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Ralph Lauren 11-12AW Collection

Ralph Lauren 11-12AW Collectionは中国からインスピレーションを受けたもの。サウンドトラックにはDavid Bowieの"China Girl"や坂本龍一の"Merry Christmas Mr.Lawrence"などのカバーが使用されたようです。
いつものように古き良きアメリカやウエスタンではなく、今回のコレクションが中国からインスパイアされているのは、多くのラグジュアリー・ブランドが熱い視線を注いでいる中国(のマーケット)を意識したからのようですね。Ralph Laurenによれば、"China is such an immense phenomena. We talk about it every day. So I felt as a designer it was something I had to address,"とのこと。

少し中国について書きますが、日本が衰退フェーズであるのに対して中国は勢いがあるなと個人的に感じるのは経済のみではなく、tFSなどで雑誌のエディトリアルがアップされている時も感じることですね。著名なフォトグラファーを起用してクオリティの高い誌面が展開されていたり、(政治的な理由もあるのかもしれませんが)モデルにもアジアン・モデルを起用してアジア人の美しさを探求しているのは良いねと感じます。
このまま経済成長が進めば中国を拠点にした世界的なブランドやデザイナーも遅かれ早かれ出てくるかなと思うのですが、どうなのでしょうかね。日本のように消費だけに明け暮れているとそういったブランドもデザイナーも出てこないですし、また、社会におけるファッションというものの立ち位置によっても大きく左右されるので、何とも言えない部分ではありますけれど。

前身頃が着物のようになったホワイトシャツにトラウザーのLookでスタートしたRalph Laurenの11-12年秋冬コレクションは、マスキュリンなテーラリングを中心とし、艶のあるハイ-グロス・ファブリックとカラーパレットのメインにブラックを据えての展開。ピンストライプにベルベット、ツイード素材を用いたシックなスーツやカクテルドレス、シャーリングラペル・コートなどが登場していましたね。

チャイニーズ・インスピレーションとしては、翡翠のイヤリングやコーラル・ジュエリー、ラウンド型のアイウェア、そして、イヴニングに登場したチョンサンドレスやコートにあしらわれていたドラゴンの刺繍など。シノワズリーな雰囲気をオリエンタリズムの神秘性としてトランスレートし、そしてそれをスパイス的に用いることで、香水のように仄かに漂わせるさり気無さが誘惑的な美しさを描く女性像に与えていましたね。

デューイー・スキンにわずかに赤みを帯びた頬とドラマチックなリップが特徴的なTom Pecheuxによるモデルのメイクアップも雰囲気に合っていて良かったかなと思います。彼によると映画"The Last Emperor"を意識したものなんだとか。

via style.com wwd.com vogue.com nytimes.com fashionwiredaily.com tFS

posted by PFM