This is Not here - *//LIKE TEARS IN RAIN

Versace 11-12AW Collection

Frederic SanchezによるサウンドトラックはPrinceのオリジナルトラックをセットして行われた、Donatella VersaceによるVersace 11-12AW Collection。オフィシャルサイトのショー映像はBGMが差し換わってしまっているのですが、オリジナルはYouTubeで見ることができますね。トラックのクオリティがとても高いので、未見の方はこちらも是非。

ピュアなヴェルサーチ・モーメントと素晴らしいサウンドトラックが欲しかったというドナテラの発言にもあったように、コレクションはブランドのハウス・シグネチャであるバロック・パターンをフィーチャー。ミリタリー・インフルエンスとしてのダブルのコートにジャケット、多用されるゴールドのメデューサ・ボタン、ボディコンシャスなLBDと螺旋を描くスネーク、グラディエーターへの頷きとしてのレザー・プリーツスカートと足元を飾るブーサン、ワンショルダードレスにはメデューサ・モチーフのパーティーバッグを組み合わせ、ランウェイ終盤にはヴェルサーチらしくオーストリッチのフェザー・トレインによってデコレートされたストラップレス・ドレスが登場。

今回はディスコ調な感じではなく、規律性が感じられるコレクションでの展開で、ヴェルサーチ特有の大胆さは少し抑え目でしたが、これはこれでヴェルサーチらしさは失われていなかったと思います。ランウェイショーに関しては、Donatella Versaceの24歳の娘であるAllegra Versaceのスタイル・アシスタントとしてのデビューの意味もあったようですね。

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Prada 11-12AW Collection

「少女を女性のように見えさせることではなく、自分の純真さを再発見する女性」をテーマとして行われたMiuccia PradaによるPrada 11-12AW Collection。60年代からキューを取ったコレクションは、クレージュやサンローランのモンドリアン・ルックのようなレトロな雰囲気もありましたね。

飛行士のゴーグルのようなアイウェアを掛けたLookからスタートしたランウェイショーは、プレイド柄のチェックがスクール・ガーリッシュな空気を運び、カートゥーン・エフェクトによって単純化されたボタンや襟、ベルトがマカロンのようなスウィートな甘さを表現。パイソンやスパンコール、ファーといったグラマラスでセクシーなマテリアルを、よりイノセントでフレッシュにしたかったというミウッチャの発言にもあったように、それらは膝上丈のコンパクトなLookの中でいつもより優しい表情をしていました。

ドロップウエストの愛らしいシルエットと遊び心のあるトロンプルイユとしてのメリージェーン・ブーツ、服のボタンやベルトと対にされたバッグの持ち方はテディベアを抱える少女のような面影を感じさせつつもLadyのように上品に。ランウェイ後半のフィッシュ・スケールのドレスはコレクションに鮮麗さを与え、パウダーブルーなどの淡い色によって描かれたセミトランスパレントのオーガンザによるシャツドレスは女性の澄んだ穏やかな心を表現しているようでもありましたね。

少女が成長し、女性になった後、再び発見される自分の過去の記憶の中にあったイノセンスな気持ちを、ミウッチャらしく、ユーモアとファニーさを織り交ぜてチャーミングに表現したコレクションは、言葉をどれだけ積み上げても届かない素晴らしさのあるコレクションだったかなと思います。

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Gucci 11-12AW Collection

予定調和でも退屈でもなく、シネマチックでミステリアスな魅力を40年代のスタイルと70年代のエネルギーによって描きたかったというFrida GianniniによるGucci 11-12AW Collection。インスピレーションソースは、Bob RichardsonによるAnjelica Hustonの写真とFlorence and the MachineのFlorence Welchから。

カラーパレットにはエメラルドグリーンやパープル、ワインレッドにオーカーといったミステリアスな色をセット。フレア・トラウザーを用いたマスキュリン・テーラリング、リボンタイやスカーフ、ブライトカラーのファー・ボレロ、アクセントの効いたマイクロベルト、スネークスキンにパテントレザー、そして、存在感のあるサングラスにフェドーラ・ハットなど、70年代インフルエンスによって駆動されたコレクションはミステリアスでありつつも誘惑的な感じがありましたね。イヴニングで登場したハンドメイドのシルク・フラワーを飾ったシフォンのガウンはテンプテーショナルな雰囲気もあったかなと思います。
センシュアルでラグジュリアスなPat McGrathによるメイクアップ、マスキュリンな空気感とセクシーさを併せ持つ、Luigi Murenoによる羽の付いたポニーテールもLookによく似合っていましたね。

