季節になると外の空気とは裏腹に少し憂鬱な気分に陥る。街には初々しいスーツ姿の若者、コンビニでは新人アルバイトの拙い接客、彼らに訪れようとしている新しい生活は、数年前の自分にもあったような気がする。そんな彼らの少し輝いて見える姿がなぜか羨ましく感じ、ノスタルジーのような不思議な感情が僕の心を包む。新しい世界への挑戦と経験、それに付随する期待と不安の中にある希望みたいなものが春の陽気と相まって、より一層この世界を眩しく感じさせる。そんな世界の中で自分だけが立ち止まり、周りに追い抜かれていっているような感覚。何かしなければという焦りばかりが募るが、雪のように積もった焦りを溶かしてくれる暖かい春の陽射しが僕に届くことはなかった。

夕方近くになってもずいぶんと外は明るかった。近くの公園で遊んでいる子供の声が僕にそれを教えてくれた。そういえば子供の頃、友だちと遊んで夕方近くに「さよなら」する気持ちも確かこんな気持ちだったような気がする。そんなことをなんとなく思い出した。自分にとっての「別れ」は彼にとっての「旅立ち」のようなものであり、どこか遠くの自分の知らない世界へ行ってしまうかのような不安とその距離感、残された孤独さと寂しさが小さく幼かった自分の気持ちをそうさせていたんだなと今更ながら思った。そんな子供の頃の気持ちは今の自分の心の中にもどこかにあって、ふとした瞬間に表れてはどうしようもない気分にさせてくれる。「大人になれば」と子供の頃はよく思ったが、自分の核になっている部分はいつまで経っても変わらないらしい。そんな心の弱さを引き摺った自分と上手く付き合いながらこの世界で生きていくのは辛いのだけれど、その弱さが人への優しさへ変えられることに気付いたのは社会に出て少し経ってからのことだった。

相変わらず薬の影響で頭はボーッとしていた。電話の呼び出し音が数回鳴ったところでこの音が現実の世界の音だと気付いた。電話に出ようと思い、手を掛けたところで彼は静かになってしまった。着信履歴を見ても非通知で誰からかはわからなかった。間違い電話でなければ、誰かが僕に伝えたかった言葉は何だったのだろうか。誰かが何かを伝えたがったことだけは確かなことだったが、でれなかった電話に不安と後悔を捧げてもどうしようもなかった。

気が付くともう外は暗くなり、公園で遊んでいた子供たちも「さよなら」したようだった。子供の頃、一緒に遊んだあいつらは今頃どこでどうしているのだろうか。時が過ぎるのは早いもので、何だかんだで十年近くも会っていない。感動の再会ってやつが僕らにもあるのだろうか。もちろんそんな柄じゃないことはわかっているのだけれど。

そういえば東京でも桜が咲いたらしい。
平年より六日早く、昨年より二日遅いとメディアが伝えていた。
満開になるのは一週間後。

毎年咲いては散っていく桜。東京で迎える何度目かの春。
今年もどこかで青い空を背景にぼんやりと眺めてみようかなと思っている。
そんな「さよなら」の季節。

UK-JAPAN 2008 / DOVER STREET MARKET ISETAN

伊勢丹に期間限定でオープンしたドーバーストリートマーケット。
欲しいアイテムは特に無かったので見るだけにしようかと思ったのですが、Guerrillazine No.5という雑誌が目に留まったので購入しました。1000部限定らしいですね。Webで検索してみるとシンガポールの雑誌で、空いている穴は銃弾によるものということがわかりました。ネットはこういう時便利ですね。内容はコム・デ・ギャルソン ゲリラストアのヴィジュアル・アーカイヴで、ほぼ全ページが過去のゲリラストアの写真になっています。ゲリラストアに歴史あり…といった感じです。

Let It Rain

My SpaceでDJ KAWASAKIプロデュースの藤井リナの曲が先行試聴できました。相変わらず良いトラックだと思います。どこか哀愁のあるメロディラインで美しいですね。彼のつくる曲はとても聴きやすいのですが、何度聴いても飽きにくいのが不思議です。

SONYA'S SHOPPING MANUAL

今日はとても気温が上がり、暖かい一日でしたね。眠っていた春物を出してお出掛けしました。そろそろコートなどの冬物はクリーニングに出してしまってもいい頃かな。
出掛けた先は代官山で、いつも通りVIA BUS STOP, Lift ecru /etage /positionを巡回。Lift etageではCAROL CHRISTIAN POELLを、Lift positionではMIHARA YASUHIROやRaf Simonsを見ました。その後、ARTS&SCIENCEに寄って服や雑貨などをチェック。ソニア パークの本があるのは知っていたのですが、ノートもあるんですね。コムデギャルソンやコルソコモのように中身は真っ白。個人的に罫線が無いノートは自由な感じがしてとても好きです。折角なので書籍と合わせて買ってみました。1 TO 101のみハードカバーがあったのでそちらを。ショッピングマニュアルは、見開きの左側のページにアイテムの写真、右側にはそれに関するお話という構成で1 TO 101と102 TO 201の二冊。NO.001のマルタン マルジェラ4のコートからNO.201のバドワのナチュラルミネラルウォーターまで、パラパラ見ていると買い物に行きたくてしょうがなくなります。。

