This is Not here - *//LIKE TEARS IN RAIN

Editorial Photography...

Numero Tokyoの今回の表紙は、Sebastian KimによるEdita Vilkeviciuteですね。
エディトリアルも巻中にあるのですが、それがとても良い感じになっていたのでご紹介。

Vogue Nipponの表紙は、Inez van Lamsweerde and Vinoodh MatadinによるAlessandra Ambrosio。
エディトリアルで良いと思ったのは、Josh OlinsによるLily Donaldsonの"Alone with my Thoughts"。エージェンシーのサイトでは雑誌に載っていないカットが見れますね。逆にサイトに載っていないカットが雑誌では見ることができます。

あと、最近のエディトリアルで気になったのはNumeroのGreg Kadelによるnaughty schoolgirlに扮したMiranda Kerrですね。
彩度とコントラストで描く世界に上手くストーリー性が組み合わさっていて良いなと思いました。

In Camera: Lady Gaga - SHOWstudio

SHOWstudio.comでLady Gagaのインタビューが2時間ほどライヴ・ストリームされていましたね。著名人ばかりからの質問に一つ一つ答えるという形式でしたが、インタビュアーとTranscriptを書く人は別にした方がもう少しスムーズに進行したかなと思います。

音楽のためにファッションが必要であり、そして、ファッションのために音楽が必要であるといった話から始まり、Nicola Formichettiの「一緒にクリエイトしたアウトフィットの中で大好きなものとそうでないものは何?」という問いには、お気に入りのうちの1つとしてVideo Music Awardsで着用したAlexander McQueenのアーカイヴからの真っ赤なレースドレスを挙げていましたね(ちなみにleast favoriteなものは一つも無いよ、とのこと)。

DIOR HOMME AUTUMN / WINTER 2010-11 COLLECTION PRESENTATION "COAL"

先週はLady Blue ShanghaiのPartyがありましたが、今週はDior homme 10-11AW Collection "COAL"のPresentationが表参道店の3F(Bar)と4F(展示会場)を使って行われましたね。銀座店や伊勢丹店の顧客の方も来ていたので、結構多くの人で賑わっている印象でした。

4Fの会場ではコレクションで使われていたものからそうでないものまでのサンプルやランウェイショーのインヴィテーションなどが展示されており、コレクション映像の他にWONDERLAND MAGAZINEのJose Otero and Hans LoによるDIOR HOMMEの映像やNOWNESSでのSharif HamzaによるThe White Roomの映像なども流されていましたね。

コレクションアイテムに関してはコート類はあまり多くなかったのですが、前身頃がレイヤードになっているジャケットやscarf collarのアシンメトリージャケット、フランネルを使ったシャツなどのアイテムは見ていて面白かったです。ちなみにモデルが二人ほどいたのですが、記憶違いでなければMarcel CastenmillerとJonas Kesselerだったはず。いろいろ着替えてプレゼンテーションしていたのですが、やはりプロといった感じでとても似合っておりました。

3Fではシャンパンやちょっとしたフルーツが振舞われていたのですが、3FはもうDior Beautyではなくなっていたのですね。普段行くことがないので、全然気付きませんでした。

頂いたお土産は、ランウェイショーのDVDとLook Book、そしてアクセサリー関連のカタログでした。
絵型は来月ぐらいから見れるようになるようなので、時間があれば見に行きたいかなと。立ち上がりは例年通りであれば7月後半とのことなので、楽しみに待ちたいですね。

New Creative Directors...

写真はVogue.itから、The Devil Wears PradaでのMeryl StreepとPatricia Field。
久しぶりに映画を見返してみようかな、なんて少し思ってしまいました。

それで、今日はデザイナー関連の気になるニュースがいくつか流れていましたね。Jean Paul GaultierがHermesを去ってLacosteのクリエイティブ・ディレクターを務めるChristophe Lemaireが就任するという話やOlivier TheyskensがTheoryでカプセルコレクション(for 11SS)を手掛けるという話、Alexander McQueenのクリエイティブ・ディレクターにSarah Burtonが正式に就任し、Alessandro Dell'AcquaがBrioniのウィメンズコレクションのクリエイティブ・ディレクターに就任、といった感じ。先日はEmanuel UngaroのGiles Deaconのニュースなどもありましたが、いろいろと各所で動きがありますね。

memorandum...

