Numero Tokyoの今回の表紙は、Sebastian KimによるEdita Vilkeviciuteですね。
エディトリアルも巻中にあるのですが、それがとても良い感じになっていたのでご紹介。
Vogue Nipponの表紙は、Inez van Lamsweerde and Vinoodh MatadinによるAlessandra Ambrosio。
エディトリアルで良いと思ったのは、Josh OlinsによるLily Donaldsonの"Alone with my Thoughts"。エージェンシーのサイトでは雑誌に載っていないカットが見れますね。逆にサイトに載っていないカットが雑誌では見ることができます。
先週はLady Blue ShanghaiのPartyがありましたが、今週はDior homme 10-11AW Collection "COAL"のPresentationが表参道店の3F(Bar)と4F(展示会場)を使って行われましたね。銀座店や伊勢丹店の顧客の方も来ていたので、結構多くの人で賑わっている印象でした。
4Fの会場ではコレクションで使われていたものからそうでないものまでのサンプルやランウェイショーのインヴィテーションなどが展示されており、コレクション映像の他にWONDERLAND MAGAZINEのJose Otero and Hans LoによるDIOR HOMMEの映像やNOWNESSでのSharif HamzaによるThe White Roomの映像なども流されていましたね。
Marc Jacobs talks about new Louis Vuitton store
Hilary AlexanderによるMarc Jacobsへの取材記事。LondonではNew Bond Streetに28日にオープンするLouis Vuittonの"メゾン"についてやYoung Arts Projectに関する話題が報じられています。メゾンに関してはPeter Marinoによるものとのことで、彼は昨年11月に上海にオープンしたChanelのブティックや先日、同じく上海のPlaza 66にオープンしたChristian Diorのブティックも手がけていますね。
Marc Jacobsに関してですが、Financial Timesでの記事では肩のケガについてやLouis Vuitton 10-11AW AD CampaignにおいてChristy Turlington, Karen Elson and Natalia Voldianovaを起用したということが話題になっていましたが、こちらではhair transplantの話題から始まり、Louis VuittonのためにHaute Couture Collectionを展開するという気持ちは無いという話(理由はRTWでクチュールレベルのことをしているから)やTom Fordのように映画を撮る気も無いという話。でも、Louis Vuitton fragranceには興味を持っている、といったことが書かれていますね。ちなみに過去に何度か情報が流れていた結婚に関しては、we're not marriedとのことで、今は仕事と結婚しているんだとか。
Marc Jacobsについては、Vogue.co.ukで出ていたモノグラムについての話も彼らしい話題ですね。
An Open Letter to Marc Jacobs Regarding "BANG"
Marc Jacobsのメンズ・フレグランス"BANG"のADについてのFashionistaの公開状。tFSなどでも書かれていますが、確かに自分もTom Fordっぽいな・・と初見では思いましたね。Marc Jacobs本人がADに登場するというアイデアはRobert Duffyによるものだったそうで、写真はJuergen Tellerによるもの。アートディレクションはPeter Miles。
香りはスパイシーな感じのようで、7月からNew YorkのBloomingdale'sとMarc Jacobsのブティック(米国のみでしょうか)にお目見えし、世界では2010年9月から入手可能になるとのお話。
YSL to Show Its Cruise Collection in New York
Yves saint Laurentが6月3日にNew YorkのUpper East Sideにあるフランス総領事館でCruise Collectionをお披露目するとのこと。スモールスケールのショーのようですが、どんな感じになるのでしょうかね。
ショーと言えばJean Paul Gaultierもモスクワのカザンスキー駅でランウェイショーを行っており、tFSで写真を多数見ることができるのでこちらも是非(上に載せた写真はこちらから)。
ファッションブロガーに関してはブロガーを愛しており、実際にブログを読んだりするとのこと。ブログには純真さや率直さがあり、ブロガーがpolitically incorrectに書いているのを見ることは面白いとのお話。ポジティブな意見が書かれているとextremely happyだけれど、ネガティブな意見が書かれているとhateするとのこと。そしてこれらは社会を映す鏡であり、我々デザイナーがしていることと同じである、と。
摂食障害のモデル問題についてはデザイナーは非難されるべきではなく、スキニーであることは多くの(rich and poor and young and old and intellectual and notといった)女性が望んでいることであり、それは世界で起こっている何かであるとのお話。スキニーなデザイナーではない私としては快適な服、美しさを希求し、gray hairやwrinklesも好きとのことで、それがLanvinのロゴが母と娘である理由、とのこと。
セレブリティがファッション・ラインを開始することに関しては、それは問題であり、ちょっと違うよねとのお話。