新しさに関する言及がほとんどありませんでしたが、コレクションの方向性としては個人的に好きな感じでした。上品さよりもある種の無機的な完成度と官能性が優先されるのはフリーダらしかったかなと思います。

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Burberry Prorsum 11-12AW Collection

60年代にDavid Baileyが撮影したJean ShrimptonのBurberry AD Campaignと英国の天気によって影響を受けた、Christopher BaileyによるBurberry Prorsum 11-12AW Collection。今回はケンジントン公園に巨大なカスタムメイドのテントを設営しての開催。ピカデリーサーカスでもライヴストリーミングが行われていたようですね。

メンズと同じ方向性でのコレクションは、オレンジ、レッド、ターコイズブルーといった彩度のあるカラーとオリーブやブラウンといったシックな色を用いての展開で、ランウェイ後半ではピュアホワイトをフィーチャー。コート・ドレッシングにフォーカスし、Barbara Hepworthの彫刻からインスパイアされた立体感のあるフェミニンなコートやBurberryらしく仄かにミリタリー・アクセントのあるコートなどが登場していました。バッグはそれらのアウターウェアと対になっており、ボトムに関してはタイト・フィットでフレアになっているLookもいくつかありましたね。

コートはクロップドやペプラム、プードルのようにファーがあしらわれていたり、ケーブルニットやチェック・パターンが使われていたりと多くの表情がありましたが、そのすべては膝上丈。過去のコレクションを見るとわかりますが、Christopher Baileyは基本的に膝下丈のロングコートをほとんど使わないのですよね。
09-10AWの頃の彼のクリエイションは装飾性よりもそこに流れる空気感によってコレクションをドライヴしていたのですが、現在は、シルエット、マテリアル、パターン、ディティールのギミック(ウエストベルト、エポーレット、ジッパー、スタッズ、など)によってコレクションを組み立てているので、丈のコンパクトさはそれらを相殺している印象もあるかなと思います。

雪の降る演出によってフィナーレを迎えた、コートの可能性への探求とその境界線を押し広げていくという彼のクリエイションはブランドの歴史と正統性によって担保されており、今後の行き先も含めて興味深い試みであることは間違いないですね。

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Christopher Kane 11-12AW Collection

シックでグラニーなクロッシェのLookでスタートしたChristopher Kane 11-12AW Collection。
ランウェイ前半はトラディッショナルなクロッシェをカシミアを用いてモダンに表現し、その後は今回のコレクションにおいて特徴的だったラバ・ランプのような植物油とグリセリンの入ったウェービーな波形パターンをフィーチャーしていましたね。Christopher Kaneの姉でパートナーのTammy Kaneによるとこれは、「今まで使われたことの無いテキスタイルを見つけよう」という発想から生まれたものとのこと。Christopher Kaneは、プラスチック製のペンケースやアイスキャンディーについて考えていたようです。

プレーンなブラックのシフトドレスに着色された液体入りのPVCを組み合わせ、マーメイドのようなフェミニンさを表現。ファブリックとリキッドが描くグラデーションはLookとして上手く融和していたかなと思います。PVCのクラッチバッグも液体入りになっていたのは個人的に好きな感じでしたね。
ランウェイ後半のトランスパレントなスパンコールのLookは炭酸水から着想を得ていたようですが、アイデアとしては春夏コレクション向けだったかなと思います。

あまり装飾的ではなく、シンプルな方向性のクリエイションだったのは彼がデコレイティブなものに飽きているからだったとのこと。コレクションは全体的にミウッチャっぽさも感じましたが、完成度は高く、安定感のあるクリエイションでしたね。

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Charles Anastase 11-12AW Collection

London Fashion Weekは、Charles Anastase 11-12AW Collectionから。
"Princess Coat Story"と彼が表現したように、アウターウェアはプリンセス・コートをフィーチャーしていましたね。Aラインを描くコートにフリル襟のシャツ。黒い馬のプリントにゴールドのクローバー。ピーターパン・カラーのジャンプスーツにランジェリー要素としてのベビードール・ドレスなど。パリジャン・シックをロリータ・ミューズとミックスし、メルヘンチックでイノセンスな少女性を描くというCharles Anastaseらしいコレクションでの展開。プラットフォーム・シューズはいつものようにかなり高く、その非現実感は少女が想像し、憧れの対象としての大人の世界の靴といった趣きがありますね。少し背伸びをして履いている感じも雰囲気にマッチしていたかなと思います。