Marc Jacobs talks about new Louis Vuitton store
Hilary AlexanderによるMarc Jacobsへの取材記事。LondonではNew Bond Streetに28日にオープンするLouis Vuittonの"メゾン"についてやYoung Arts Projectに関する話題が報じられています。メゾンに関してはPeter Marinoによるものとのことで、彼は昨年11月に上海にオープンしたChanelのブティックや先日、同じく上海のPlaza 66にオープンしたChristian Diorのブティックも手がけていますね。
Marc Jacobsに関してですが、Financial Timesでの記事では肩のケガについてやLouis Vuitton 10-11AW AD CampaignにおいてChristy Turlington, Karen Elson and Natalia Voldianovaを起用したということが話題になっていましたが、こちらではhair transplantの話題から始まり、Louis VuittonのためにHaute Couture Collectionを展開するという気持ちは無いという話(理由はRTWでクチュールレベルのことをしているから)やTom Fordのように映画を撮る気も無いという話。でも、Louis Vuitton fragranceには興味を持っている、といったことが書かれていますね。ちなみに過去に何度か情報が流れていた結婚に関しては、we're not marriedとのことで、今は仕事と結婚しているんだとか。
Marc Jacobsについては、Vogue.co.ukで出ていたモノグラムについての話も彼らしい話題ですね。

Miranda Kerr is the new face of Jil Sander
Miranda KerrがJil SanderのAD Campaignに登場するかもというお話。
少し前にはPradaのADに起用されているという噂があったと思うのですが、どうなのでしょうか。

Fall Mixed Up by Frederic Sanchez
ランウェイショーでサウンドトラックを手がけるFrederic Sanchezに関するNOWNESSでの記事。
服よりもコレクションのムードボードから(デザイナーと同じように)インスピレーションを得て仕事をしているようですね。

Postcard from Shanghai
garance doreによる上海でのChristian DiorのCruise Collectionに関する映像。
少しだけIekeliene Stangeが映っていますが、最近彼女はランウェイで見かけることが少なくなっている印象がありますね。あと、個人的にはTanya Dziahilevaもそうでしょうか。

Marc Jacobs's "BANG"... YSL in New York... Jean Paul Gaultier in Moscow...

An Open Letter to Marc Jacobs Regarding "BANG"
Marc Jacobsのメンズ・フレグランス"BANG"のADについてのFashionistaの公開状。tFSなどでも書かれていますが、確かに自分もTom Fordっぽいな・・と初見では思いましたね。Marc Jacobs本人がADに登場するというアイデアはRobert Duffyによるものだったそうで、写真はJuergen Tellerによるもの。アートディレクションはPeter Miles
香りはスパイシーな感じのようで、7月からNew YorkのBloomingdale'sとMarc Jacobsのブティック(米国のみでしょうか)にお目見えし、世界では2010年9月から入手可能になるとのお話

YSL to Show Its Cruise Collection in New York
Yves saint Laurentが6月3日にNew YorkのUpper East Sideにあるフランス総領事館でCruise Collectionをお披露目するとのこと。スモールスケールのショーのようですが、どんな感じになるのでしょうかね。
ショーと言えばJean Paul Gaultierもモスクワのカザンスキー駅でランウェイショーを行っておりtFSで写真を多数見ることができるのでこちらも是非(上に載せた写真はこちらから)。

The Future Of Fashion, Part Six: Alber Elbaz

Style.comでのThe Future Of FashionシリーズのPart.6は、Alber Elbazへの電話インタビュー。
最初から最後までとても面白いのですが、ざっくりと意訳して気になった部分のみ(といっても結構長くなってしまいましたが・・)をいくつかピックアップして書いておきます。詳細については原文をご参照頂くということで。理解に間違いがあればご指摘頂けると助かります。

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ファッションショーはあなたのメッセージを届ける上でどんな役割をしますか?という問いには、ファッションショーは夕食を食べる際のテーブルのようなもので、それが最もプラグマティックであるとのこと。映像を使ってショーを披露することについての話が(業界内で)多くあったけれど、Alber Elbazにとってライヴでのオーディエンスはとても重要であるようで、例えとして手書きの手紙(ランウェイショー)とSMS/e-mail(映像でのプレゼンテーション)を比較し、想いを誰かに伝えたいならば前者をしなければならないと語っていますね。
もちろん、デジタルのこの時代に自分たちを適応させていかなければならないという認識もあるようですが、ファッションは必ずしもwhat's newについてではなくwhat's goodについてだよね、とのお話。

