Burberry Prorsum 09-10AW Men's Collection
Christopher BaileyがBurberry Prorsumのデザイナーに就任した際、その伝統的な英国のブランドをチェック柄とトレンチコートを超えて昇華させるということが彼のミッションでした。そしてそれがある程度達成された現在、「我々は誰であるのか。」という原点回帰のコレクションが今回のテーマとなったようです(原点回帰は、Dolce & Gabbanaと同じですね)。
英国のフォトグラファーであるBill Brandの作品から受ける"modern nostalgia"をインスピレーションに、今年で創立153年を迎える同ブランドのルーツを探る旅は、ランウェイショーで使われなくなっていたバーバリーチェックパターンによって表現されました。
tFSを読んでいるとチェック柄は結構不評のようですが、コレクション全体を見るとそこまで多用されている訳ではないので個人的には良いのではないかなと。ダークトーンの中にノバチェックが明るく咲いている感じでしょうか。
確かにわざわざProrsumでやる必要が無いといった意見や、Burberryのイメージを変革し続けてきたChristopher Baileyが伝統的な(古臭いという意も含む)バーバリーチェックパターンを今更使うのはどうなの?という考え方もありますが、彼のクリエイションの文脈の中で再配置された今回のチェックパターンはそれは一見過去と同じに見えますが、違う意味を持つことができるのではないかと少し思いました。もちろんそれには、今後もチェック柄をコレクションのどこかで毎回使い続ける必要があるのですけれど(でなければ、今回限りの古き良き時代への郷愁で終わってしまう可能性が高いでしょうか)。
WWDでChristopher Baileyのつくる服を"disheveled elegance"と評していましたが、個人的に彼のつくる服に名前をつけるとすれば「優しい服」かなと思います。春夏と比較すると優しさの温度は幾分低いように感じられましたが、その穏やかな表現は今回も健在といった感じでしたね。