少しダークさを含んだランウェイショーは、お伽噺の持つある種の陰鬱さを漂わせ、オフィーリオ・ヘアのモデルの控えめな表情は幼児性が孕む純粋であるが故の危険な無邪気さを表現。少女期における女性特有の不安定で繊細な心の動きとファンタジーへの憧憬をランウェイというキャンバスの上に彼らしく描いたコレクションだったかなと思います。

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Ralph Lauren 11-12AW Collection

Ralph Lauren 11-12AW Collectionは中国からインスピレーションを受けたもの。サウンドトラックにはDavid Bowieの"China Girl"や坂本龍一の"Merry Christmas Mr.Lawrence"などのカバーが使用されたようです。
いつものように古き良きアメリカやウエスタンではなく、今回のコレクションが中国からインスパイアされているのは、多くのラグジュアリー・ブランドが熱い視線を注いでいる中国(のマーケット)を意識したからのようですね。Ralph Laurenによれば、"China is such an immense phenomena. We talk about it every day. So I felt as a designer it was something I had to address,"とのこと。

少し中国について書きますが、日本が衰退フェーズであるのに対して中国は勢いがあるなと個人的に感じるのは経済のみではなく、tFSなどで雑誌のエディトリアルがアップされている時も感じることですね。著名なフォトグラファーを起用してクオリティの高い誌面が展開されていたり、(政治的な理由もあるのかもしれませんが)モデルにもアジアン・モデルを起用してアジア人の美しさを探求しているのは良いねと感じます。
このまま経済成長が進めば中国を拠点にした世界的なブランドやデザイナーも遅かれ早かれ出てくるかなと思うのですが、どうなのでしょうかね。日本のように消費だけに明け暮れているとそういったブランドもデザイナーも出てこないですし、また、社会におけるファッションというものの立ち位置によっても大きく左右されるので、何とも言えない部分ではありますけれど。

前身頃が着物のようになったホワイトシャツにトラウザーのLookでスタートしたRalph Laurenの11-12年秋冬コレクションは、マスキュリンなテーラリングを中心とし、艶のあるハイ-グロス・ファブリックとカラーパレットのメインにブラックを据えての展開。ピンストライプにベルベット、ツイード素材を用いたシックなスーツやカクテルドレス、シャーリングラペル・コートなどが登場していましたね。

チャイニーズ・インスピレーションとしては、翡翠のイヤリングやコーラル・ジュエリー、ラウンド型のアイウェア、そして、イヴニングに登場したチョンサンドレスやコートにあしらわれていたドラゴンの刺繍など。シノワズリーな雰囲気をオリエンタリズムの神秘性としてトランスレートし、そしてそれをスパイス的に用いることで、香水のように仄かに漂わせるさり気無さが誘惑的な美しさを描く女性像に与えていましたね。

デューイー・スキンにわずかに赤みを帯びた頬とドラマチックなリップが特徴的なTom Pecheuxによるモデルのメイクアップも雰囲気に合っていて良かったかなと思います。彼によると映画"The Last Emperor"を意識したものなんだとか。

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Marc Jacobs 11-12AW Collection

Marilyn Mansonの"The Beautiful People"をBGMにセットして行われた、Marc Jacobs 11-12AW Collection。
ルーズでもカジュアルでもなく、ストリクトな雰囲気に包まれた今回のコレクションは、パレットにシックなカラーを用い、ポルカドット・パターンを全面的にフィーチャー。スリムなボディにペプラム・ジャケットやペンシル・スカートをフィットさせ、アワーグラス・シルエットによってスマートな大人の女性を描いていましたね。

House of Harlotとのコラボレーションによるラテックスの質感やハード・エッヂでBalenciagaのように立体感のあるLookに関しては、少しフューチャリスティックな空気をランウェイに与え、インナーに着たシャツのラウンドカラーや少しファニーでキュートなミニ・ベレー帽などはPRADAっぽさが出ていたかなと思います。