ビジネス的な観点からセレブリティがLanvinのドレスを着ることはどれくらい重要ですか?という問いには、彼らがLanvinのドレスを着て素晴らしく見えるならば良いけれども、そうでないときはwant to kill yourself... とのこと。しかし、我々はセレブリティをビジネスに変えるというシステムは決して採用しなかったとのことで、LanvinのPR departmentにはそういったことはしないで欲しいと言っているようです。
LOUBOUTIN'S ANGELS: Christian Louboutin
Christian Louboutinのオフィシャルサイトでも公開されているショートフィルム、"Le Carosse Noir"について。映像を見るとわかりますが、Louboutin's AngelsはCharlie's Angelsをモチーフとしたものですね。現時点でEpisode 5までアップされていますが、全部で7まであるようです。
また、"The Black Carriage"と呼ばれるモバイルストアを今夏にフランスとスペインで展開するといった話や、7月にベイルート、9月にダラス、11月に東京、年末にはドバイにパーマネント・ストアをオープンする予定があるといった話、そして、来年同ブランドの20th Anniversaryを記念するための(彼の仕事をアーカイヴ化した)書籍に関する情報が出ていますね。
Chanel 2010-11 Cruise Show Beauty
先日行われたChanelのCruise Collectionでのメイクに関してPeter Philips(Global Creative Director of CHANEL Makeup)は、休暇を楽しんでいるrelaxed girlsな感じを表現したかったようですね。ショーではとてもナチュラルな雰囲気が個人的に良いと思いましたが。実際にメイクに使用されたプロダクトが紹介されているので気になる人はチェックしてみると良いかもしれません。
上海で開催されたJohn GallianoによるChristian Dior 10-11 Cruise Collection。
Bernard Arnaultの"We want to show the Chinese customer what is Dior today."という発言や、中国文化をインスパイアしたコレクションではなく、フレンチ・サヴォアフェールを提示したかったという主旨の発言がJohn Gallianoからあったように、今回のコレクションは1950年代末から60年代に掛けてのフランスでのシネマティック・ムーヴメントであるヌーヴェルヴァーグからJean Seaberg, Romy Schneider, Jeanne Moreau, Francoise Hardyといったシネマ・ヒロインなどをインスピレーション・ソースとして展開。シノワズリーな雰囲気を用いたコレクションを昨年12月に上海で行ったChanelとは対照的となりました。
ここからは話題が変わって、最近読んだ雑誌について。 QUOTATIONは普段ノーチェックだったりするのですが、No.7はファッション関連の話題が載っていたので購入してみました。内容に関しては、バルセロナとロンドンを拠点に「Fantastic Man」「Monocle」「Les Cahiers Purple」などの雑誌で活躍するスペイン人フォトグラファーのDaniel Riera、ファッションフォトのセット・デザイナー兼イラストレーターとしてStella McCartney、Comme des Garcons、Gareth Pugh、Adidas、Topshop、Hermes、Swatch、Uniqlo、そして、Lady Gagaなどどロンドンを拠点に仕事をしているGary Card、2010年春夏号から「Another Man」のクリエイティブ・ディレクションをDavid Jamesから引き継いだアートディレクターのLaura Rule、2007年「Rue du Mail」という名を冠してパリ・コレクションにカムバックしてきたデザイナーのMartin Sitbon、Daft Punk、Cazals、Digitalism、KITSUNE、Maison Martin Margielaといったウェブサイトを手掛けるウェブ・デザイナー兼デジタル・エディター兼アーティストでロンドンを拠点に活動しているJerome Rigaud、そして、The Business of Fashionの編集長を務めるImran Amedのインタビューが載っています。 +81 Vol.48は"Source of New Stream issue"ということで「the journal」の創設者兼編集長のMichael Nevinなどのインタビューが載っているので、こちらも気になる人は手に取ってみると良いかなと思います。
写真はtFS(via WWD)から、Givenchy 10-11AW AD Campaign。
フォトグラファーはMert Alas and Marcus Piggottで、Mariacarla Bosconoらと共にtranssexual modelのLea T.をキャストしたことが各所で話題になっていますね。彼女は元々Ricardo Tisciのpersonal assistantでモデルをしており、現在はミラノで獣医としてのキャリアを開始しているとか。
As Fall Campaigns Arrive, We Wonder Where the Curves Went
10-11AWのAD Campaignについて。新しい情報としては、Donna KaranがKarlie Klossで、Louis Vuittonのpre-fallがVanessa Traina、PradaはDaria StroukusとAngela Lindvall、そして、Victoria's Secret modelからMiranda Kerrとの噂。Pradaに関してはFashionologieでもポストされていましたが、どうなのか気になりますね。