(ファッションショーがオーバー・スケジューリングしていることに関して、)コレクションを製作することは本を書いたり、映画を製作するようなもので、1年のうちに6つの映画をつくることは通常であればそれは不可能なこと。多くの人々が今日のコレクションには十分な変化が無いと不満を言ったり、過去のファッションの方が今日よりとても創造的だったと言っていることを知っているけれど、この現象の大きい理由は我々に考える時間がないということにある、とのこと。
(コレクションからコレクションへの)終わりの無いプロセスがデザイナーだけでなく、コレクションについて考える時間も無くタクシーの中でレビューを書くエディターや(ブティックの)フロアでカスタマーやアイテムの効果ではなくコンピュータと数字を見るようになったバイヤーにもこの種の多くの疲労があり、これらには変化が必要である、と。そして、我々は変化することができると考えており、ファッションを楽しむことに戻りましょうとのこと。

デザイナーの仕事とは基本的に女性と男性をよく見えさせることであり、20世紀で最高のデザイナーのうちの2人であるGeoffrey BeeneとYves Saint Laurentから学んだことは来る日も来る日も(朝から夜遅くまで、週末も)働くということ。
我々は独立会社であるのでLuxury Conglomerateの1企業のように親会社に助けて貰うことができないため、私たちは私たちのために働く人々の給料のためにコレクションを製作しなければならず、新しいシーズンの最初の一週間、(次のコレクションのために)部屋でスケッチする際に大きなプレッシャーを感じる、とのこと。

スウェーデンのデニム・カンパニーであるAcneとのコラボレーションは好評だったが、ファストファッション企業とのコラボの構想は?との質問には、差し当たってその予定はなく、考えもないとのことです。

ファッションブロガーに関してはブロガーを愛しており、実際にブログを読んだりするとのこと。ブログには純真さや率直さがあり、ブロガーがpolitically incorrectに書いているのを見ることは面白いとのお話。ポジティブな意見が書かれているとextremely happyだけれど、ネガティブな意見が書かれているとhateするとのこと。そしてこれらは社会を映す鏡であり、我々デザイナーがしていることと同じである、と。
摂食障害のモデル問題についてはデザイナーは非難されるべきではなく、スキニーであることは多くの(rich and poor and young and old and intellectual and notといった)女性が望んでいることであり、それは世界で起こっている何かであるとのお話。スキニーなデザイナーではない私としては快適な服、美しさを希求し、gray hairやwrinklesも好きとのことで、それがLanvinのロゴが母と娘である理由、とのこと。

セレブリティがファッション・ラインを開始することに関しては、それは問題であり、ちょっと違うよねとのお話。
ビジネス的な観点からセレブリティがLanvinのドレスを着ることはどれくらい重要ですか?という問いには、彼らがLanvinのドレスを着て素晴らしく見えるならば良いけれども、そうでないときはwant to kill yourself... とのこと。しかし、我々はセレブリティをビジネスに変えるというシステムは決して採用しなかったとのことで、LanvinのPR departmentにはそういったことはしないで欲しいと言っているようです。

最後に、ChanelをKarl Lagerfeldから引き継ぐという噂に関しての質問については何もなかったと否定しつつ、「私は彼を尊敬し、彼の仕事が好きで、彼は素晴らしい仕事をしていると思います。そして、私は人としてデザイナーとして彼を敬慕しています。彼はそこにいます。そして、私はLanvinにいます。」とのこと。

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本インタビューはパリ時間の午後8時ぐらいから始まったようですが、インタビューが終わった後もAlber Elbazはスタジオで2?3時間程度働くつもりだったようで、本当に朝から晩まで働いているようですね。インタビューの内容に関しては、業界が抱える問題に関する部分はとても納得できましたが、スキニー・モデル問題に関してはいろいろと疑問が残る回答だったかなと思います。

Louboutin's Angels... Chanel Cruise Beauty... Karl Lagerfeld Says...