NYTimesの記事でRobert Duffyが話していますが、今回のショーはランウェイにビニール素材のベッド・パッドの支柱を建てて行われていましたね。元々はラバーを使用したかったようですが、可燃性のためビニール素材のものになったとのこと。

ランウェイショーのプロデュースはJulie Mannionによるもので、サウンドトラックはFrederic Sanchezが担当。メイクアップ・アーティストはFrancois Nars、ヘアスタイルはGuido Palau、Marc Jacobsと共に働くヘッドデザイナーのJoseph Carterや長年スタイリストを務めるVenetia Scott。ハット・デザインはStephen Jonesによるもので、マニキュアリストはElisa Ferri。

63のLookが登場したランウェイショーは多くの才能によって支えられており、Robert Duffyによると100万ドル掛かっているとのことなので、そういった視点でショーを見てみるとまた違った印象を受けるコレクションかなと思いましたね。

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Alexander Wang 11-12AW Collection

脈打つ光の正方形をランウェイとして行われたAlexander Wang 11-12AW Collectionは、エクストリーム・スポーツウェアから影響を受けての展開。フォーカシング・ポイントは、ハイブリッドされたアウターウェア。

春夏コレクションとは打って変わり、カラーパレットのメインにブラックを据えていましたね。ボマージャケットにポンチョ、テーラリング・ジャケットにファーコート、セーターにドレス、といったように異なったクロージングとマテリアルをハイブリッドさせ、ドロップショルダー気味のパフ・シルエットを多用。その意図されたルージーな気分は、アウターウェアとしての保温性や温かさの表現として上手く転化されていたかなと思います。ボトムに関しては、シルクによるボクシングショーツ、ジッパーの付いたトラックパンツなどがスポーツウェアへの言及を見せていましたね。その他については、耳当てのようなミンク付きのサングラス、タイトシルエットのルレックス・パンツなど、足元に関してはミュールの後ろにフラップが付いていたのが面白かったかなと思います。

イヴニングではバイアスカットを巧く使ったハイブリッド・ドレスが登場していましたが、テープのようにサテンのファブリックが靡いていたのは「ほどかれたカマーバンド」というアイデアなんだとか。コンセプチュアルでありつつも、Lookとしてもキチンと落とし込まれていた感じでしょうか。

今回は製造に関してイタリアのファクトリーを使用していることがいくつかのレビューで触れられていましたが、先日のGQメンズウェア・新人デザイナー賞の件や、2月17日にSOHOに旗艦店をオープンさせることなど、とても順調にキャリアを重ねて行っていますね。コレクションに関しては個人的に「濃さ」よりも「器用さ」が先行するタイプのデザイナーな印象ですが、引き続き、今後の変化にも期待して注目される作り手であることは確かかなと思います。

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Style.com interview with Carine Roitfeld

Style.comのThe Future of Fashionシリーズの第7弾はCarine Roitfeldへのインタビュー。
このタイミングで彼女へのインタビュー記事をアップできるDirk Standenは流石ですね。

かなりの長文なので気になった部分を簡単にメモ的にピックアップしておくと、

・Olivier ZahmとAlex Wiederinと共に彼女のバイオグラフィーに関する本を製作中(9月か、10月頃にRizzoliから出版予定)。
・Tom Fordともう一度働く予定は特になし。
・インターネットによってすべての速度が増しており、速いインターネットか、コレクターズアイテムとしての雑誌か、の2つの選択肢となっている。
・ランウェイショーをムービーによって代替することは不可能であり、ランウェイショーに行ってそこに流れる音楽や空気、人々が好むもの、好まざるものを感じることは刺激的。でも、今後、ファッションストーリーを語る別の方法があるでしょう。
・現在、雑誌の製作において広告主の力はあまりに強力。でも、広告主と話をするのではなく、私には読者と対話をするという考えが常にあったので、それが多くの読者に支持された理由でしょう。
・Tom Ford issueによって解雇されたという噂は事実ではない。
・Emmanuelle Altと良い関係に無いのは事実。
・未来はインターネットにあるので、私がインターネット上で機能することは非常に難しいが、その方法を見つけることはとても重要。
・彼女のLast issueとなる3月号のカバーを飾るのは、Saskia de Brauw。
・Balenciaga問題に関してNicolas Ghesquiereとお茶をして、現在は関係を修復。他のブランドの顧問をしていたという噂に関しては、そんな時間は無かったのでそれは不可能なこと。

