Kris Van AsscheによるBerlutiとロサンゼルスを拠点に活動しているセラミックス(陶磁器)・アーティストのBrian Rochefortが、2021年スプリングコレクションにおいてコラボレーションを行うと発表されていましたね。
パリとロサンゼルスをデジタルで結んだロングディスタンス・コラボレーションによってCOVID-19のこの状況に適応するとのこと。コレクションはウェアとアクセサリーから成るようですが、生産が遅れているため、一部しかお披露目できていないようです。
Mikael Janssonが撮影したRianne Van RompaeyとAdut Akechによる30のLook(クチュールのアトリエが3か月ほど閉鎖されていたため、このLook数となった。)。ショーではできないかもしれないこと、とヴィアールが話したのは、各Lookの中で存在感を放つパンクヘアーとファインジュエリー。
"casual and grand"とヴィアールが表現したように80年代のディスコ・カルチャーからインスパイアされたコレクションは、軽さを伴ったカジュアル・クチュールであるが、彼女の問題点は筆致が全体的にレトロであると言えるでしょう。自分の中にある何かを表現するというよりも過去や既存の何かによってコレクションは構成されており、モダニティが不足している場合が多く、これはAD Campaignを見ていても顕著に見られる傾向にある。
これは、Chanelというメゾンに代々伝わるツイードやパールといったレガリアをそのまま使うと現代的にすることが難しく、そこにはデザイナーの魔法が必要ということを意味する。
Bruno Pavlovskyとしては、シーズンサイクル及び、ランウェイショーをできるだけ早く戻したいと考えているとのこと。既存のシステムにおいて成功を収めているプレイヤーがゲームのルール変更を望まないというのはファッションに限らず、どの分野でも同じことが言えます。逆に言えば、変化を起こせるのは失うものが何もないような新興のプレイヤーであるということ。
Matteo Garroneによる"Le Mythe Dior"は、1945年にパリのデザイナーたちが第二次世界大戦の荒廃からの復興のために行ったミニチュア・ファッションツアーである"Theatre de la Mode"から着想を得たもの。二人のポーターがAvenue Montaigneのクチュールサロンを模したトランクを運んで採寸し、森に住む神話の妖精たちがドレスを着るというストーリーになっており、これはメゾンとクライアントが親密で非常に個人的な関係を維持する方法を描いたものである。
Maria Grazia Chiuriによると「クチュールの魔法の夢」に関する物語を望んでいたと話しており(シュルレアリスムもこの夢のメタファー。)、COVID-19からの復興の願いが込められている。無論、登場するミニチュアドレスはアトリエの職人たちによるものであり、キウリは「人形や可愛らしいもの、子供っぽいものにしたくありませんでした。これは本物のコレクションです。」と語っている。