LOUBOUTIN'S ANGELS: Christian Louboutin
Christian Louboutinのオフィシャルサイトでも公開されているショートフィルム、"Le Carosse Noir"について。映像を見るとわかりますが、Louboutin's AngelsはCharlie's Angelsをモチーフとしたものですね。現時点でEpisode 5までアップされていますが、全部で7まであるようです
また、"The Black Carriage"と呼ばれるモバイルストアを今夏にフランスとスペインで展開するといった話や、7月にベイルート、9月にダラス、11月に東京、年末にはドバイにパーマネント・ストアをオープンする予定があるといった話、そして、来年同ブランドの20th Anniversaryを記念するための(彼の仕事をアーカイヴ化した)書籍に関する情報が出ていますね。

Chanel 2010-11 Cruise Show Beauty
先日行われたChanelのCruise Collectionでのメイクに関してPeter Philips(Global Creative Director of CHANEL Makeup)は、休暇を楽しんでいるrelaxed girlsな感じを表現したかったようですね。ショーではとてもナチュラルな雰囲気が個人的に良いと思いましたが。実際にメイクに使用されたプロダクトが紹介されているので気になる人はチェックしてみると良いかもしれません。

Karl Lagerfeld Says Dresses at amfAR's AIDS Gala Are Better Than "Fake" Fashion at Oscars
フランスのアンティーブにあるHotel du Capで行われたamfAR's Cinema Against AIDS Galaについて。Karl Lagerfeldによれば、「オスカーでは皆自分たちが着るべきであると思うものを着るけど(よって、オスカーのファッションはfake)、ここでは皆好きなものを着ているから良いよね」とのこと。

Christian Dior 10-11 Cruise Collection

上海で開催されたJohn GallianoによるChristian Dior 10-11 Cruise Collection。
Bernard Arnaultの"We want to show the Chinese customer what is Dior today."という発言や、中国文化をインスパイアしたコレクションではなく、フレンチ・サヴォアフェールを提示したかったという主旨の発言がJohn Gallianoからあったように、今回のコレクションは1950年代末から60年代に掛けてのフランスでのシネマティック・ムーヴメントであるヌーヴェルヴァーグからJean Seaberg, Romy Schneider, Jeanne Moreau, Francoise Hardyといったシネマ・ヒロインなどをインスピレーション・ソースとして展開。シノワズリーな雰囲気を用いたコレクションを昨年12月に上海で行ったChanelとは対照的となりました。

今回のコレクションで描く女性像はとても若く、カラーパレットもキャンディピンクやライラックなどのパステルカラーが用いられていましたが、Style.comのレビューでも書かれていたようにReady-To-WearとCoutureのMixという印象が強かったですね。明るめのカラーパレットにランジェリー・ライクなミニドレス、Bar Jacketがキャップスリーブなどになっていたのは面白いと思いました。ランウェイ後半のイブニングドレスのパートに関しては、ディティールやその構造にもう少し立体感(複雑さ)があっても良かったかなと感じましたが、どうでしょうか。ラスト3Lookは好きな雰囲気でしたけれど。

ランウェイを歩くモデルのルージュが印象的なメイクを担当したのはPat McGrath、少しレトロな雰囲気のヘアスタイルはOrlando Pitaによるもの。フィナーレに登場したJohn Gallianoがさり気無く三つ編みヘアだったのも気になるところでしたね。

ランウェイショーの映像に関しては、オフィシャルサイトに高画質のHD映像が既にアップされているのでお時間のある時にでも是非。BGMのある映像で見ると写真とはまた違った印象を受けると思いますので。

via wwd.com tFS

Gucci Premiere in Cannes... QUOTATION and +81 Magazine...