他の話題もいくつかありますが、とりあえずこんな感じで。詳細については原文をご参照頂ければと思います。

個人的にはインターネットを支持する発言をしているのが結構気になりました。Carine RoitfeldはBlogとか始めればいいのに、って思っていたのでこの話が読めたのは面白かったですね。
Franca Sozzaniが少し前にBlogでBloggerを支持するかどうかを留保する、という話をポストしていたのですが、そう考えると彼女がインターネットを支持する理由はもう雑誌側の人間ではなくなってしまったからなのかな?と思わなくもないですが・・。雑誌か、インターネットか、みたいな二元論はナンセンスなので好きではない考え方ですけれど。
"Fashion"が本当に好きであるならば、立場はどうであれ、"Fashion"に携わるもの皆が"Fashion"のことを本当に考えて行動すれば、"Fashion"はもっと素敵なものになるよね、って思うので、そういう気持ちを大切にできれば良いのかなと思います。

あと、Emmanuelle Altの件は理由が気になりますね。それについては話したく無い、とのことですけれど。

Jason Wu 11-12AW Collection

ウィメンズの11-12年秋冬コレクションが始まっていますね。
まずはNew York Fashion Weekということで、Jason Wu 11-12AW Collectionから。

フォトグラファーのRobert Polidoriが撮影したベルサイユ宮殿の修繕写真から着想を得た今回のコレクションのテーマは、"Baroque meets Sportswear"。コレクションでは、レースや刺繍、クリスタルやメタル素材のビーズなどを用いてバロック・パターンをフィーチャーしていましたね。LATimesのAll the Rageのレビューでも書かれているように、ヒストリカルなマテリアルであるレースに新鮮さを与えること、新しく見えさせること、というのは難しい挑戦でもあります。tFSでも、Valentinoっぽいとコメントされていましたが。

フランネル素材のコートにクロップド・ジャケット、ビクトリアン・カラーのレースシャツ、スポーツウェアへの頷きとなるドローストリング・パーカー、スマートなシルエットのニースカートやシガレット・パンツなど、ヨーロピアン・エレガンスにニューヨークらしいミニマルな空気を含んだ上品でウェアラブルなコレクション。ランウェイのカラーパレットは差し色として用いられていたホワイトが印象的で、ヘアスタイルやハイヒールのピンなどではゴールドも使われていました。サングラスとクラッチバッグもパズルのピースのようにLookに適切に納まっていたかなと思います。

ヘアスタイリストのOdile GilbertによるAvedaを用いたヘアスタイルは、ツイストされたポニーテールと後頭部に塗られたゴールドの顔料がアクセント。「とてもリッチで華やかな目をクリエイトすることにフォーカスした」というMAC Cosmeticsを用いたDiane Kendalによるメイクアップは、ブルーとブラックのアイシャドーのレイヤリングが特徴的。CNDのJan Arnoldによるネイルは、Dark Rubyのマニキュアがシックな演出をしていましたね。

2年前にMichelle Obamaがドレスを着て衆目の的となり、その後も着実にクリエイションを重ねて来たJason Wu。「ニューヨークにFlagship Storeをオープンすることが次のステップ」という発言が彼からあったようなので、今後も彼の動向には注目、といったところでしょうか。

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"Girls on Film" French Vogue Promotion Movie 2010

Duran Duranの"Girls On Film"をBGMにセットして送る、Inez van Lamsweerde and Vinoodh MatadinによるFrench Vogueの2010年のプロモーション・ムービー。映像は、3分半ぐらいあります。フィーチャーされているモデルは、Natasha Poly、Anja Rubik、Isabeli Fontana。

スタイリングはEmmanuelle Altによるものなので、初っ端からBALMAINが登場。レザーなどのスタイリングもかなりカッコいいですね。

映像自体も音楽とシンクロしていてクオリティがかなり高いので、今すぐ是非。

Ethan James - Ford Models

YVY Magでポストされていた写真が気になったので。
写真は、Michael EppsのFlickrから。

Ethan JamesはDior hommeの11SSや11-12AWのランウェイでフィーチャーされていたモデルですね。
11SSでは1st Lookを務めたり、11-12AWではCloserだったり。
tFSの彼のスレッドを見ると写真によっては少年のように見えたりする時がありますが、大人っぽい表情をしている写真の方が良いかなと思います。髪も短髪ではなく、今ぐらいの長さの方が良いですね。

Ford Models Blogに彼のインタビュー・ムービーがアップされていたので、気になる人はこちらも是非。

Dior, Dior, Dior...