Oh My Coco / 31 rue Cambon
PARK & CUBEのShini ParkやLe Blog de BettyのBetty AutierらがパリのChanel本店に招待されたようで、写真がいくつかアップされています。Coco Chanelのプライベートルームを見れるなんて、なんとも羨ましいですね。
Loosely Speaking Kris Van Assche Talks Through Dior Homme's New Look
Dior Homme 10-11AW Collectionなどに関するNowness.comでのKris Van Asscheのインタビュー記事。Sharif Hamzaによる"The White Room"というムービーも公開されていますね。
インタビューの内容で気になった部分ですが、2010-11年秋冬コレクションの出発点はミリタリーコートからで、通常重いそれらをソフトでライトに仕上げることでcomfort clothingにするというアイデアがあったようです。また、今回のコレクションを概説するミューズかセレブリティがいますか?という質問には、特にそういったものは持たないけれど誰かを選ぶとすればJohnny Deppに着て欲しい、とのこと。インスピレーション・ソースとして特定の誰かを設定しないという方法論は既存のカテゴリーに回収され難い作品を生み出すという意味で個人的に良いと思うのですが、そうすると今度はどうやって完成度を上げていくのか?ということが問題になるのですよね。
2010 MET Costume Institute Galaの件ですが、日本語ではコソの出来事でまとめてポストされていたので未見の方は是非。また、Costume Institute Galaに関連してThe September IssueのR.J. Cutlerが、FacebookでThe Met Ball(Part.1 / Part.2)という2007年のCostume Institute Galaに関するムービー(もちろん、Anna Wintourを撮影したもの)をアップしていたのでこちらもチェックしてみると良いかなと思います。ちなみにFacebookではThe September IssueのDVDに付いてくるBonus Clipもいくつかアップされていますね。
インタビューのテーマは、マルチメディア・パブリッシングの未来について。
Dazed Digitalは9月にuser-generatedな"satellite blogs"をロンチするとのことですが、具体的にどういったプラットフォームになるのか気になりますね。そして、Dazed & Confused iPad appは7月に出版される8月号でロンチするというお話。
iPadの成功は、印刷出版の終わりを意味しますか?という問いについては、"Digital magazines are in the moment, with the information zooming around. Print magazines are like the collective memory, like a souvenir you buy at rock concert."とのこと。印刷出版物がロックコンサートで買う記念品のようなものになるという話は、Style.comでのHedi Slimaneのインタビューでもあった考え方(コレクターズアイテムになる、という話)に通じますね。個人的に最近読んだ本として、佐々木俊尚の「電子書籍の衝撃」でもケータイ小説の件で同じような話がありましたが。
(現在の状況を)サバイヴする雑誌に何が求められますか?という問いへの回答は、"The future is in specialization and niche areas, independent press and print on demand."とのこと。また、マネタイズには多くの異なるやり方があり、1つの収益モデルは無いというのは確かにそうだと思います。いずれにしろ、"Culture today is a digital stream. Either you adapt or you are a dinosaur."という考え方に基づいた行動が求められるということでしょうね。
毎月発売されるファッション誌のような雑誌の良いところは、映像のようにタイムラインが無く、アーティクルの集合体なのでノンリニアにコンテンツが消費ができることにあると思っているので、その辺のLook and Feelがデジタル化によって損なわれること無く、更に便利になってくれると良いかなと思います。デジタルマガジンは映像やインタラクティヴ性を取り込んでいってその世界観を更に押し広げ、ユーザーエクスペリエンスを強化させるという方向性の進化もあると言えばあると思いますが、コンテンツの重厚長大化は消費者の時間的コストが増大し、他メディアとの可処分時間の奪い合いを招くので使いどころを間違えるとマズイかなと。ビジネス的にもペイしないだろうと思いますし。
現状では雑誌一冊を購入しても表紙から最後のページまで一字一句全ページを読むことはほとんど有り得ないにも関わらず、一冊分のお金を出して購入している状態なので、iTunes Music Storeのように雑誌間を横断的にあるキーワードで検索して、ヒットしたアーティクルだけ購入できるようになる(CDアルバムから一曲だけ購入するような感じ)だけでも個人的に便利かなと思ったりします。あと、雑誌にハイパーリンクという概念が付くだけでもずいぶんとそのアーティクルの意味やコンテクストは変わってくると思うのでその辺に期待したいですね。