20131130 2256
John GallianoとChristian Dior Couture SA、John Galliano SAの裁判についてのWWDの記事 ですが、ガリアーノとBernard Arnaultらの過去のメールのやり取りが明らかにされていて面白いですね。
2006年9月5日のメールにおいてアルノーはキャットウォーク・ショーのコストがあまりに高く、「洗練とリファインメント」を超えて「奇抜さと浪費」を選ぶことでDiorのイメージを低下させたとしてガリアーノを非難したとのこと。また、2006年9月18日のメールでは、質の悪いファブリックを使ったガリアーノを叱責したとも書かれていますね。ビジネスマンがデザイナーにクオリティを求めるというのも面白い構図かなと。世間一般の経営者はコスト削減しか言わないのが普通だったりしますしね。
2009年4月29日のSidney Toledanoのメールによれば、ジャーナリストがガリアーノと接する機会が少ないことについて不満を言っているということで、毎週、ガリアーノにプレス・メンバーとのミーティングを行う準備をするように頼んでいたようです。トレダノ曰く、「これはDiorのイメージと我々のChanelのような競争相手(Chanelはジャーナリストたちと接することに非常にアクティブ。)に対抗するために非常に重要なことです。」とのこと。以前からなんとなく多くの人が感じていたと思いますが、DiorがChanelを明確にライバル視しているというのが判明したのは面白いかなと思います。
20131126 0132
Dior hommeの2014年スプリングコレクションのデリバリーが開始されていますね。Jackson Pollockからインスパイアされたブラシのストロークをあしらったジャケットやシャツ、コート等が入荷しています。
日本の着物をモチーフにした変形襟のニットやTシャツ(11SSの"Lessness"を彷彿とさせます)、オーバーサイズのブルーのレザー・コート(フランス製でプライスは100万弱)、ノースリーブのジッパーニット、デニムに関しては3型入荷しており、グレーが2型とブルーが1型での展開(グレーのデニムは良い感じでした)。シューズに関してはまだ未入荷といった感じでした。
ブラシのストローク系のアイテムはブラック+レッドとオレンジ+グレーのパターンがありますね。シャツなどにあしらわれたパターンは見ていて気持ちが良いですが、実際に自分で着るのは結構難しいかもしれません・・・。胸の部分にストロークがあるもの、襟をグラフィックで切り替えたもの、前立てや胸ポケット2つにグラフィックをあしらったもの、そして、Wassily Kandinskyのようなグラフィックの半袖シャツなど。シーズン過ぎると飽きがくるかもしれませんね。ちなみにグラフィカルなニットはまだ入荷しておりませんでした。
全体的に価格帯は高いですね。ウールニットやコットンシャツでさえ、10万オーバーが当たり前の世界になっています。サマーコレクションのプレビューも近々あるので、そちらをチェックしてから買っても良いかな?といった感じです。ついでに書いておきますが、春夏に続いて秋冬も年始のセールは行わないようですね。
20131125 0016
Ann Demeulemeesterが自身のブランドを去るというニュースが報じられていましたね。2014年2月27日にパリで行われる14-15AWコレクションが彼女の最後のコレクションになるようで、メンズとウィメンズの両方のランウェイショーになるとのこと。その後はアントレプレナーであるAnne Chapelleの管理下の元でデザインチームがブランドを続けていくようです。
アンの詩が聴けなくなるのは素直に寂しいですね。強さと優しさが同居したポエティックな美しさは、他にはない世界観で自分はとても好きでした。流行に流されず、自分の世界に根ざしたクリエイションは閉じた世界ではありましたが、人を惹き付ける力があったと思います。木々に止まった小鳥の囀りや夜空に輝く星々がいつまでも美しくあるように、彼女の詩は服を通してそういうものを描こうとしていたような気がします。
今回のアンの退出についてはImran Amedが書いているように 、なぜ彼女が自身のブランドを去るのか?それがなぜ今なのか?という疑問を多くの人が持ったと思います。全てをやりきったからなのか、(Anne Chapelleは否定していますが)ビジネス側の人間と馬が合わなくなったのか、あるいは自身の健康問題?といったようにいろいろと考えてしまいますね。
WWDによればAnn Demeulemeesterのビジネス規模は5000万ドル弱で、2005年からパリコレクションに参加しているメンズラインは売上全体の20%以上へと成長しているとのこと。多くのブランドがビジネスを拡大するために採用しているプレコレクションやディフュージョンライン、セレブリティ・ドレッシング、コラボレーション、"It"バッグ、アドキャンペーンといったビジネス戦略を採用せず、("blanche"はありましたが)ストイックにコレクションを発表し続ける姿勢がAnn Demeulemeesterにはありました。