Candy Second Volume

candycollective.comでCandy Second VolumeのIssue1と2が出てました。グラフィックやイラストレーションでいくつか気になったのがありましたが、一番気になったのは50mm.jpの写真。公式だとなぜか大きな写真が見れなかったりするので、flickrで見るといいと思います。ストリートの写真が良いですね。

Layered stole

Alexander McQueen & Dior homme

マックイーンとディオールオムのストール。
ディオールオムのこのデザインはクリスヴァンアッシュの雰囲気が出ていて面白いですね。
マックイーンのは大判でとてもボリュームがあります。

ARTS & SCIENCE

MEN'S NON-NO G

気になった情報はソニア パークのARTS & SCIENCEのメンズラインぐらいかな。以前からメンズはちょこちょこやっていたようですが。コルソコモにあったアイテムもこれ絡みかなと。アーツ&サイエンスは全体的にリラックスした雰囲気が素敵です。裸足が似合う世界観。

COMME des GARCONS

今日はとても天気が良かったですね。そろそろジャケットを出してもいいかなと思ったりする、そんな時期。温暖化なのかはわかりませんが、ジャケットを着れる期間ってだんだん短くなっているような気がしますが…。そんな訳で今週もいつもの如くストロールにお出掛けです。
伊勢丹ではパークウエストでメンズブランドセールをやっていたので覘きましたが、特に目ぼしい物は無かったですね。あったとしてもあの雰囲気では買う気には…。メンズ館ではラブレスにもあったガンダムのザクがありました。KAZUYUKI KUMAGAIではコレクションの1Bジャケ、ATTACHMENTでは2Bジャケ(LOOK BOOKの1ページ目)がありましたね。ATTACHMENTのジャケはセットアップで買われる人が多いとか。黒はサイズ欠けしてました。
キャットストリートのDistrictではUte Ploierが入ってました。そういえばキャットストリートではMcQのチアリーダーADが貼ってありましたね。確か先週ぐらいからだったと思いますが。それでUte Ploierですが、レザーっぽいシャツが入ってましてこれはとても薄いナイロンのブルゾンでした。ボタンもスナップボタンで、ウインドブレーカーのような感じの薄いシャツブルゾン。高温多湿の日本で着るとかなり蒸れそうな雰囲気でした…。ちなみにDistrictにはジャケなどは入らないとのことです。
他にもいろいろ見て回りしましたが、今日買ったのはコムデギャルソンの前期から入った新型の少し細身の白シャツです。前期との変更点は前のボタンの両脇にステッチが入ったぐらいでしょうか。ちなみに新型シャツには半袖シャツもあって、半袖の袖丈が少し短めなつくりでボタンダウンになっています。黒の半袖があったら欲しかったのですが、存在しないとのこと。ブルーやパステル調のシャツは半袖もありました。半袖シャツと言えばジルサンダーとラフシモンズのシャツが気になっていて、たぶんどちらか(もしくは両方)はそのうち買おうかなと思っています。

GARDEN / MAKAI

青山テルマのGarden of Loveはもちろんですが、#4のLove So Bright feat. Ryoheiと#5のBreakout feat. Mary -Original Mix-が良いと思いました。アルバムの前半が良いですね。後半は過去の曲のリミックスになっているので。
MiMの2枚目も4月9日に「Lovers」というタイトルで出るようです。こちらも楽しみ。

music life

NOMAKのRemixesが4月2日に出るようですね。DJ Deckstreamのリミックスなどを収録。
DJ KAWASAKIのLUIRE presents DJ KAWASAKI X Papa Recordsは、一曲目のYou Can Make It (Kyoto Jazz Massive Cosmic House Mix)が良い感じです。その他も聴きやすいかな。theory X DJ KAWASAKIも気になる。藤井リナの件も。そういえば、MAKAIの3rd ALBUM/GARDENが3月5日にリリースされますね。
今月から来月に掛けてはこの辺をチェックかな。

セレクトショップの存在証明

Arguments for the Existence of Select shop.