Chanelのクルーズコレクションの後はカンヌ国際映画祭が始まり、昨日は上海でChristian Diorのクルーズコレクション(David LynchによるLady Blue Shanghaiがladydior.comで公開されています)が行われましたね。

カンヌ国際映画祭に関しては、Red Carpet Fashion Awardsなどをチェックして貰うと良いと思いますが、今年1月に噂されていたGucciのオートクチュールラインであるFrida Gianniniによる"Gucci Premiere"のCapsule CollectionがSalma HayekやCamilla Belle、Naomi Watts、Kate Beckinsale、Lea Seydoux、そして、Frida Giannini本人によって披露されて話題になっています。WWDの記事によるとGucci Premiereはオートクチュール・キャットウォークショーを行う計画は今のところ無いとのお話で、年2回のカプセルコレクションによるオーダー制を取るようですね。

ここからは話題が変わって、最近読んだ雑誌について。
QUOTATIONは普段ノーチェックだったりするのですが、No.7はファッション関連の話題が載っていたので購入してみました。内容に関しては、バルセロナとロンドンを拠点に「Fantastic Man」「Monocle」「Les Cahiers Purple」などの雑誌で活躍するスペイン人フォトグラファーのDaniel Riera、ファッションフォトのセット・デザイナー兼イラストレーターとしてStella McCartney、Comme des Garcons、Gareth Pugh、Adidas、Topshop、Hermes、Swatch、Uniqlo、そして、Lady Gagaなどどロンドンを拠点に仕事をしているGary Card、2010年春夏号から「Another Man」のクリエイティブ・ディレクションをDavid Jamesから引き継いだアートディレクターのLaura Rule、2007年「Rue du Mail」という名を冠してパリ・コレクションにカムバックしてきたデザイナーのMartin Sitbon、Daft Punk、Cazals、Digitalism、KITSUNE、Maison Martin Margielaといったウェブサイトを手掛けるウェブ・デザイナー兼デジタル・エディター兼アーティストでロンドンを拠点に活動しているJerome Rigaud、そして、The Business of Fashionの編集長を務めるImran Amedのインタビューが載っています。
+81 Vol.48は"Source of New Stream issue"ということで「the journal」の創設者兼編集長のMichael Nevinなどのインタビューが載っているので、こちらも気になる人は手に取ってみると良いかなと思います。

Chanel 10-11 Cruise Collection

フランスのサントロペで開催されたKarl LagerfeldによるChanel 10-11 Cruise Collection。
ランウェイショーは、カフェ"SENEQUIER"の前のストリートとテラスをウォーキングする形で行われたようですね。ブラスバンドによるMungo JerryのIn the Summertimeのファンファーレもあったようで(ちなみにこの曲は今回のショートフィルムのエンディングでも使われていますね)、コレクションはとても陽気な雰囲気だった様子。ランウェイの写真からも雰囲気は伝わってきますね。

コレクションのトーンは70年代をベースに。カラーパレットは淡いパステル調から始まり、中盤ではブラックやホワイトを用いたLookもありましたが、後半に掛けてはベージュやブラウンなどのシックで控えめなカラーを中心に展開。素材に関してはデニム、パターンに関してはギンガムチェックが使われているのが個人的に目に留まりました。

柔らかい雰囲気のシフォンのカフタンやブラウス、中盤に登場したウエストにサッシュを用いたホワイトのLook(ハットやサングラスも雰囲気が出ていました)などはリゾートの気分が上手く表現されていたと思います。あと、アイテムで気になったのはグラディエーター風のものもあったレースアップサンダルですね。今回は裸足のLookが多かったですけれど。

ランウェイのモデルに関しては、Natasha Poly, Freja Beha Erichsen, Abbey Lee Kershaw, Heidi Mountといったメンバーに加え、プラスサイズモデルのCrystal Rennが歩いていたのがちょっと話題になっていましたね。あとは、フィナーレにSebastien Jondeauとハーレーに乗って登場したGeorgia May Jaggerもそうでしょうか。

Karl Lagerfeldによるショートフィルム"REMEMBER NOW"は、30年ぶりにサントロペに戻った男(Pascal Greggory)を中心に据え、Gabrielle ColetteやBrigitte Bardot, Alain Delon, Mick and Bianca Jagger(1972年に挙式をしているのですね)など、サントロペに関連する人物のモチーフやセリフを散りばめた作品。Magdalena Frackowiakのダンスと最後にKarl Lagerfeld自身が出てきたのには思わず笑ってしまいました。ちなみにトレーラーなどでも使われていた曲は、La Musica (Shir Khan Remix)でこちらで聴くことができるので気になる方は是非。

