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Raf Simons 11SS Collection

Raf Simons 11SS コレクション。
今から20年程前に彼が最初に見て、そして、ファッションデザイナーになると決意したファッションショーであるMartin Margielaへのオマージュと、15周年を迎えた彼自身のブランドの過去への再訪がテーマとなった今回のコレクション。dazeddigital.comのインタビューによると"Liberation"もキーワードとしてあったようですね。
Michel GaubertによるサウンドトラックはSmashing Pumpkinsの"Tonight, Tonight,"を含んでいたようで、Style.comのTim Blanksによれば1997年のRaf Simonsの最初のショーでもこの曲が使われていたようです。

ここ数シーズンはテーラリングにフォーカスし、ユースカルチャーの要素が影を潜めていましたが、今回は直線的なカッティングのノースリーブ・ジャケットやコート、ノースリーブ・シャツにタイ、グラフィックTシャツにカットソー、そして、存在感のあったワイド・トラウザー、といった彼らしいアイテムが多く登場していましたね。個人的にRaf Simonsにはこういう方向性を求めてしまうので今回のコレクションはとても良いなと思いました。

コレクションの配色はホワイトが効果的に使われている印象で、全体的にとても爽やかでしたね。多くのアイテムで用いられていたジッパーに関しては初期のワークへの言及であり、背中の部分についてはホスピタル・ローブと女性のファッションへの関係があったようです。

経済不況以降に多くのブランドで見られるアーカイヴへの言及は、基本的に保守的な方向性のコレクションを生み出すことが多いのですが、Raf Simonsの場合はあまりそういう印象が無いと思います。Raf Simonsのユースカルチャーへの言及がそう感じられない理由は、Hedi Slimane以降のメンズのファッションがあまり進化していないことに起因するような気が何となくしてしまったのですが、たぶんある見方をするとそうなのだろうと思わされたコレクションでしたね。

via style.com wwd.com gq.com vogue.co.uk dazeddigital.com runway.blogs.nytimes.com showstudio.com tFS

posted by PFM