ぼんやりと感じていたのだけれど、商品だけをチェックするお店と実際に商品を買うお店って微妙に違うかなと。品揃えは良いのだけれどどうも買う気になれないショップは結構あったりして、そういうお店では商品だけをチェックして直営に行ったりする。直営が無いときは違うセレクトショップで買ったり。価格が微妙に違ったりするのだけれど、それはそのお店の雰囲気や店員さんの接客などへのサービス料だと個人的に思っていたりするのであまり気にならないかな(限度がありますが…)。自分の年齢が問題なのだと思うけれど、店員や客層が子供っぽく見えてしまうともうダメですね。ここに自分の居場所は無いなと感じる。ちなみに「子供っぽく」というのは肉体的な部分のみでなく精神的な部分も多いです。あと、ハイブランドを取り扱っているから接客が適当というか高圧的(無愛想?)だったりするのもアウトかな。これについては店員さんにもよるのだと思いますし、自分が醸し出している雰囲気にも問題があるのだと反省しますが。でも、そういうブランドのアイテムをほんの少しだけ取り入れると意外にコーディネートが面白くなったりするのが難しいところですね。買いたいけれど、買い辛い…みたいな。

そうやって考えていくと伊勢丹ってその辺のバランスがとても良いですよね、というベタな結論に落ち着きます。商品の取り扱いも豊富で便利ですし、接客も問題ある人に会ったことが無いですし(当たり前と言えば、当たり前ですが)。クリエイティブとビジネスのバランスがとても上手いかなと。代官山のリフトや南青山のコルソ、レクレルール辺りのエッジの効いた雰囲気はとても好きですが、いずれも小規模であるが故に自由度が高いのかなと。
他業界の会社で言えば小規模ベンチャーと大企業みたいな構図ですが、どうなのでしょうか。伊勢丹は大企業になりますが、面白いセレクトしていると思いますし、上で挙げた小規模セレクトショップが伊勢丹には無い特別素晴らしいセレクトをしているかと言えば、そうである部分とそうでない部分があるかなと。セレクトショップ同士を比較した場合でも取り扱いブランドの差があるし、ユーザーはそれらを上手く使って自分の欲求を相補的に補完し、満足させているのが現状かなと思います。というか、自分がそうなのですが。でも一方でセレクトショップのコモディティ化は確実に進んでいるような気もします(これはブランド自体にも言えそうですが)。
それで話を戻すと、伊勢丹に行けばだいたい用が済んでしまう部分があってそれが伊勢丹の強みなんですよね。書店で言えば青山ブックセンターが好きで個人的によく行くのですが、そんな感じでしょうか。本の場合はネットで買っても全然問題無いのですけれど。

その存在証明は何によって成されるのか。情報の伝達速度はインターネットでとても早くなりましたし、お店とお客さんの情報の非対称性は解消される方向で進んでいます。ショップにユーザーが求める主な情報は、コレクションアイテムの実際の質感などの情報、既存ブランドの期中の商品の情報、全く新しいブランドの情報、になるでしょうか。実際の質感やサイズなどは現状のインターネットでは超えられない壁ですね。他の情報をまとめると新しい驚きの提供、ユーザーエクスペリエンスってことになるのでしょうか。そう考えるとショップに行くのはディズニーランドに行くのに近いのかな。その雰囲気や空間も楽しむ、という。

伊勢丹もセレクトショップもネットの世界で例えれば、まとめサイトやニュースクリップサイト、というかポータルサイトでしょうか。大手ポータルや大企業サイトで面白いことやっているサイトもあると言えばありますね、たぶん。
小さな個人サイトの存在証明、小さな書店の存在証明、セレクトショップの存在証明…それらはオーナーのただの自己満足で終わるかかどうかはユーザーに理解され、足を運ぶのが楽しいという無意識的な意識の下で利用されるかどうか次第でしょうか。そこで初めてレーゾンデートルができるのかなと。生物が介在するものは何においてもそうだと思いますが、きっとそれは対話とコミュニケーションから始まると思いました。服でも映画でも小説でも何にもで言えると思いますが、すべては世界との対話なんですよね。あまりにも使い古された結論ですが、これらはビジネス(とクリエイション)をする上での前提の話であって、あとはそれをどう実現するのかという話になると思います。そのために、様々な人たちが様々な業界で日夜努力している訳なんですが。

って、当初考えていたゴールとは全然違う結論に着地してしまった…。書き溢している思索の断片もあるので、また暇なときにでも。だいたいあれこれ考えながら書き始めると、全然違う方向に話が行ってしまうのが常なのですが。数値などの客観的なデータを使って精緻に文章を組み立てているわけではなく、経験論に頼って場当たり的に文章を書いているのが原因ですね…。趣味で書いているだけなので、それでもいいか…な。。