Le Figaro Madameのサイトに今シーズンのDior hommeをスタイリングに用いたフォトがアップされていたのでご紹介。
今シーズンのDior hommeに関しては、コレクションで使われていたジャケットやインナーのウール・シャツなどを自分は購入したので、暖かくなったら着ようかなといった感じですね。他にも欲しいものはいくつかあったりしますが。

BARNEYS NEW YORKなどはまだセールをやっていたりするのですが、伊勢丹メンズ館ではいろいろなブランドが立ち上がっていますね。イセメンで個人的に気になったのは2FでHaider Ackermannの取り扱いがあったこと。取り扱いがあるなんて全然知らなかったのですが、服の存在感の違いにはすぐに気が付きました。

こちらも同じくLe Figaro Madameから。Christian Diorのオートクチュール・コレクションのバックステージやアトリエの写真がアップされていますね。

It's official Kate Moss is new face of Dior beauty!
Jamie Hinceとの件が噂になっているKate Mossですが、Dior AddictのCampaignでフィーチャーされるようですね。
ティザー・ムービーも紹介されていたので、こちらも是非。

Christian Dior Aqua Fahrenheit
Fahrenheitの新作フレグランス、"Aqua Fahrenheit"。調香師は、Francois Demachy。
英語での解説はこちらにあったので、ご参考まで。
そういえば、2009年に登場したFahrenheit Absoluteって国内では見たこと無い感じがしますね。

Michelle Obama's McQueen Dress... Tom Ford for Interview Magazine...

About That McQueen Dress
Michelle Obamaが中国の胡錦濤国家主席とのステート・ディナーで着用したAlexander McQueenのドレスについて。このCathy Horynによるアーティクルにはコメントが100以上書き込まれていますね。

米国のブランドではないAlexander McQueenのドレスを着たことについて、Oscar de la Rentaが「私のブランドか他のデザイナーのブランドかに限らず、米国のファースト・レディーは米国のブランドを着て米国のファッションをサポートしなければならない。」といった主旨の発言をしたことが書かれていますが、FLOTUSの前任者であるLaura Bushが彼に服を依頼したのに対してMichelle Obamaは彼に服を依頼しなかったことから、彼のこのコメントは負け惜しみとも捉えられている様子。しかし、Cathy Horynによると、Oscar de la Rentaはビジネスの拠点をGarment Districtに置き、地元の工場を用いることで彼はその繁栄に貢献しているのでこのコメントには一理あるのでは?とのこと。
一方、CFDAのプレジデントを務めるDiane Von Furstenbergが今回の件について同じくネガティブなコメントをした件については、彼女を含むCFDAのメンバーの多くのブランドが米国外で彼らの服のかなりの部分を製造しているのでは?とのご指摘。

最後は、(いろいろとファッションばかりが取り沙汰されるMichelle Obamaですが)彼女にはファッション以外の、偉大なファースト・レディーとしての振る舞いによって有名になって欲しい、といったことを書いていますが、これについては確かにそうだよね、といったところでしょうか。


Tom Ford - Interview Magazine
Interview Magazineのカバー・ストーリーから、Tom Fordへのインタビューの抜粋記事。
彼がテキサスで過ごした幼児期に感じた美しさの最初の記憶は祖母だったという話や、多くの人々が同性愛をセックスと同等視するので、映画「A Single Man」はセックスについてではなく、愛についてだったという話などがされていますね。

クリエイションに関するトピックスで面白かったのは、ファッションにおいて女性のイメージを創るとき、そこには性的な視座がありますか?という問いに対して彼が、女性または男性を美しくすることは私のビジネスであり、その際、彼らを客観化するのでそういった考えは無い、といった主旨の話をしている部分。私は造形の美しさを追求するという方法で美しい女性に欲情をする、と。そして、私の欲望はあらゆる点で美しさに対する私の渇望と同じである、とのこと。

一般の男性はそのプロセスにおいて女性への性的欲求と混同してしまうので、ゲイの方がより良いデザイナーになると私は思う、というのは彼らしい理論ですね。創作過程において自分の制作物の客観化と相対化ができないと良いモノはつくれない、というのは個人的にとても同意できる話ではあります。