tFS ではアンが去ることでブランドがMaison Martin Margielaのようにはなって欲しくない、というコメントが書かれています。今までのAnn Demeulemeesterというブランドでは到底考えられないファストファッションとのコラボやパルファム、コスメティックラインといったようなものに手を出し始めるとブランドとしては赤信号が点灯してしまうかもしれませんね。
ただ、一方では時代と共にブランドも変わっていかなければならないというのも事実ではあります。Adrian Joffeが川久保玲の後継者の話をするように時間は誰にも止められませんので。今後、他の多くのブランドにおいてもブランドの存続と後継者問題は頭を悩ませることになるのは明白と言えるでしょうか。
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Dior hommeの2014年スプリングコレクションのムービー等がオフィシャルサイト にアップされていますね。
クリスがプレコレクションにどれぐらい関わっているのか気になるところではありますが、いくつか欲しいものがあるのでデリバリーが楽しみです。
でも、メインで買うのはサマーコレクションになりそうですけれど。
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via mauricionardi.com
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via timwalkerphotography.com
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via timwalkerphotography.com
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Suzy Menkesの記事 やWWD で報じられていますが、正式にNicolas GhesquiereがLouis Vuittonのウィメンズコレクションのディレクターに就任したようですね。2014年3月に発表される14-15AWのコレクションが彼のLouis Vuittonでのデビュー・コレクションになるようです。尚、メンズのスタイル・ディレクターはKim Jonesのママとのこと。
2012年11月5日にNicolas GhesquiereがBalenciagaを去るプレスリリースが発表されてから、ちょうど一年が経ちますね。あまりブランクが空くとクリエイション的にはマズイことになるので今回の発表は良いことと言えば良いことでしょうか。ニコラは自分の名前が欲しかったという話もありましたが、結局はシグネチャではありませんでしたね。
彼の今回の就任のコメントによれば、「(Louis Vuittonというブランドの)歴史の一部であるために、新しい提案をすることに完全に献身します。」とのこと。来年の2014年でLouis Vuittonは創立160周年を迎えますね。
WWDでも書かれているようにBalenciagaと比較するとLouis Vuittonのビジネス規模は25~30倍ぐらい大きくなるので、このメガブランドで彼が何をするのかというのはとても気になるところ。また、Louis Vuittonという誰もが知っているブランドに彼のようなギークでナードなディレクターが就くというのは少し不安もあるでしょうか。どこまでリスクを犯して自由に冒険できるのかな、と。
あと、今回の就任に関して個人的に気に掛かっているのは、BalenciagaもLouis Vuittonも誤解を恐れずに言ってしまえば「バッグ」ブランドなのですよね。世間一般的にはそういう認識であって、ウェアブランドでは無いでしょう。なので、彼はそういう星の下に生まれたのだな・・と個人的には思ってしまった次第です。もちろん、世の中のそういう認識をひっくり返せる様なクリエイションを期待したいというのは言うまでもありませんけれど、ね。
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写真は、1954年のオートクチュール・ショーのためにジュエリーのフィッティングをしているMonsieur Dior。
Rizzoliから"Dior Glamour: 1952-1962"という書籍が先月末に出版 されていますが、LIFE magazine等で活躍したフォトグラファーのMark Shawの写真がフィーチャーされているようですね。
という訳で、彼の作品からいくつかピックアップしてご紹介。
こちらは1953AWのクチュールから。
Vivanteラインコレクションのイヴニングドレス。
1954AWのHラインコレクションのファー・ハットとドレス。
"Dior Glamour"の表紙にも使われていますね。
同じくHラインコレクションから。