via style.com wwd.com telegraph.co.uk fashionwiredaily.com tFS

REMEMBER NOW by Karl Lagerfeld THE TRAILER

Chanel NewsでCruise Collectionで公開されるKarl Lagerfeldによるショートフィルムのトレイラーがアップされましたね。今までのChanelのショートフィルムとは雰囲気が異なっていて、よくある映画の予告編っぽいです。内容に関しては事前に報じられていた通りクラブでのシーンもあるようで、トレイラーで使われているBGMも個人的には好きなタイプの音ですね。こんな感じのMusic Videoがあったら見てみたいかな、と。

tFSではSaint-TropezでのKarl Lagerfeldの写真などがポストされていたのでこちらも是非。コレクションの内容とショートフィルムの本編がどんな感じに仕上がっているのか個人的にはとても楽しみです。

Givenchy 10-11AW AD Campaign preview... 31 rue Cambon... Loosely Speaking Kris Van Assche...

写真はtFS(via WWD)から、Givenchy 10-11AW AD Campaign。
フォトグラファーはMert Alas and Marcus Piggottで、Mariacarla Bosconoらと共にtranssexual modelのLea T.をキャストしたことが各所で話題になっていますね。彼女は元々Ricardo Tisciのpersonal assistantでモデルをしており、現在はミラノで獣医としてのキャリアを開始しているとか。

As Fall Campaigns Arrive, We Wonder Where the Curves Went
10-11AWのAD Campaignについて。新しい情報としては、Donna KaranがKarlie Klossで、Louis Vuittonのpre-fallがVanessa Traina、PradaはDaria StroukusとAngela Lindvall、そして、Victoria's Secret modelからMiranda Kerrとの噂。Pradaに関してはFashionologieでもポストされていましたが、どうなのか気になりますね。

Oh My Coco / 31 rue Cambon
PARK & CUBEのShini ParkやLe Blog de BettyのBetty AutierらがパリのChanel本店に招待されたようで、写真がいくつかアップされています。Coco Chanelのプライベートルームを見れるなんて、なんとも羨ましいですね。

Loosely Speaking Kris Van Assche Talks Through Dior Homme's New Look
Dior Homme 10-11AW Collectionなどに関するNowness.comでのKris Van Asscheのインタビュー記事。Sharif Hamzaによる"The White Room"というムービーも公開されていますね。
インタビューの内容で気になった部分ですが、2010-11年秋冬コレクションの出発点はミリタリーコートからで、通常重いそれらをソフトでライトに仕上げることでcomfort clothingにするというアイデアがあったようです。また、今回のコレクションを概説するミューズかセレブリティがいますか?という質問には、特にそういったものは持たないけれど誰かを選ぶとすればJohnny Deppに着て欲しい、とのこと。インスピレーション・ソースとして特定の誰かを設定しないという方法論は既存のカテゴリーに回収され難い作品を生み出すという意味で個人的に良いと思うのですが、そうすると今度はどうやって完成度を上げていくのか?ということが問題になるのですよね。

memorandum...

2010 MET Costume Institute Galaの件ですが、日本語ではコソの出来事でまとめてポストされていたので未見の方は是非。また、Costume Institute Galaに関連してThe September IssueのR.J. Cutlerが、FacebookでThe Met Ball(Part.1 / Part.2)という2007年のCostume Institute Galaに関するムービー(もちろん、Anna Wintourを撮影したもの)をアップしていたのでこちらもチェックしてみると良いかなと思います。ちなみにFacebookではThe September IssueのDVDに付いてくるBonus Clipもいくつかアップされていますね。

Fashion's International Night Week Out
(前述したR.J. Cutlerの情報もこちらからですが、)9月のFashion's Night Outについて。
今年は16カ国で行われるようで日本のオフィシャルサイトでもカウントダウンが始まっていますが、今年は土曜の夜なのですね。

Graydon Goes Gaga...
Vanity Fairの9月号の表紙はNick KnightによるLady Gagaとのお話。

CHANEL CHANEL art documentary

Coco Chanel本人のインタビューやChanelの作品について語るKarl Lagerfeldの映像を収録した、CHANEL CHANEL art documentary。Numero TOKYOに載っていて気になってDVDを買ってみたのですが、とても面白いChanelについてのドキュメンタリーだったのでご紹介。映像自体は1986年に製作されたものとのことで、映像中のKarl Lagerfeldがとても若いです。