アン-フェミニンな感じ(バストなどを強調しない)が分かりやすいですね。
こちらもHラインコレクションからですが、このモデルはこの写真を撮られたすぐ後にDiorをクビになったとのこと。当時、こういうポージングの写真はNGだったようです。何でもアリの現在とは違いますね。
1958年に発表されたYves Saint LaurentによるChristian Diorのクチュールコレクションから。
これはイヴによるChristian Diorでのセカンドコレクションとのこと。
最後の写真のピンクのドレスはDiorではなく、Pierre Cardinのクチュールのようですね。
1959SSのクチュールから。ウェディングドレスを着たモデルのKouka。
Koukaは、Yves Saint LaurentのChristian Diorでのファーストコレクションで起用をされてミューズになったとのこと。
こちらもYves Saint Laurentによる1960SSのクチュールから。"Silhouette de demain"(明日のシルエット)ライン。
一枚目の写真は、Christian Diorの広報ディレクターでムッシュ ディオールの幼馴染であったSuzanne Lulingが所有していたアパートでの撮影とのこと。このアパートは、1950年代にChristian Diorのポストシーズン・パーティーが行われる場所だったようです。
同じく、1960年にSuzanne Lulingが所有していたアパートで撮られたChristian Diorを着たモデル。
こちらは1960年にFrancine Weisweillerのスモーキングルームで撮られたChristian Diorを着たモデル。
インテリアはMadeleine Castaingによるもの。
ちなみにFrancine WeisweillerはJean Cocteauの後援者であり、Yves Saint Laurentの初期を支えた重要な顧客だったとのこと。
1961AWのクチュールから。フードを被ったモデルたち。
Marc BohanによるChristian Diorですね。
1961年のMarc Bohanによるコレクションで、ウェディングドレスを着てウォーキングをするKouka。
以下、Christian Dior以外の写真もいくつかご紹介。
1954年のPierre Balmainのクチュール・ショーのバックステージ・フォトグラフィー。
Balenciagaのサロンで米国のI. Magninデパートのバイヤーにポージングをするモデルたち。
Balenciagaの1954SSのクチュールコレクションのようですね。
1955年に撮られたBalenciagaのドレスを着たモデル。
こちらは1955年に撮られたChanelのドレスを着たモデル。
Chanelのこういうドレスは少し新鮮な感じがしますね。
1955年に撮られたGivenchyのドレスを着たモデル。
ここからはセレブリティやデザイナーの写真をいくつか。
映画"Sabrina"(1954年に公開)の撮影の合間に撮られた1953年のAudrey Hepburn。
彼女のボーイッシュな魅力が詰まった写真ですね。
1957年に撮られたCoco Chanel。
ジュエリーはこんな感じでつくっていたようです。
当時のVogue USの編集長であったJessica DavesとパリのRitzでランチをしているCoco Chanel。
サロン・ショーの後、モデルたちとシャンパンを飲んでいる笑顔のCoco Chanel。
こちらは珍しいカラー写真のCoco Chanel。
一緒に写っているのは、女優のJeanne Moreau。
1960年代前半のYves Saint Laurentのポートレイト。
彼のアトリエでの撮影とのこと。
1955年にカンヌにある彼のスタジオで撮られたPablo Picasso。
なぜか剣を持ってますね(笑)。
かなり長くなってしまいましたが、これでもMark Shawの作品のほんの一部なので、興味のある人は彼のサイト やこちら をチェックしてみると良いかなと思います。
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Blogを長年利用していたMovable TypeからWordPressに切り替えました。
管理画面の動作も重く、記事が重複して登録されたりしていたので流石に限界かなと思いまして。
過去の記事はCMSから切り離して全てスタティックなPHPファイルにしているので、URLも今まで通りのアドレスで閲覧できます(フッターにある月別アーカイブのリンク部分だけWordPressと動的に連携させてます)。RSSに関してはどうしてもURLが変わってしまうのでMTのRSSのURLをWPのものにリダイレクトさせています。なので、この記事がRSSリーダー等で普通に読めている人は特にそのままでも問題ないはずです。
あまり深く考えずにWordPressを落としてきてサクッと切り替えたので、どこかで不具合があるかもしれませんが・・・。