映像では、Chanelの貴重な映像や写真・作品などが登場し、Coco Chanel本人のインタビューは歯に衣着せぬ物言いで、Karl LagerfeldはCoco Chanelの作品をコラージュしてアーカイヴ化した資料や写真などを見ながら彼女とその当時の作品についていろいろ語っています。Coco Chanelの人生をだいたい把握しているとあまり目新しい情報は映像中には無いと思いますが、個人的には見たことが無い映像や資料が多かったので興味深いドキュメンタリーでした。

DVDと言えば、少し前にCATHY HORYNがBlogにポストしていた"The Story of Fashion"というのも気になりますね。日本版が出てくれると良いのですけれど。あと、Karl Lagerfeldに関して言えば"Lagerfeld Confidential"も日本版が無いですよね。

また、Anna Wintourの"THE SEPTEMBER ISSUE"の日本版は7月2日発売のようで、米国版と同じように追加映像があるのかちょっと不安なのですがどうなのでしょうか。

The Business of Fashion to Livestream Jefferson Hack Interview

昨日行われたBoFによるJefferson Hackへのインタビュー。USTREAMの配信はチェックしませんでしたが(日本時間AM3:00からだったので)、Fashionistaの記事BoFのTwitterからいくつか気になった点があったので少し書いておきます。

インタビューのテーマは、マルチメディア・パブリッシングの未来について。
Dazed Digitalは9月にuser-generatedな"satellite blogs"をロンチするとのことですが、具体的にどういったプラットフォームになるのか気になりますね。そして、Dazed & Confused iPad appは7月に出版される8月号でロンチするというお話。
iPadの成功は、印刷出版の終わりを意味しますか?という問いについては、"Digital magazines are in the moment, with the information zooming around. Print magazines are like the collective memory, like a souvenir you buy at rock concert."とのこと。印刷出版物がロックコンサートで買う記念品のようなものになるという話は、Style.comでのHedi Slimaneのインタビューでもあった考え方(コレクターズアイテムになる、という話)に通じますね。個人的に最近読んだ本として、佐々木俊尚の「電子書籍の衝撃」でもケータイ小説の件で同じような話がありましたが。

(現在の状況を)サバイヴする雑誌に何が求められますか?という問いへの回答は、"The future is in specialization and niche areas, independent press and print on demand."とのこと。また、マネタイズには多くの異なるやり方があり、1つの収益モデルは無いというのは確かにそうだと思います。いずれにしろ、"Culture today is a digital stream. Either you adapt or you are a dinosaur."という考え方に基づいた行動が求められるということでしょうね。

「雑誌」と乱暴に一括りにしてこの問題について書くといろいろと問題があるのですが、デジタル化がビジネスとしての新聞を救わないようにビジネスとしての雑誌を救う可能性も低い(ゼロではない)のだろうなと個人的に思います。自分のような消費者にはその恩恵があるので良いのですが、地殻変動を迫られる出版側は大変だろうな、と。

毎月発売されるファッション誌のような雑誌の良いところは、映像のようにタイムラインが無く、アーティクルの集合体なのでノンリニアにコンテンツが消費ができることにあると思っているので、その辺のLook and Feelがデジタル化によって損なわれること無く、更に便利になってくれると良いかなと思います。デジタルマガジンは映像やインタラクティヴ性を取り込んでいってその世界観を更に押し広げ、ユーザーエクスペリエンスを強化させるという方向性の進化もあると言えばあると思いますが、コンテンツの重厚長大化は消費者の時間的コストが増大し、他メディアとの可処分時間の奪い合いを招くので使いどころを間違えるとマズイかなと。ビジネス的にもペイしないだろうと思いますし。

現状では雑誌一冊を購入しても表紙から最後のページまで一字一句全ページを読むことはほとんど有り得ないにも関わらず、一冊分のお金を出して購入している状態なので、iTunes Music Storeのように雑誌間を横断的にあるキーワードで検索して、ヒットしたアーティクルだけ購入できるようになる(CDアルバムから一曲だけ購入するような感じ)だけでも個人的に便利かなと思ったりします。あと、雑誌にハイパーリンクという概念が付くだけでもずいぶんとそのアーティクルの意味やコンテクストは変わってくると思うのでその辺に期待したいですね。